映画「性の劇薬」を観てきた話

hontoが年末に寒さを萌えで乗り切ろう的なキャンペーンやってて、500ポイント欲しさにエントリーしたんですよね。そうしましたら、

映画「性の劇薬」の前売りチケットが送られてきました、わーい…………毎日BL小説読んでりゃね…当たることもありますよね。
まぁそういうわけで見てきたので以下感想です。ネタバレ配慮しませんのでご注意ください。

真面目な腐女子なので、ちゃんと原作読んでから行きました。原作を読んだ後、これ映画化とかマジ?って思い、映画開始5分で「マジだわ………」と怯えました。とりあえず最初から容赦ないです。もはやBLでもSMでもないよ、少なくとも前半はホラーだよ。普通に怖かったもん。カメラワークが良くて、モザイクが絶対に入らないのが良かったですね…絶対に画面に映らない玉と陰茎に根性と美学を感じます。男のケツは一生分見た気がする。ありがとう。ちなみに肌色率高いし7割セックスしてる気がするけど、これはAVじゃなくて映画ですね、抜けないので(?)

原作とストーリラインが結構違うんで、原作ファンはどんな感想かわからんけど、私は劇場版の脚本の方が好きかもしれないです。攻めが救急外科医、攻めの昔の彼氏が終末期医の対比がめっちゃ良いと思うので。生を求める医者と安楽な死を与える医者。良い医者は上手に生かして上手に死なせてくれると私は思ってるので、そこがカップルになってたらそりゃ面白いですよ。想像で補うから面白いのかもだけど、もっと攻めの元カレを見せてほしかった気持ちもある。オリジナル要素で、原作だと攻めも受けと一緒で、自分のせいで家族が全員亡くなるというトラウマなんだけど、実写映画の方は恋人の自殺を止められなかったトラウマになってて、まぁまぁ大きな改変になってますね。

いや、いろいろツッコミどころはあるんですよ。トイレが汚すぎるとか、トイレ汚いとか、いやそもそもなんでそこに洗面所とトイレが!?ですし、なぜそこにシャワーが!?ですし、病院のボイラー室に監禁するなとか、死亡した患者の家族への説明を看護師にやらせるなとか、フェンタニルで自殺する昔の男とか、病院の麻薬の管理どないなっとんねんとか、モルヒネよりフェンタニルの方が強いことはなくない?そうだっけ?とか…まぁでも攻めのトラウマが見えてから物語が面白くなるのは確かです。攻めと昔の男めっちゃ面白くない?病んでる攻めにはシーツに影が見えたり、海に昔の男の幻影が浮かんでるのが見えてたり、ゾワっとして良かった。

フェアゲームっていうBL小説に「誰にでもセックスが必要な夜はある」っていうような一文があって、誰にでも耐えがたい夜や、一人では越えられない夜があるっていう意味の名文だと私は思ってて、この映画もそういう映画だったな~と思います。喪失の悲しみに沈んでどん底の二人が、肉体の快楽を生きる糧にして、ふたりでセックスをして生きていく話なので、結論的にはどん底からの希望の光的な何とも切なくてきれいな話だったなーと思う。肉体の快楽があれば生きていけるという話ではなくて、肉体の快楽から離れられない滑稽さと悲しさもちょっとある。おそらくここまでやる?的な過激さをセールスポイントに置いているけど映像的には結構綺麗めの印象。ていうか過激な部分はエロを通り越してホラーなんで…怖かったんだよ!私は!映像を見る限り快楽より恐怖が勝ったのでちょっと私には受けの気持ちは分かんないですね。セックス部分は朝チュンにして再構成してくれへんか(無理やろ)

まぁでもなんていうか、こういうものが実写作品として世の中に出てくる世の中になったのだなぁと感慨深く思います。これができるなら大概のものはできるやろ、と見ながら木原音瀬のえっぐい作品FRAGILEのことを考えたもん。見終わった後、結構私は悶々と考え込んでしまったけど、考えてしまう程度には殴られたんだと思う。でもみんな見てねっていう映画ではないですね…人は選ぶ。知人と見に行かなくて良かったとちょっと思ってるもん。まぁでも他の人の感想は気になるので、そのうち検索して漁りに行こうと思います。面白い感想にならなくてすまんけれども、おわります。

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