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ゲーマー歴35年のダンジョン紀行#08『新宿はダンジョンなのか? 前編』

▼ローディング。戦利品をしまい、年の瀬の新宿へ向かう。

 12月、師走。寒さも一入になり、炬燵でボードゲームが恋しくなる時期になりました。とはいえコロナ禍、気軽に集まるのも気が引ける昨今です。そんな最中でありながら、様々な工夫と配慮をこらされ、ボードゲームカフェを楽しむ声や、有志によるゲーム会開催をちらほらと見聞きするようになりました。ボードゲーマーたちの愛によって、ボードゲームの輪が広がり続けているのを嬉しく思います。

 当マガジンはアナログゲームを掘り下げていく執筆陣が集まり、一ジャンルを詳しく解説する記事に始まり、攻略記事、ルールの記事、はては第一線でアナログゲームを制作している方々の最新記事まで、多角的にゲームを語っているマガジンです。
 そして私の記事は『ダンジョン』を焦点にしたコラムを書かせてもらっております。マガジンの中でも異色のコラムとして、楽しんでもらえたら幸いです。

 今回は、かねてより企画していた『新宿はいかにして新宿ダンジョンと呼ばれているのか』をテーマに、いかに現実の土地にダンジョン要素を見出だせるか検証したいと思います。これまでのダンジョン紀行の集大成として、リアルダンジョンを解体します。

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▼B27F:『新宿ダンジョン』概要

 新宿を知らない方は少ないと思いますが、『新宿ダンジョン』という単語は、いささか一般的では無いかと思います。言葉としての発祥は不確かですが、その複雑な構内構造と、多様な目的地や乗り換えから、ミームとして揶揄されている単語です。
 しかし、不確かと言った直後ながら、『新宿ダンジョン』と言う名を冠したアプリゲームが存在しております。ミームとして語られる『新宿ダンジョン』に触発され、一人の有志が実際に歩き回って製作したゲームです。つまり、事実として新宿はダンジョンにされているのですが……。
 新宿駅といえば、毎日300万人以上の人間が通りすぎ、JR山手線・JR中央本線・JR埼京線・JR湘南新宿ライン・ JR総武線・京王新線・京王線・小田急小田原線・都営新宿線・都営大江戸線・東京メトロ丸ノ内線と11もの路線が交錯する世界有数のターミナル駅です。そんな『人々が多く行き来する現実の駅でしかない新宿が、ダンジョンであるはずないであろう』と言う視点と、『いままでダンジョンを見てきた経験』をしっかりと活用しながら、できるだけフラットな視点で取材して参りました。

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▼B28F:新宿のダンジョン要素

 では、まず最初に結論を言いますと、
 『新宿駅はダンジョンです!!』

 12月某日、2日間新宿の地下構内を隅から隅まで歩いて取材をして参りました。もとより、私は小田急線沿線に住んでおり、新宿駅自体は幼少から通い慣れた駅でありました。なので、『ダンジョン』と揶揄するには馴染みのありすぎる土地で、取材に入る前は『いかに新宿がダンジョンでないか』と、そのようにとりあげるつもりで考えていました。『新宿ダンジョンと言うミームを解体することこそ、記事の根幹になるのだろう』と!
 しかしながら、改めて歩いたことで、新宿にはこの一年ダンジョン要素として取り上げてきた『大目的』『能動的な選択』『報酬と障害』の3つを満たす要素が十分すぎるほどありました。

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