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買い物

買い物は大変だ。
意志との取引をしているようだ。必要な物を買えばいいのだが、思うようにはいかない。なぜなら、誘惑しかないからだ。迷う。
買い物に行ったら想定外にしか出会わない。想定外は嫌いではないが、財布には優しくない。出会えたことに感謝できる器量を持ちたいが、常に歓迎ムードではない。

卵を買いに行ったのに、豚肉が安くなっている。
パンを買いに行ったのに、チョコレートもついてくる。
キャベツを手に取ったら、食べきった納豆を思い出す。
買い物は愉快だ。

時折、選んでいるのか選ばされているのか分からなくなる。
曖昧な人間には、それくらいでいいのかもしれない。
本当に必要な物だけを買うのは困難なのかもしれない。

買い物をしていると、叔母を思い出す。まだ、生きているが
叔母は何でも多めに買う。必要か分からないものも多めに買う。
ご飯やおかずも多めである。おかげで中学生の頃にかなりふくよかにしてもらった。
常に家にはストックの山。シャンプー・トイレットペーパー・冷凍食品などなど、物に満たされた家にいる。そんなに必要かな?とも思う。
いつでも買い物に出かけたら多めに買ってくる。危険察知能力が高いのか、不安が強いのかは分からない。ただ本人にとっては、購買意欲が満たされるし、みんなのためを思って買っているらしい。

しかし、よく考えると自分も変わらないではないかと思いいたる。
自分も買い物に行ったら余計な物がついてくる。
叔母が1度に買ってくる量が多いから気になるのであって、やっている事は同じだと雪で閉じこもってみて分かった。
雪が降ったので、ほぼ2日間、家に閉じこもっていた。買いだめをしていなくても生活できるが、外の空気を吸いたくなる。外に出て買い物もしたくなる。2日ぶりに外に出て買い物をする。気になったお菓子も手にもってレジに並ぶ。たしかに満たされるものがあった。

生きていくために買い物はするのだろう。誰が何を買おうがその人の自由だ。買いたいと思える物を選べる精神力と経済力が欲しいと思った今日この頃でした。

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