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黄昏

瞼に滲んだ、空に仰いだ。

光が、水が、青が、

世界に満ちて、すきとおる。

ねぇ、無花果の花が咲いたよ。

原初のひとが身隠しに使った葉も、

ざらざらして未だそこでめぐるよ。

みえないままそこにあるから、

だれもあなたに気づかなかった。

あなたはとうめいな、やさしいひと。

つめたい風に吹かれることが、

あなたがそこにあると表す。

いつかあたたかな毛布が、

あなたのことを愛してあらわしますように。

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