36時間で司法試験憲法短答の足切り確率をゼロに近づける方法
前提としての知識量、書籍について
この記事は司法試験の憲法短答で足切りが気にならないような上級者や、憲法の短答のコツを習得している人にとっては、全く有益な情報は書かれていない可能性がありますので、そのような方は、この画面を閉じていただければと思います。
タイトルは司法試験の憲法の短答の足切りとしておりますが、予備試験の憲法の短答でも十分利用できる活用できる手法ではあります。
また、憲法短答の点数を上げるという方法論であるため、憲法という科目の理解を深めるという観点からは全く無意味であるとも思えます。
しかし、短答の問題分析を徹底することで、憲法の司法試験委員の方々がどんなことを重視しているかが見えてくるので、そのことから、憲法という法律でどういう点を理解すべきなのかということもわかってきます。 そのような意味においては、点数を上げるだけの方法論にとどまらず、法律理解にもつながる可能性はあります。
この記事のタイトルは36時間としましたが、もちろんゼロから勉強を始めて36時間で憲法の足切りラインを超えることはほぼ不可能です。
あくまでも、他の科目でも、憲法でも同じくらい知識はあるはずなのに、なぜか憲法だけ、短答の点数に不安があるという人が、36時間で足切り確率をゼロに近づけるための方法をご紹介しております。
この記事で紹介する方法を時間内に行うためには、全部の過去問が一冊にまとまっている書籍があった方がスムーズに進められると思うので、短答パーフェクトの憲法があった方が理想的です。
全問の解説がそろっていれば、特に短答パーフェクトでなくても構いません。 スタディングでも無料で全問解説されていますが、年度別でないため、指定の問題を探すのに時間がかかり、この記事の方法としてはあまりお薦めはできません。
なぜ36時間なのか
今の新司法試験、予備試験の過去問は何問あるかご存じでしょうか。
1年分は憲法は平成18年から平成22年は20問あります。平成23年からは、予備試験も始まり、予備試験独自の問題が4問あるので、平成23年からは、1年で24問あります。 全問では、412問あることになります。
年数としては、平成18年から令和5年度まであり、18年分ありますので、1年分を1時間以内で解くことで、全問解き終わるまでに18時間かかります。
それを2周することで36時間になるため、この記事では36時間とさせていただきました。
1周目の勉強の仕方
問題の解き方
全問題1周するために、短答パーフェクトなどの分野別の問題集を使いません。
法務省のページから、司法試験の問題を年度ごとに問題をプリントアウトして解くようにします。
古い平成18年度から順次解いていきます。 平成23年度からは、司法試験の問題をやったのに続いて、予備試験の独自の4問を解きます。
古い順からやっていくのは、古い問題が出題されたのを前提として、新しい問題が出題されるため、古い問題をしっかり把握しておく必要があるからです。
予備試験の問題に関しては、4問しか独自問題がないので、プリントアウトが無駄になるので、プリントアウトなしでも良いと思います。
1年で20問もしくは24問ありますが、一気に40分以内に解きます。おそらく、憲法はこの時間でもそれほど余裕を持って解き終わるのではないかと思います。
そのため1年分が1時間以内に終わるので、18年分で18時間ということになります。
解く時に気をつけてもらいたいのは、×になる選択肢について、どの部分を自分が×だと思ったのかを記録しておくことです。できれば、×をいれた理由も問題用紙に書き込んでおくと良いでしょう。
1年分解き終わったら、次の年度にいかずに一度答え合わせをします。
答え合わせの仕方
まずは正解不正解を確認してもらって、自分が確信をもって〇×つけられなかった箇所の確認をします。
答え合わせをするときに、一番大切なことは、解くときに、自分が×だと思った箇所が本当に×だったのか、理由はあっていたかを確認します。
このときに、×となった理由が思っていたものと違ったり、自分が考えてもいなかった理由により×となっていた場合があります。
また、解くときに〇と思っていたのに、答えが×だった選択肢についても、その×となった理由をしっかり確認します。
逆に〇と思って、〇だった選択肢については確認する必要はありません。
答え合わせをしながら、どんな理由により×となるパターンがあるのかを自分なりにまとめておければ、×の判断がしやすくなりますので、×のパターンをストックしてもらうことを重視します。
パターンについては、後ほどどんなものがあるかの例を記載しますので、そのような形でご自身でパターン化してもらえると使いやすい形になると思います。
2周目の勉強の仕方
2周目も、1周目と同じく、古い順に年度ごとに、プリントアウトして、問題を解いて、答え合わせするという手順は1周目と同じです。
同じことをやってもらうのですが、1周目に蓄積した×のパターンを基本として、2周目を解いてもらいます。
2周目に使う時間は18時間ですが、これをなるべく本番に近い時に18時間を使いたいです。 できれば、本番の前週以降にできると理想です。
この2周目で全問解いた記憶を本番でも活かしたいからです。 過去問で出題された選択肢はそのまま答えの判断に使えますし、×となるパターンを直前に確認できて、本番でそのパターンを使う思考回路が確立した状態で臨むことができるからです。
憲法短答が難しく感じる原因
問題形式面
民事系、刑事系は5つの選択肢から、正解の組み合わせを選ぶものが中心であるため、2つの肢が分かれば正解を導けるものがほとんどです。
一方で、憲法は3つ全部正解しないと1点も入らない2点問題と、3つ全部正解で3点、1つ間違えれば1点という問題がほとんどであり、3つの選択肢の中で1つでも間違うと、最低でも2点失点しまうという難しさが、点数が低くなりがちで、難しく感じる大きな原因だと思っています。
問題実質面(1)
実質面で憲法を難しくさせている大きな要因は、正誤を問われているのは結論部分だけではないということです。
民法や刑法では判例の結論がそのまま問われているため、結論を覚えているだけで正誤判定ができるのがほとんどです。
しかし、憲法では判例の結論が合っているのに、理由もしくは、審査基準が違う、判例ではそのような内容に触れていない等、結論以外の部分で×判定しないといけないということがあります。
これが、憲法の短答を難しくしている要因かと思います。
問題実質面(2)
もう一つは憲法は1問が3つの選択肢に見えて、実質は5つの選択肢であったり、6つ以上の選択肢の問題であるものが結構あります。
そのため、実際には、3つ以上の選択肢を検討し、その正誤を正確に判断しなければならないことが難しさを感じさせています。
具体例をみてみます。
令和4年第13問ですが、実質は選択肢いくつかわかりますでしょうか。
もちろん、形式上は3つの選択肢ですが、実質的に〇×の判断をしなければいけないのは、3つではないのが、憲法の問題です。
実質的に〇×を判断しないといけないのは、以下の数になります。
(①~⑧まで数字をいれた部分が正しいかを判定しないといけません。)
この場合、アを判断するときに、①~③を検討する必要があり、イの判断をするときには、④~⑥を検討する必要があり、ウの判断をするには、⑦、⑧を検討する必要があり、検討する選択肢が多いです。
アを判断するときに、①~③を検討するときに、〇と判断するためには、①~③の全てが〇でないといけないので、慎重に判断する必要があります。
しかし、1つでもその中に×がある場合は、すぐに選択肢を×と判断できるという特徴があります。
このように、アという問題の選択肢を実質の選択肢①~③のように分解した場合に、1つでも×があれば、簡単に正誤判定ができるため、いかに×を見つけ出すかが正答率を上げるために重要ということになります。
〇×は単純に考えると、50%、50%ですが、上記のように分解してかんがえると、①~③に分解できた場合は、〇である確率は 8分の1であり、×である確率は8分の7という確率になります。
ウのように⑦⑧の2つに分解できた場合は、〇である確率は 4分の1であり、×である確率は4分の3という確率になります。
このように分割できる選択肢の問題は、単純な確率的には正誤が×である確率が高くなります。
具体的な対策1
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