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「さんすうのじかん」

こちらのコント内の教科書部分をつくりました。

初の有料記事となります。
文字で読みたいという方はぜひ!

「たのしい算数」

マモルくんは200円を持っておつかいに出かけました。
一個120円のリンゴを、スーパーに買いに行きます。
学校をずる休みしてしまった罪悪感を、帳消しにできると思いますか?

〔答え〕 できない。
*学校を休むためにために嘘をついた罪悪感は、おつかいくらいではなくならないからです。

〔式〕 嘘をついた罪悪感ーおつかい=7
*おぼえておきましょう。

「行ってきます」
見送ってくれたお母さんに手を振って、マモルくんは家を出ました。
マモルくんにはお父さんがいないので、お母さんはお仕事をしながらマモルくんを育ててくれています。
お父さんについて、いままで何度かお母さんに訊(たず)ねてみたのですが、あいまいな返答しか返ってきませんでした。
それでもまだ、訊(き)けると思いますか?

〔答え〕 訊けない。
*マモルくんは、そんな無神経な人間ではないからです。

〔式〕 言いたくなさそうな空気ー知りたいという欲求=20
*おぼえておきましょう。

マモルくんは公園の中を通っていくことにしました。
そのほうが、スーパーまで近いのです。
砂場のあたりに、ランドセルを背負ったクラスメイトたちがいました。いつもマモルくんに意地悪をしてくる三人組です。
じつはマモルくんが学校をずる休みしたのは、この三人のせいなのでした。
もう放課後の時間だったのか……。
マモルくんは慌てて引き返しましたが、見つかってしまいました。
「おう、マモルじゃねえか」
あっという間に取り囲まれてしまいました。
三人はマモルくんの頭を小突いたり、服を引っ張ったりしてきます。
何も悪いことをしていないのに、こんなひどいことをするなんて許せません。だからといって、どうすることもできませんでした。
マモルくんはただ、リンゴを買うための200円を握りしめてうずくまっています。
そのときでした。

『力がほしいか?』

声が聞こえました。それは耳ではなく、心に直接響いてくる声でした。
「誰?」
マモルくんは訊きました。
『我が名はタナトス。破壊を司(つかさど)る神』
「タナトス……?」
『さあ、力がほしいと言え。そうすれば、貴様に強さを与えてやる』
「でも……」
マモルくんは戸惑いました。このタナトスという存在から、何か禍々(まがまが)しい気配を感じたからです。
タナトスの誘いに、乗ってしまいそうですか?

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