やめ先!!
いよいよ、始業式の日がやってきた。
ほとんどの不安と少し、ほんの少しの楽しみとで胸がいっぱいになった。
我々新担任教師は校長室にて待機。子どもたちの元気な声が校舎に響いてくる。
前の学年の担任が次の新学年の教室に待機している児童を迎えにいく。
そして、講堂での始業式が始まった。
校長先生の話、生活指導の先生の話、子どもたちはそれらの話を聞きながら、自分の学年の先生のことが一番気がかりでそわそわしている。
新担任の教師の紹介に移る。
舞台に我々が立つと、新6年生の代表児童が歓迎の挨拶をしてくれた。
原稿もなく、しっかりとしたスピーチに6年生ってこんなにできるのだと感心した。
そこから、順に校長より新担任の教師が紹介されていく。
「新任の坂倉圭介先生です。」
私は深々と頭を下げた。
そこからは新担任の発表に移る。子どもたちのドキドキが伝わってくる。
次々と担任団の発表は進む。
学年が進むにつれて、子どもたちの歓声も大きくなる。
名前を呼ばれて喜ばれる先生、しんとなる先生。子どもたちはシビアだ。
私の名前が呼ばれた時は何の反応もなかった。
それもそうだと思う。
知らない先生、どんな先生なのか。子どもたちはしっかりと私を見つめる。
担任団の発表が終わり、各学年毎に分かれてクラス分けの発表が行われる。
私を含めた3クラスの担任が子どもたちの前にたち、3人ずつ名前を呼んで行く。
顔も名前も一致しない。我がクラスの子どもたちとの初対面である。
ここから、本当に全てがはじまった。
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