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「シーワールド」の影になる?―「須磨海岸」も見ていってほしい

間もなく開業予定(24/-5/29現在)の「神戸須磨シーワールド」。
これまで「須磨海浜水族園」として神戸市が運営していたものを、再開発という形で民間へ移し、「観光地」というよりも「リゾート地」としての性格を強めて、新たにオープンします。

おそらく、シーワールド開業後は、神戸市民に限らず他府県からはるばる訪問に来てくれる方が非常に多いと思いますし、それはそれで街が元気になり、また運営企業の目論見通りともなるかもしれません。

しかし、神戸市民でさらに「須磨海浜水族園」の時代から「のびのびパスポート」を乱用 活用して周辺に出入りしていた私としては、この度シーワールドが開業するに伴って、影が薄くなる地区が現れることを危惧しています。

それは「須磨海岸」。シーワールドの目と鼻の先よりも近く、市民・周辺住民にとって、ちょっと広めのお散歩エリアとなっています。

影が薄まらないかの心配

もともと須磨海岸は、シーワールドのように「わざわざ造成しなくても人が来る」ほどロケーションに恵まれていて、毎年夏になるとテレビで紹介されたり、SNSで「エモい写真」の舞台となって投稿されたりで、年々知名度が増しているところでもあります。

神戸市も当然、知名度の上昇に伴って海岸に来る人が増えていることを分かっているので、ここ数年ずっと気合を入れて工事しています。
中の人はいま21歳ですが、17歳くらいの頃からやっていたんじゃないかと思います。

結果、海岸の遊歩道や街灯、広場やトイレに至るまで、ほぼ全ての歩行空間が更改され、現在もシーワールドの周辺はさらなるテコ入れを受けています。

「須磨海岸」という単独の地区に、行政がこれだけの力を入れて魅力向上を図っているのです。
ぜんぶ後で写真でお見せします。

それが、シーワールドが開園すれば、そこに来た人はシーワールドしか楽しまず、こんなにも至近距離にある須磨海岸に立ち寄らないでそのまま帰ってしまうケースが多くなるのではないかと、個人的に心配しています。
有料エリア(シーワールド)とも距離が近いため、海岸に立ち入るのすら有料だと思われていそうな気もしないでもないですが、無料です。

シーワールドに来た皆さん、ぜひ須磨海岸にも立ち寄って、新施設の迫力でお腹いっぱいになった体を休めてほしいと思います。

時季的な問題もある

特に今の時期(5月末〜6月中)は、今年に限った話で言えばまだ暑くなく、吹いてくる風も冷たく気持ちが良いです。
これが7月以降になると、暑いわ人来るわ砂熱いわ海ぬるいわで、誰も幸せにならない環境が完成してしまいます。

別にその時期に来ることを否定はしませんが、かなり体力・精神が削られることは覚悟するべきです。そうなるくらいなら、今のうちに来たほうが涼しいし人いないし砂ぬるいし海そこそこで、シーワールドと組み合わせてストレスなく楽しめると思います。


実際に行ってみた

ハイ、JR山陽線 須磨駅です。そこまで規模はありませんが、快速が停まります。

改札を出て、右側(写真奥)へ抜けると…
 

ご覧の通り、オーシャンビューが広がります。
駅構内なのに、まるで展望台のようなスペースです。橋上駅舎を上手に活用した構造です。

さて、駅構内からの眺めの時点で、既に海が近くに見えています。駅から海が実際どれだけ近いかというと……

この通り。遠近法もあって思ったより近くはないですが、決して遠くもありません。
(参考までに、左に見えている線路の幅は約1メートルです。)


地上に降りてみよう

駅の真正面の遊歩道を東(神戸方)へ望んでいます。

場所が場所なだけに、この辺りはやはり人が多く滞留していますが、それでもこの程度です。
実際に海岸を端から端まで歩いても、ここより密度の高い場所はありませんでした。

神戸市渾身の工事により、遊歩道は
コンクリの白い状態が維持されている


今度は遊歩道から海を見てみましょう。

遊歩道はよく手入れされているものの、砂浜の部分についてはあまり追いついていない印象です。

須磨海岸に面する海は、大阪湾の一部。
遠目で見ると綺麗なのですが、近くで見るとゴミが浮かんでおり、打ち上げられて砂浜に残ってしまうのです。
この前見に行ったら、どこのか分らない道路境界標が打ち上げられていました。

逆に言えば砂浜で何を工事するねん、という話にもなってきますけどね。
遊歩道工事などのために、砂浜に重機が入ると、撤収時に盛り直されて綺麗になりますので、それと比較すると旧来の箇所はやはり古く見えるような気がします。

工事中エリア(当日撮影)。砂が掘り返されている
撤収時、白く綺麗に戻される

須磨海岸、こうしてみると長年どこかしらで工事が行われていますね。サグラダ・ファミリアかもしれません。


須磨海岸は、ひとくちに海岸と言っても、神戸市内随一の東西長を誇ります。
遊歩道の全長は(直線距離で)1.8kmあり、商店街で比較すると大阪・布施商店街とほぼ同じです。

日本一長い商店街は大阪・天神橋筋商店街で2.6kmと、800m(神戸市営地下鉄 長田〜上沢間相当)及びません。

JRは図の外に「須磨海浜公園駅」があり
シーワールド最寄りとなっている

「須磨駅」からシーワールドはかなり歩きます(ほぼ海岸の端から端)ので、歩きたくない方は要注意ですが、興味がある方は遊歩道をずっと歩いてみても良いかもしれません。

普通電車しか止まらない海浜公園駅から、シーワールドへ先に行き、海岸を須磨駅へ歩いて、快速電車で帰路につくのも良いですね。


海岸の中央からちょっと東側へずれたところに、こんな赤色の建物があります。その風貌から役割はお分かりでしょう、「須磨の赤灯台」です。

しかし、この周辺に港としての機能はありません。兵庫区・和田岬で使われていたのを、新灯台への役割移譲とともに、ここへ移したのです。
証拠に、この灯台の正式名称は「(旧)和田岬灯台」となっています。
国登録有形文化財で、内部は非公開となっていますが、年に一度あるかないかの頻度で一般公開されます。事前に市が公表します。

いよいよシーワールド関連エリアへ

シーワールドの建物が近づき、雰囲気もだんだん白〜灰色のみが基調となります。

以前はこの周辺も市が保有・管理していたため、水族園以外に建物は何もなく、広場らしい広場もありませんでした。
この度、民間のテコ入れにより、その「広場らしい広場」がしっかり広場として整備され、新たに商業店舗が入る建物も3軒置かれました。

建物の一例
こんなに広かったのかと驚かされる
市営時代にはあり得なかった整備規模


さあ、まもなくオープンのシーワールド本体が見えてきました。
撮影日は5月29日、周辺は最終仕上げらしい作業が進んでいて、立ち入れるエリアがかなり限られています。

シーワールド本体の西端


おっと、本題をお忘れなく。ここで背に返ると…

ご覧の通り、広々した海岸が見えます。人も全然おらず、のびのび過ごせます。この時期に来るべき理由が詰まった写真ですね。


案内標示。「須磨海浜公園」の立体な造りが、どうも中央区・東遊園地のそれによく似ています。

これもシーワールドの絡みで、世界観を統一するため新たに置かれた標示になります。


海岸区間はここまでになります。ここから東側は駐車場・野菜直売所等ありますが、あくまでも須磨海岸がこの度の主題なので、またの機会にさせてもらいます。


…あっ、駐車場だけ近かったので撮りました。

大規模駐車場は須磨海岸の東端と中程にあり、いずれも平面のみでしたが、このたびシーワールドの巻き込みを受けて東端を再整備。
立体駐車場が建設され、平面は観光バスの留置にも対応しました。

中程については、先に述べた商業店舗の利用者に駐車対象が絞られています。


おまけ・シーワールド関連の建物

人間いつになっても新しいものには興奮します。

海岸をメインに撮影してきましたが、シーワールドの規模に圧倒され、こっちのほうが枚数多くなってしまったかもしれません。

建物の外形や、外から見える中の物を撮っています。ネタバレ注意




ネタバレ防止用空間





ネタバレ防止用空間






ネタバレ防止用空間(最終)





シーワールド(本屋)全景 海岸側から
イルカショー観客席 海岸側から
規模の暴力を感じた
須磨シーワールドホテル全景 海岸側から
シーワールドホテル側面 車両横付け用スロープ
更改された国道2号線 施設標示
「水族園前歩道橋」に安心した
国道2号を挟んで、住居エリアとリゾートエリア
車両廻し場・立駐から地上への跨道橋
シーワールドホテル全景 国道側から
モニュメント・シーワールドホテル全景
国道側から 市バス「若宮町」のマジ真正面
シーワールド(本屋)全景 国道側から
おみやげショップ?
券売りさばき所・改札口 国道・東側から
サイネージ近写 スマホの限界
券売りさばき所・改札口 国道・西側から
市バス「須磨水族園」のほぼ正面
神戸市交・衣掛詰所 看板が敷地内に立っている
シーワールド(西屋) 国道側から
シーワールド(西屋〜本屋) 海岸側から