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ゲーマー歴35年のダンジョン紀行#09『新宿はダンジョンなのか? 後編』


▼ローディング。マッピングを終えた冒険者は進む。

 1月、睦月。2022年寅年です。今年は年男、35年多くのダンジョンに潜って参りましたが、この世にはまだまだ未知なるダンジョンが溢れております。ファンタジー題材のボードゲームには登場しがちですし、探索に重きを置いたボードゲームも気になってきました。Steamなどでインディーゲームを漁ると、”ダンジョン”と名の付くゲームが増えているようにも感じます。世はまさに、大ダンジョン時代!……と言う冗談はさておき。

 私の記事は『ダンジョン』を焦点にしたコラムを書かせてもらっております。当アナログゲームマガジンでは、アナログゲームにまつわる様々な事柄を掘り下げていく執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事に始まり、攻略記事、ルールの記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っているマガジンです。当記事は異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 さて、前回の企画『新宿はいかにして新宿ダンジョンと呼ばれているのか』にて、無事にダンジョン認定をすることができました。今回は『新宿ダンジョンはどのようなダンジョンか』に、いよいよ迫って行きたいと思います。

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▼B31F:『新宿ダンジョン』とは何者か。

 さて、前回は無事に『新宿はダンジョンである』と言うことを語らせていただきました。広大な地下通路で構築され、訪れるものを迷わせる『ダンジョン』として、まことしやかに語られる土地です。この新宿が、ダンジョンであることを前提に、今回は『どんなダンジョンであるか』を分析したいと思います。
 なぜなら、一口にダンジョンと言っても、様々なダンジョンがこの世にはあります。例えば、古典的なRPGで登場する冒険の舞台としてとか、ダンジョンをメインとしてローグ系とか。ダンジョンと名の付くアクションゲームだったり、パズルゲームだったり。また、『初心者用のダンジョン』や『ラストダンジョン』などの難易度をコンセプトの中心として組み立てられたダンジョン。或いは『森のダンジョン』や『洞窟のダンジョン』など、環境のコンセプトを中心に、罠や仕掛けを考えられたダンジョンなど、様々なコンセプトがあります。そこにおいて、『新宿ダンジョン』とはどのようなダンジョンなのか。
 もちろん『新宿』はダンジョンとして作られた場所ではありません。新宿ダンジョンのコンセプトをあえて切り取ってみたいと思います。

 まず新宿駅内とは、鉄道会社が提供している構内地図に起因する範囲を新宿駅と仮定し、地図と向き合いながら、ダンジョンの要素を思い出します。中心として考えるのは、ダンジョンのコンセプトを決める『大目的』です。大目的を考えると、ダンジョンの存在意義が見えてきます。

 まず新宿は”乗り換え駅”、或いは”副都心として多くの人が仕事や行楽、観光で訪れる場所”と考えられます。
1.乗り換えとして日々使うダンジョン。
2.旅行者が遊びに来たその場限りのダンジョン。

この2つを考えて、『乗り換えで一番長い道のり』。或いは『改札と出口が一番遠い道のり』を探すところから始めましょう。

┗新宿ダンジョン乗り換え編

新宿

 こちらの地図を参考にしながら、まず乗り換えで一番長い道のりの乗り換えを探します。地上の地図に重なってオレンジ色で塗られている部分が地下で繋がっている道です。(実際に歩くと、ビル地下などが繋がっていて、もう少し複雑な地図になっておりましたが。)
 各鉄道の改札口から改札口を比べると、乗り換えで一番長いのは『都営大江戸線都庁前駅~都営新宿線新宿三丁目駅』と見れるでしょう。

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