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行き止まり

noteで小説を書くのをやめる。
エッセイ#お花の定期便 は細々と続けていくが、小説はやめようと思う。

――行き止まり。
今居るこの場所が、行き止まりなのだと思ったからだ。
  
書くのが愉しかったのは35歳。書き始めたばかりの頃。とにかく愉しかった。文章の上手い下手など関係ない世界に居た。
やっと周りが見えてきて唸り始めた36歳。書くことに一喜一憂していた。こちらを突き放してくるような、それでいて全身を絡め取って行くような、『文章』の魅力にがっちりと掴まれた。
そして認めた37歳。力の無さを真正面から見た。小説を投稿するのをやめようと思った。もう限界、と呟いてみる。自分の足で来られる場所は、自分の目で見られる景色は、もうこれが限界だ。ここが私の行き止まり。私は静かに認めた。これまで歩き続けてきた見慣れた道の真ん中に、自分で行き止まりの標識を打ち立てた。
この道はもう終わり。この先にはもう行かない。

この4月、私は心に決めた。
別の道を拓くことにした。
これまでの小説を手放して、これまでとは全く違う小説を手に入れることにした。
思いつくままに小説を書き、表に出すのはもう終わり。一つの作品を深く追求してみる。これまでに無いくらい、小説に潜ってみる。
そしていつか『書いた』と一言言ってみたい。納得できるものをこの手で『書いた』と言い切ってみたい。

あの道は行き止まり。今日からはこの道だ。私がひとりでそう決めた。




老いたラナンキュラスが、ぼんぼりのようにまぁるくなるとは知らなかった。淡く白いものは、まるでホイップクリームのようだ。
若いのも良いし、老いたのも良い。



〜 #お花の定期便 (毎週木曜更新)とは、湖嶋家に届くサブスクの花束を眺めながら、取り留めようもない独り言を垂れ流すだけのエッセイです〜


ぇえ…! 最後まで読んでくれたんですか! あれまぁ! ありがとうございます!