日本語のアクセントのルールを、五十音図で学習者に認識させる
MA先生の音声学講座もいよいよ佳境。
来月で終了となります。
今月のテーマは「高さを整える」。日本語のアクセントとイントネーションをどのように学習者に認識・習得させるかです。
まず今回はアクセント。
日本語教師が、すぐに単語のアクセント指導に走り勝ちなこの課題について、MA先生は、
「日本語(共通語)のアクセントのルール」、日本語のアクセントに「在るパターン」と「無いパターン」をはっきりと学習者に認識させることが、まず大事だと言います。
(関西弁や他の方言ではなく、あくまで共通語としての日本語の話です)
そのために活用するのが、ゼロ初級の最初に勉強する五十音図です。
例えば「あいうえお」は5拍なので
2の5乗の32個の「可能なアクセントの型」があります。
(アクセントの高低を「カギ線」で図示したいのですが、note上でのやり方がわからないので、「ド・ミ」の内、高い音の「ミ」を太線で表示します)
あいうえお(いわゆる頭高型)
あいうえお(いわゆる中高型①)
あいうえお(いわゆる中高型②・「あいうえお」の正しいアクセント)
あいうえお(いわゆる中高型③)
の4つを「山」(上がって下がる、か下がるのみ)と言います。
あいうえお(が)(いわゆる平板型)
あいうえお(が)(いわゆる尾高型)
の2つを「丘」(「いうえお」と上がりっぱなし)と言います。
N拍の語にはn+1通りの「アクセントの型」があるので
「あいうえお」の「アクセントの型」は、この6個です。
初級学習者には、この6個のアクセントの型を絵で示すことにより
日本語のアクセントのルール
1,1拍目と2拍目の高さは必ず違う
2,一度上がったピッチはもう一度上がることはない
(① 下がり目は一つ)
(② 上ったり下がったりしない)
(③ 下がらないものもある)
を認識してもらいます。
その上で、「可能なアクセントの型」である32個から「アクセントの型」である6個を引いた、26個の「(共通語日本語のルールにはない)アクセントの型」を、アトランダムに示して、この26個は「無いパターン」であることを認識してもらいます。
これを「あ行」のみならず、「か行」「さ行」など他の「行」でも実施します。
これらを学習者に「体験」してもらうことで、日本語(共通語)のアクセントのルールを、はっきりと認識・習得してもらおうということです。
以上が、MA先生の音声学の授業を受けて、私が理解した内容です。
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