『カイサツ』桜井梨穂子　シナリオ:パーフェクトワグニイニ

私はエスカレーターが苦手。
いつ足を出せばいいか全然分からないんだあ。
運動が得意な人はそんなことないのかな？

それから改札機も苦手。
切符を握る手をいつ離せばいいか分からなくて、吸い込まれるときにいつもびっくりしちゃう。
これも運動と関係あるのかな？
今度美也ちゃんに聞いてみよう。

またなんとなく冬が来て、
この日常もまたなんとなく続くんじゃないかって思ったけど、
行事予定表にはいよいよ卒業の文字が見えたり見えなかったり。
正直私は受験勉強でまだ実感がないけど、それが終わったら湧いてくるのかな？
受験、終わったらすぐだもんね。

そうして今日も、進路が決まったクラスメイトがソワソワしているのを横目に香苗ちゃんと勉強勉強。
いつも分からないところを教えてくれて、受験終わったらお礼しなくちゃね。
邪魔になっちゃうからって、あの人は別で勉強してくれているけど、美也ちゃんもソワソワしてて集中できないから、図書館で勉強してるんだって。

私たちはずっと近くて遠かったから、
最近のこの距離感が不安だったりもしたけど、でも先のことを考えられるようになったのって、やっぱりあの人のおかげかなあって。

明日はクリスマスだからデート？なのかな、久しぶりにあの人とお出かけするんだ。
うまく話せるかなあ？
少し緊張するかも。
天気予報だと雪が降るかもしれないから、改札前で待ち合わせだって。

ね、しゅないだー。あなたも卒業しても一緒に来てくれるよね？

んー、頭使ったら甘いもの食べたくなってきちゃった。ポロツキー残ってたかなあ。