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「機密費」の闇、再注目 石川・馳浩知事の東京五輪「想い出アルバム作戦」で 機密費とは? 戦前よりもひどい管理状態 

 石川県の馳浩知事が、東京五輪の誘致をめぐり、IOC(国際オリンピック委員会)の委員に対し、機密費を使い贈答品を渡したと発言した問題は、11月18日に知事は金沢市で取材に応じ、「事実誤認があった」としながらも、具体的な言及は避け、同じ回答を繰り返すばかりで、発言の真意に踏み込むことはない。

 問題の発言は、同月17日に東京都内の講演であった(1)。しかし、それが報じられると、同日夜、知事は「誤解を与えかねない不適切な発言だった」と発言を全面撤回する談話を発表した。

 馳氏の当日の発言内容は、

「いまからしゃべることはメモも取らないでください。(安倍晋三元首相は)『馳、カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから』って(笑)」

というもの(2)。

 講演のなかで馳氏は、105人のIOC委員らに対し、委員の選手時代の写真などをまとめたアルバムを1冊20万円で制作し、それを持って『世界中を歩きまわった』という。さらに、安倍元首相から『オリンピック招致を必ず勝ち取れ』と発破をかけられた言及。

 つまりは、官房機密費を使い買収工作をおこなったと、自ら暴露したようなものだ。

 また馳氏がつづったブログをたどると、2013年4月1日、当時の菅義偉官房長官に招致活動の方針を報告した際、大使館へのあいさつ回りやロビー活動とともに、「想(おも)い出アルバム作戦」を挙げたという記述が残る。

 誘致のための海外出張を前にし、写真を扱う業者と打ち合わせをしたというくだりも。


「想い出アルバム作戦」「ともだち作戦」


 当時のIOCの倫理規定では、大会の招致について、「立候補都市に関わるすべての人は、五輪関係者へいかなる贈与も行ってはいけない。五輪関係者はいかなる贈与も受け取ってはならない」と定めていた。

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