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『ONE PIECE FILM RED』 の感想文



ネタバレあり。











ワンピ新作映画を見てきたので、感想などをちょこっと書いておこうと思います。思ったことを思った順にザーッと書くので、順番は前後します。

まず、今回のOPで描かれた内容がなかなかびっくりでしたね。一般市民がいかに海賊から被害を受けているか、いかに迷惑に感じているかがわかるような描写が入っていました。もちろん原作エピでも海賊は悪者なわけですが、実際に苦しめられてる姿が描かれるのはルフィたちが冒険している島の住民がほとんどだったりします。ココヤシ村だったりワノ国だったり。だからロジャーの興した大海賊時代は、僕たち読者からすれば「あんまり悪いものではない」ように思えてくるのです。それどころか海軍が悪者であるように思えてくることもあります。海賊全員殺すマンの赤犬とかね。禰󠄀豆子を前にした注合会議を思い出しますね。基本的に正しい側だからこそ自分達の正義は間違っていないと信じ、暴力をよしとする。そんな感じ。話がそれましたが、基本的に海賊は悪だということを知らしめるようなOPでした。

で、その海賊の筆頭とも言えるのが赤髪のシャンクスさんですね。いまや四皇に上り詰めた彼の懸賞金は40億ベリー。基本的に懸賞金は「危険度」の指標メインで決められるわけですが、シャンクスは略奪行為をしているようには思えません。同じく四皇だった白ひげも同様です。なわばりにすることで島を守ったりしていますからね。本映画のシャンクスは、島の破壊を自分たちのせいにしてウタを守っていますから、同じような理由で懸賞金があがっちゃったんだと思われます。ルフィだって(世界政府にケンカ売ってるけど)別に一般市民を虐げはしませんからね。映画内で赤髪海賊団は、敵が襲ってきたら返り討ちにして食べ物や財宝を奪うスタイルでやってました。この辺りは尾田先生の読み切り作品「WANTED!」に通じるものがありますね(正当防衛しつづけてたら懸賞金が爆上がりしたガンマンが主人公の物語です)私たちはこういう「悪だけどいいやつ」に弱いわけですね。そういうわけで、僕たちは華々しい海賊たちのバトルを眺めてニコニコしているわけですが、その背後には悲しい過去を持った人々がいるわけです。住む場所を奪われ、尊厳を奪われ、大事な人を奪われ…。僕たちはあの世界の裏側にある数多くの悲しさを抱えて物語を追っていった方が良いのだろうと思います。いつかルフィがそんな世界を破壊して、新たな時代を作るのがこの物語の醍醐味ですからね。


ウタちゃんは自分の能力で世界中の人々を眠らせ、全員を幸せにするという特大闇属性を持った女の子だったわけですが、彼女の主張には考えさせられるものがあります。現実の世界に住んでいる僕たちは、学校にいったり会社にいったり、自分達が生きるために辛いことや苦しいことに耐えています。それはどの時代であっても、どの社会であっても同様です。現代日本に住む僕たちは、すでに食べものには困っていません。本気でニートになって、誰かにお世話してもらって生き続けていくことは十分に可能な時代です。生活保護もありますしね。苦しいことをしなくたって、楽しいこと…たとえばゲームだけをやりながら生きていくことができます。ただしそれは、本当に楽しい人生なのでしょうか?僕たちは休みの日があるから頑張れるし、楽しみがあるから苦しみにも耐えられます。限られた時間だからこそ大切に過ごすことができるのです。考え方は人それぞれですが、ぼくは、そこそこのストレスに晒されながら生きていく方が幸せだと思います。でなければ、みんな薬物に手を出すか自殺するかで終了ですからね。脳に快楽物質を出すだけで幸せになれます。だけど人々はそんなことを望んではいません。そしてそれは、あの世界の人々も同様です。ウタちゃんのライブがあるから頑張れる。ライブが楽しかったから仕事ができる。無限列車編の炭治郎を思い出しますね。幸せな家族の夢を見ていたいけれど、心を鬼にして自分の首を切ります。鬼狩りだからね。鬼狩りといえば海賊狩りのゾロにおにぎりをサーブしていたお嬢さんが海軍でおにぎり屋さんになっていたのはエモかったですね。たぶん鬼切りは彼女を想って習得した技でしょう。おそらくゾロの髪の毛を虎刈りにしちゃったお嬢さんもいます。また話がそれましたね。ウタの歌にAdoさんを起用したのはマジで神だったという話でしたね。ちなみにAdoを反対にするとOdaになります。エモ…。と思っていたら、アドを反対にするとドアになって、本作の裏アイドルであるところのブルーノくんが顔を出します。伏線がすごい……!!

神で思い出したんですが、今回ギア5をさらっと登場させてましたよね!?シャンクスとルフィの顔が重なって親子かめはめ波みたいになってるシーンで、なんかルフィの眉毛がぐるぐるになってるなーと思ってたんすよね。それはサンジだよと。映画で作画ミスかよと。と思ってたらなんか白くなってきて、太陽の神ニカにモデルチェンジしてましたよ。びっくりしました。個人的にはこの悪魔の実の設定…というか戦い方にとてもいいなと思う部分があるわけです。やっぱり漫画にしかできない表現というものがありますよね。腕が伸びるとかバラバラになるとか。そういう表現を存分に活かせる能力を持っているのが主人公という構図に、かなりワクワクしているんですよ。で、その主人公がついに他キャラとか、床とか、なんでもビヨーンってできるようになったわけです。”漫画表現” の最高峰、ONE PIECEという作品の、一番盛り上がっている時代に立ち会えていると思うとなかなかアツいです。こういうのが後世の美術の教科書に載るんでしょうね。あ、今回の映画はかなり現代を反映させてる感じがありましたね。明らかにオンライン配信だし、ウタちゃんが拾った電伝虫ってYoutubeとかニコ動って感じがしますよね。今回の映画は普通に歌のシーンだけで楽しめるレベルで、映画料金は序盤の「新時代」だけでペイされます。マジで。というわけでまだ行ってないよー!って人は劇場へGO!!!!!!


新時代だ!!!!!!!!!!!!!

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