Italicious Tasting Report 3
CUSTOZA DOC (Veneto)
クストーザって聞いたことない…という方が多いと思います。イタリアワインをお好きでも、なかなか飲むチャンスはなかったのではないでしょうか。
クストーザはヴェネト州、ヴェローナから15㎞しか離れていないエリアで造られる白ワイン。地元消費型のワインでしたが、生産者たちによる、半世紀をかけた品質向上へのたゆまぬ努力で、いま、とても美味しいワインがそろっています。今回は、ヴィーノ・クストーザDOC生産者協会主催のテイスティングセミナーに、オンラインで参加させていただきました。
クストーザは、ガルダ湖から近く、ほとんどが平地で丘陵地はゆるやか、土壌は氷堆積で小石まじりの水はけがよい土地です。湖をわたる風とアルプスから降りる冷風とで日中と夜の温度差はあるものの、イタリアの中では温暖な気候で知られています。
土地固有のブドウをいくつかブレンドされるというのが特徴で、ガルガーネガ、ビアンカ・フェルナンダ(コルテーゼ)、トレビアネッロ(フリウラーノ)、トレッビアーノ・トスカーノなどが主に使用されている品種で、この4つのうちの3つは必ず使用し、そのトータルが70%以上になること、という生産規則が決められています。
今日のテイスティングでは6つのメーカーのワインをテイスティングしました。同じようなブドウのブレンドであるにも関わらず、生産者それぞれの特色の魅力にあふれており、その味わいの違いによって様々な料理がイメージできました。お料理は、イタリアの家庭料理にもっとも寄り添うワインです。もちろん、日本でいただいている和食や洋風料理に合わせることも簡単で、もちろん、中華料理との相性は抜群でしょう。今日は、主人の用意していた手料理で合わせてみました。
1. GORGO SAN MICHELIN 2020
ガルガーネガ、コルテーゼ、トレッビアーノ、リースリング
酸と果実味が本当にチャーミング、ミネラル感もたっぷりあります。名前のSan Michelin から見る通り、有名なグルメガイドブックと同名で、裁判を起こされたものの、この名前はヴェネト方言のつづりということで、めでたく勝訴。聖人ミケーレが守ってくれたのだとのこと。 軽やかでさわやかさが魅力のクストーザには、シンプルな野菜がいいので、まずは、いつも我が家の冷蔵庫に入っているモッツァレッラとトマト&バジルに合わせて!
2. CORTE GARDONI MAEL 2019
ガルガーネガ、トレッビアーノ・トスカーノ、トレビアネッロ、リースリング
1980年創業で、今年は40回目の収穫を迎える。MAELというのは、ガルガーネガの畑の名前で、”プリンス”を意味するそう。ご家族全員、山の高地の出身で、フレッシュでミネラルのある白ワインが大好きだそうです。旬の爽やかさを感じました。グリーンの爽やかさを枝豆で!
3. ALBINA PIONA CAMPO DEL SELESE 2019
ガルガーネガ、トレッビアーノ、トレビアネッロ、シャルドネ、ビアンカ・フェルナンダ(コルテーゼ)
クストーザで一番古いカンティーナ。特筆すべきはガルガーネガにロヴェーレのバリックを使用していること。普通のクストーザより、風味があって味わいに厚みがでます。ベルギーチコリとアンチョヴィのサラダを合わせてみました。アンチョヴィの味の深みとバランスが良かったです。
4. MONTE DEL FRA CA DEL MAGRO 2018
ガルガーネガ、トレッビアーノ・トスカーノ、コルテーゼ、インクローチョ・マンツォーニ
ボノモ家がクストーザの中心でもっとも古い畑を所有し、運営しています。畑のポテンシャルそのものを感じる白ワインに、という生産者ファミリーの願いがそのまま届く味わい。たくさんのブドウ品種がブレンドされているがそれぞれ別々に醸造して合わせる。非常に飲みごたえのあるクストーザ。今日はシラスのスパゲッティを合わせましたが、もっとクリーミーな、またはオイリーな料理にも合いそうです。
5. LE VIGNE DI SAN PIETRO CUSTOZA 2017
http://www.levignedisanpietro.it/#vsp-winery
ガルガーネガ、トレッビアネッロ、トレッビアーノ・コルテーゼ、インクローチョ・マンツォーニ
リースリングのエレガントさがでているクストーザ。オーナーは建築家だそう。バランスのすばらしさを感じました。ローマの老舗日本料理店でも長くオンリストされていたそうですから、日本人にもっとも早くから親しまれたクストーザかもしれませんね。ホワイトアスパラガスを合わせたのはよかったと思います。カルボナーラはローマの味ですけどね!?
6. CAVALCHINA AMEDEO 2015
ガルガーネガ、ビアンカ・フェルナンダ、トレッビアーノ・トスカーノ、トレビアネッロ
カヴァルキーナとは、イタリアの第一次と第二次の独立戦争の舞台となった土地の名前。その戦で負傷したサヴォイア王家の王子の名前がアメデオからこの名がつけられた。現在は、4代目のフランチェスコ・ピオーナが継いでいる。ワインは、収穫したブドウを完全に凍った状態で一晩おいてからプレスし、より豊かなアロマを生み出す製法。還元醸造でボディがしっかりとした奥行のある味わい。お料理は、お肉料理と合わせてもまったく問題がないですね。仔牛があれば、もっとよかったかもしれないですが、仔羊のグリルにも十分に対応するしっかりとした味わいです。豚肉のグリルにもぴったり合いそうです。もちろん、魚介類には最高ですね!
詳しい情報は☞ https://www.custoza.wine/
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