熱
一日遅れの、今週の #お花の定期便 。先週はお休みしたし、今週は一日遅れ。いったいどうしたんだよと自分を嘆きたい。小説は毎日書き続けているが、それもやっとのこと。
こうなってしまったのは、私の体の大量の熱がなにか全く新しいものへと注ぎ込まれているから。
数週間前、その事実に気づき認めてから、私はよくよく観察してみることにした。
体内の水はぷつぷつと沸き立ち、湯気が噴き始めた。やがて熱湯となり、くらくらと揺れ始める。
自分の体がこれほどまでに大量の熱を生み出せることに驚いた。蒸気を飛ばしながら、なおも煮立つ。逃げ場のない熱さに目眩がした。
よくよく覗いてみると、とろみが出始めていた。これは厄介だ、と思った。蒸発し、なくなってしまえば、熱に浮かされる日々もそれまでだと思っていたが、とろみは実に厄介だろう。
純粋な水分は空へと消え、とろみが粘りを増してくる。底の部分が焦げ付いてしまいそうだ。私は仕方なく掻き混ぜることにした。腕にかかる圧が強くなる。粘り気は増し、若干の色味がついてきた。ベッコウ飴のようにでもなるのだろうか。出来上がったら食べてみようか。甘いのだろうか。私の体液でできた飴は甘いのだろうか。
誰にも理解されない熱を発し続けている。どうすれば良いかもわからずに、練り続けている。
しかし、この先、これほどまでに発熱することはもうないのではないか。それならばこの熱の果てを見届けてやりたいと思う。世間が『欲望』と呼ぶこの熱の果てを。
第一木曜だった昨日、花は届かなかった。花のサブスクは第二、第四木曜なのだ。何も眺めずにただ己の熱を眺めている。
これは、悲劇だろうか。囚われ苦しむなら悲劇だろう。私はこの悲劇をじっと見詰める。熱に浮かされているようで、残酷なまでに冷静な瞳で、きっと果てまで見届けてやる。
ぇえ…! 最後まで読んでくれたんですか! あれまぁ! ありがとうございます!