やめ先!!
4月1日、ついに初出勤の日、スーツとネクタイを身にまとい、電車の中で同じ初出社であろう新入社員の人々の気持ちに共感しながら、あの面談の日以来の学校に出向いた。
職員室には通されず、直接校長室に入るとそこには私と同じような新任の先生、転勤されてきた先生が7,8人座られていた。もちろん皆さん初対面で会話が弾むわけでもなく、気まずい静かな空気が流れていた。
すると、教務の先生が、
「先生方、どうぞ」といわれ全員が職員室に入る。
初めての職員室。ここから教師人生が始まった。
8年後、退職するとは夢にも思わずに。
みんなの前に列になって立ち、ベテランの先生から、順に挨拶をしていく。
「講師の板倉と申します。よろしくお願いいたします。」
といったことだけは覚えている。
そこから学年発表。私はほぼ5年生なのだと覚悟していたが、他の先生方は1年生の担任以外、この瞬間に自分の担当が決定する。いわば、1年間の運命が決まる日なのだ。
私は2年目からこの別の何ともいえない緊張感を味わうことになる。
教頭が1枚の紙を配布する。教室で先生が手紙を配るそれと同じように。
そこに、やはり5年生の欄に自分の名前があった。
同じ5年生担当の先生の名前も書かれてあるが、誰が誰だかわからない。
そうこうしているうちに、背の高い教師とは思えないほど綺麗な女性の方が声をかけてきた。
「奥野です。同じ5年生の担当になりますよろしくお願いします。」
慌てて、
「板倉です。よろしくお願いします。」
と返答する。
我々5年生は3クラスの担任と、担外(音楽や算数の習熟度別少人数担当)の先生の4人の担任団となる。主任となる先生と担外の先生はベテランでとても安心したことを覚えている。
挨拶もそこそこに、不安だらけの毎日が始まった。ベテランの主任先生のリードのもとぎこちなく新学期の準備が始まる。名札や、前学年の先生からの引継ぎ、教科書選定何もかもが初めてのことでただただ主任の先生についていきメモを取る。1日があっという間にすぎる。この頃は本当に必死に毎日を過ごしていくということしかなかった。
#小学校 #教師#初出勤#学校
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