100日後に死ぬワニの商業展開の仕方がモヤモヤするので吐き出したい。~それはまるで天命間近の親族で遺産の話をする様な。

ワニ君、ちゃんと死にましたね。


「幸せすぎて死ぬー!」とかギャグテイストじゃなくてよかった。

ワニ君の心根の良さが出た死で本当によかった。 物語は普通によかった。これは本当。

何気ない日常で、別になんでもない日の方が多かったもの。


失礼、当たり前の様に話題にしましたが、一斉を風靡した【100日後に死ぬワニ】の感想です。

絵は子供が描いたような素朴な物。
だけども、内容は前述したような感じ

毎日「何かはあるけど、無為に終わったり、何もしなかったり。

「贅沢だけどだけども外食連発しちゃった」とか「欲しかったものがすっごい待ってしまう事に」とか

「仲間内で『最強』とか『負け無し』とか言って少し汚い言葉吐いちゃういながらゲームする」とか

『素朴にあるある過ぎて』引き込まれるタイプの漫画でした。

死ぬ事が最初からわかっている》作品で自分が1番最初に出てくるのは【ファイナルファンタジー7クライシスコア(FF7CC)】でした。

〔ザックス〕というキャラなのですが、FF7本編で出た最初からお墓にいるので、

『ザックスが主人公!』と言われても、当時から「どんなに凄かったのかより、どこで死んでしまうのか」が気になって気が気ではなかったものです。
終盤で失敗する度に「ここで死ぬのでは?!」と

その点ワニくんは【100日後】と神さながらいつ死ぬのかわかるのでソワソワの原因が「どう死ぬのか」に絞られましたね。

ほぼ3ヶ月という短い間ですが、ワニ君の人の良さは痛いほどわかります。
だからこそ「らしい死に方」だとホッとしたのです。

モヤモヤの理由

さてここからはモヤモヤの理由を書こう。
わかって欲しいのは『商業化してキャッシュポイントを作った事をモヤモヤしている訳ではない』と言うこと。

クリエイターとして必要な事である事なので。

そうではなく、『終盤に近づく時に商業化を発表した事』にモヤモヤするのだ。

【死】を扱った書籍で思いつくのは、闘病生活本人、もしくは支えた家族の手記や書籍で言えば『1リットルの涙』...いや最近では『妻に捧げた1778話』の方が通じる人が居るだろうか。

「死んだ人の為に何か残したい。忘れたくない」という気持ちは、自分もよくわかる。

そしてこれらの本を読んで自分の大切だった人を思い返すこともあった。

だからこそ!
モヤモヤするのである。
人間、例えそれが漫画のキャラでも【死】を弔い、慈しむ人が多いが(最近ではオルガとか、伊藤誠等一部ネタにされることはあるが。)

葬式を挙げるまで愛された力石徹がいい例だろう。

作者が言うには『亡くなった友人を思い描いた』らしいが、この一言が自分のモヤモヤを爆発させてしまった。

例えば、【もう上手く話せない、死期が近い大好きな親族、友人、恋人】が居たとしよう。

自分がとても大好きな人が死を迎えそうな所に親族が集まって来て
「遺産はどうしよう。通帳凍結する前に下ろしとけるだけ下ろさないとなぁ?お前は...生きてる間に...(どうのこうの)」
とか言われたらどう思うだろう?

人の命よりもお金を心配する親族。死ぬのは分かっているとは言えまだ生きてるその人の前で死ぬのを急かすように金の話をする。

死んだ後も式場やその後の懐石料理店で「葬式済んだし遺産分配しようぜ。残ってた作品個展とかに出したら儲かるかもな。手記とか作品とか残ってない?」

と慈しむ暇なく行ってくる人間に怒りを覚えないだろうか。もう少し、せめてその人を思う時間をとってもいいのではないだろうか。

「友を思う、大切な人を思う」のならば

せめて1日2日は置いた後に
友人の件を描いて「友人を忘れないために、皆様も大切な人に身近に死はある事を忘れないために」と(色々表現はあるだろうが)形だけでも金儲けの為だけであってもそうして欲しかった。

それさえあれば、「やっぱり金儲けの為か」と
幻滅し、モヤモヤしなかっただろうと思う。

最後に

これは遠い昔重病で今の自分があるのに必要だと思うほど影響を貰った大切な人の命日が3月にある人間の戯言である。
色んな種別の人間が居るし、【死は等しく重く、等しく軽い】事はわかっているつもりだから。

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