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小説

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誰かの隙間に入りたい
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#ネヴァーエンドワンダーランド

ネヴァーエンド・ワンダーランド(1)

ネヴァーエンド・ワンダーランド(1)

都会の真夜中はいつだって明るい。
それはこの街に住む人間なら当たり前に知っていること。
どこに行っても人の騒めきや、エンジン音を轟かせた後をついてくる。等間隔で並んだLEDの街灯が己を照らす。
虫の鳴き声が静かに聞こえるような、そんな寂れた夜はやって来ない。誰かの息さえ感じないような、真っ暗さは何処にも。
けれど夜が深いと感じるのは何故なのだろう。
上を見れば、いつだって煌びやかに彩られたネオンで

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