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2020.06.02「最強無敗の完全戯画《パーフェクトアニメーション》」

今日はAmazon Echo、いわゆるアレクサにだいたい一日中声優音楽を流してもらいながら労みたいなことをした。早見沙織、伊藤美来、夏川椎菜、など。安野希世乃さんも流してもらおうと思ったが認識してくれなかった。入っていなかったのかもしれない。夏川の曲流して、とアレクサに言ったらAmazon Music Unlimitedに入れば聴けるよ、などと言いやがったので、Echoを買って最初は入っていたもののすぐに解約したUnlimitedに再度入ることになった。ハイスコアガールを見てからほぼ使っていないネトフリを今度こそ解約すれば、月額料金的にはプラスになるのでまあいいだろう。


火曜日は見ているアニメがない。というわけでどうしようかなと思ったが、たまには過去アニメを見返すかという気持ちで「最弱無敗の神装機竜」を見ることにした。このアニメ、2016年冬クールに放送された、今さら説明するのも憚られるような、かつて栄華を極めたファンタジーバトル学園ハーレムラノベ原作アニメの金字塔であるが、実は大きな声では言えないが自分は完走していなかった。Animetickによれば9話までしか見ていない。せっかくなのでこういう取りこぼしはしれっと回収しておこうという魂胆だ。

この2016年という年は冬クールに灰と幻想のグリムガル、春クールからはリゼロが放送されていた。すなわち、今や当たり前となったいわゆる異世界転生モノのアニメが本格的に市民権を得始めていた年であった。それにより2017年以降こういったファンタジーバトルハーレムものは鳴りを潜めてしまうのだが、いわばその最終盤に出てきたのがこの「最弱無敗の神装機竜」だったというわけだ。ジャンルとして完全に成熟しきっていたということもあり、このアニメの完成度は異常に高かったと記憶しているし、実際今日見返してみて、当時覚えた感動よりも数段高い感動を受けているといって差し支えない状態である。この一つ前の2015年秋クールに放送されていた「落第騎士の英雄譚」も非常に完成度の高い作品で(実はこちらも自分は完走できていない)、「落第騎士」の場合は、主人公が明確にステラ・ヴァーミリオンというヒロインとくっつくという、ハーレムものに対する一つのカウンターを出してきたことがこのジャンルへの答えの一つとして機能し、個性となっていた。この「最弱無敗」においてそのような点を一つ見出すことができるとするならば、主人公のルクス・アーカディアがイケメンというよりはかわいい顔の男の子であり、演じたのが女性声優だったということである。(CV:田村睦心) さらに、劇中ではルクスはそのルックスをもって(ルクスのルックス……)女装も果たし、劇中の並み居るヒロインたちにも引けを取らないかわいさをお届けしてくれた。これもまた、ハーレムものに対する一つの答えと言っていいだろう。ちなみに、この次のクールで放送された「ハンドレッド」では、ヒロインのエミール・クロスフォードが序盤男性を装っていた。まあ視聴者にはバレバレだったが…… ちなみについでに言うと、「落第騎士」「最弱無敗」「ハンドレッド」はすべてGA文庫原作だったりする。

このあたりの一時期栄華を極めたラノベアニメ群(巷では「石鹸枠」と呼ばれたりもする)に対するもろもろは、自分が最もアニメを見ていた時期とかぶるということもあり、いろいろと思うところがある。詳しく論じるならば日記ではなくはてブロでやることになるのでここではこの辺にしておくが。

アニメを見返しての単純な感想とすれば、1話のラッキースケベ→決闘→ヒロイン①の攻略、2話で幼馴染登場、3話以降で強ヒロイン②の攻略……と、とにかく手際が良く、流れるような視聴感が気持ちいい。基本的には主人公のルクスも不快感はほとんどなく、とにかくモブも含めて女性キャラがみんなかわいい。主人公が数年前崩壊した旧帝国王室の生き残りで、ヒロインリーシャが新王国の王女という設定も、(すっかり忘れていたが)あらためて見ると複雑すぎず飲み込みやすい。はっきり言ってこの路線では間違いなく到達点と言っていいだろう。

特に良かったのはやはり5話「少女の願い」だ。遺跡で生まれ、道具としてしか扱われてこなかった、つまり自分の価値を認められなかったクルルシファーと、旧帝国のなかでできるだけ人を殺さないようにと願ったにもかかわらず、自分の力では何もできずに結局国の民にも王室にも疎まれたルクスが、遺跡の中でお互いの過去を語るAパート、そして「もう迷惑をかけないように」一人で決闘に挑むクルルシファーを「あなたはわたしの恋人だから」と助けるルクスのかっこよさが光るBパート。そして平成のアニメ史に燦然と輝く超絶名シーン、クルルシファー・エインフォルクの追い舌入れキッスシーン。このシーンは放送当時も相当な話題になり(なったよね?)、自分も強烈に覚えているシーンだ。とにかくこのシーンの藤井ゆきよさんの艶やかな演技がめちゃくちゃ良く、ルクスのぐるぐる目や窓の外で暴れているリーシャのコメディ感とのバランスも素晴らしい。ちなみに前フリとしてリーシャがクルルシファーに「私はルクスと手をつないだことがあるぞ!」と謎のマウントをとっておきながら、キスの話になると「そんなのは結婚するとなればしなければならないが……」とフィクションのお嬢様特有のウブっぷりを見せつけるという一幕があったのも結構効いていたりする。この5話の骨として、誰でもなく、誰にも一人の人間として認めてもらえなかったクルルシファーを(彼女は劇中で自分のことを「人間ではない」と言っている)、ルクスが「一人の人間として(劇中の言葉を借りるならば「恋人」として)」クルルシファーを助けた、すなわち個人の発見と承認というものがある。クルルシファーがルクスを許嫁探しの監視への目くらましとして「利用」していたにも関わらず、ということもまたあのシーンでは重要だったりする。すなわち遺跡のカギとして利用されたクルルシファー、そのクルルシファーもまたルクスを利用していたという構図に対し、ルクスはその「利用」の連鎖を断ち切って、対等な存在である「恋人」という答えを返したのである。2016年当時、話数単位10選を初めてやった年なのだが、最弱無敗からは別の話数を選んでいた。話数単位で選ぶということを想定していなかったのでちゃんと記録をつけていなかったのだ。今この最弱無敗5話で選びなおすとすると、2016年10選にも食い込んできそうである。そうなると2016年10位の競女!!!!!!!!9話が選外になってしまうのでそれはまた悩みどころなのであるが……


とりあえずこの5話がめちゃくちゃ良かったので今日はここでいったん切り上げて、ランニングをした。約7キロを約40分。1キロあたりの平均ペースは5分41秒と、あまりよろしくはなかった。特に中盤以降は下りの方が多かったにも関わらずキロ6分近くで、なんとかもう少し軽やかに走りたいなという気持ち。走りやすさという観点でランニングBGMをだいたいBPM160~180くらいの曲で選んでいるが、やはり走っていて気持ちがいいのは間違いなさそうだ。例を挙げると「君のせい」「ライムツリー」「スーパーウルトラハイパーミラクルロマンチック」なんかは良い。


今日はちょっと最弱無敗について書きすぎたが、4年前のアニメについてこれだけ文章を書けたというのはちょっとうれしくもある。とにかく面白いのは間違いないので、来週くらいを目途に完走してしまいたい。


本日の視聴アニメ↓

ミュークルドリーミー5話、イエスタデイをうたって4話、最弱無敗の神装機竜1~5話

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