見出し画像

Tumbling Sands、すごい!本当にすごいんだ! 〜M:tG Pauperのデッキ構築を考える〜

はじめましての人ははじめまして。
すでに御存知の方はこんにちは。

去る6月8日、PauperMTGさん主催の「Pauper Summit Cup 4」に参加してきました。

 対戦の勝敗の結果は1-5-1と振るいませんでしたが、コンボが決まったときの動きを魅せることができたので実質全勝と言えます。
(対戦相手の皆さん本当にありがとうございました)


・Tumbling Sandsとは?

加糖さん( X:@kato1850 )が発案し、秘密組織「なや部」の数人の熟練デッキビルダー達と共に練り上げたデッキになります。
デッキ名は《砂時計の侍臣/Vizier of Tumbling Sands》から。
リストはこちら。

しかし「リストを見ても何をするデッキか分からない」と言われてしまったので、簡単な手元動画を作ってみました。

簡単に解説すると、まずは以下の条件を整えます。
・《拷問生活》が戦場にある
・《肥沃な大地》《楽園の拡散》などで1枚で(青)(黒)(1)以上出せる土地が戦場にある
・手札に《砂時計の侍臣》がある
・墓地に《ゴルガリの茶鱗》がある

この状態で、
手順1:(青)(1)を支払って《砂時計の侍臣》をサイクリングをして、3マナ出る土地をアンタップする
手順2:サイクリングのドローを《ゴルガリの茶鱗》の発掘に置き換えると、2ライフゲインして2枚を切削、茶鱗が手札に戻る。
手順3:《拷問生活》の能力を起動。(黒)を払い《ゴルガリの茶鱗》を捨てて《砂時計の侍臣》を手札に戻す。

さて、この手順1~3によって何もリソースを消費せずに2枚切削と2点ゲインをすることができました。
これを繰り返していくと、莫大なライフゲインをして大量のカードが墓地に落ちます。

ライフが十分になった適当なタイミング(セルフLOまで行ってもいいし、行かなくてもよい)で、《拷問生活》でクリーチャーカードを捨てて《レオニンの従者》or《修古師》を手札に戻し、キャストします。
ETB能力で《フェルドンの杖》を回収し、杖の能力起動。
墓地にあるすべてのカードをライブラリーに戻してシャッフルします。
※注1 杖の起動の前にゴルガリの茶鱗、砂時計の侍臣は墓地から拾っておくこと
※注2 カードが足りない場合、途中で《綿密な分析》のフラッシュバックで《ゴルガリの茶鱗》を発掘し補充します。

墓地が空になり、ライフを2~30点得て、新鮮なライブラリーでゲームを再開することが出来ます。
《フェルドンの杖》を2枚採用しているので2回までライブラリーを往復させることが可能です。

このコンボで得たライフで時間を稼ぎつつ、勝ち手段は2通りあります。
勝ち手段① 土地にさらにエンチャントを貼り、4マナ以上出る状態にすると切削2枚につき1マナ余ります。
黒マナを大量に余らせて《療養所の骸骨》の能力でクリーチャーカードを回収したりして状態を整え、大量マナの《墓所のネズミ》でダメージを与えて勝ち。

勝ち手段② コンボ中に《ドラニスの刺突者》をキャストし、サイクリング1回につき1点。ライブラリーを40枚くらい切削すれば20点。

大体は勝ち手段①の条件を達成して、大量マナも得て②の勝利条件も達成するなど好き放題する形になります。

《妖術師のガラクタ》は、セルフLOしたときにライブラリートップ=ボトムになるため好きなカードに変換することができ《楽園の拡散》などを戻して勝ちを近づけるためにあります。

そして《拷問生活》、土地オーラがいずれもエンチャントのため、それらをサーチしつつ墓地を肥やす《神々との融和》を採用。

そしてこのTumbling Sands、コンボ中はライブラリーを高速で切削していくのを「砂時計が落ちる」のに見立てて、
フェルドンの杖で墓地をライブラリに戻すのを「砂時計をひっくり返す」のに見立てて非常に美しい動きができるのが最大の素敵ポイントです。

余談ですが、《砂時計の侍臣》は他環境のコンボで使われており《フェルドンの杖》も古参プレイヤーであればある程度知っているカードでしたが、
ジャンプスタートにしか収録されていない《修古師》の知名度が本当に低かったことをお伝えしておきます。

・Tierデッキとだって戦えるはず

デッキビルダー達の手によりアイデアはTierデッキと戦えるように磨かれていきました。
各デッキとの対戦プランは以下の通り。

対赤単、アグロ:コンボが成立してしまえば、ライフを削るタイプのデッキはゴールを30点ほど先延ばしにすることができ、その間に土地オーラを伸ばして勝ち切ることができます。

対青系デッキ:ベースの拷問生活デッキ自体が《墓所のネズミ》《臭い草のインプ》などで有利に立ち回れるため、そちらの動きを強めつつサイドからの《死体発掘》によるファッティの押し付けによって対処を迫ります。

サイド後:墓地対策対策は立ち回り次第になります。コンボ条件が整ったうえですでに《フェルドンの杖》が戦場にあれば、相手が全追放を起動した上からスタックで砂時計を回し、そのまま杖の能力を起動してライブラリーを修復、墓地追放の影響を失くすこともできます。
※相手がいつまでも追放を切らない場合は《古えの遺恨》のフラッシュバックで起動を迫ります。

弱点:絶対的に苦手なのは土地を攻めるデッキで、ランデス、および《浄化の野火》《黎明運びのクレリック》を使うジェスカイブリンクは天敵。
サイドの《タミヨウの保管》で何とか耐える形になります。

全く違うゲームレンジのプランが複数あるため変幻自在に戦えるものの、どのプランで行くかの判断と構築のパーツ選択、サイドプランは難しいデッキになります。

・Pauper Summit Cup試合結果

1戦目 グリクシステラー 0-2
メインから墓所への乱入を撃たれ、トラウマが蘇る。
ライフ回復にもなるためメイン刺ししていたとのことですが、想定外に《フェルドンの杖》を切らざるを得なくなったり、
サイド後もライフ回復のコンボは成立したものの、ここぞというところで《神秘の指導》→《墓所への乱入》の懐かしいシルバーバレットを決められてしまい、いろいろ崩れて敗北。

2戦目 スリヴァー 1-2

1Rは《横這スリヴァー》のせいで臭い草のインプが機能せず、超サイズのスリヴァー達に蹂躙される。
2Rはは墓所のネズミが間に合いトロールが蹂躙。
3Rは一斉攻撃からの変異原性の成長込みでライフを削り切られて敗北。
スリヴァーは変わらずパワフルだと改めて思い知りました。

3戦目 青単フルパーミッション 1-1引き分け

ひたすらに島を立てて打消しを構える綺麗なドローゴーデッキ。
1R《転覆》で土地についたオーラが消されてしまいプランが成立せず、投了。
2R カウンターをいなしてコンボが決まった時点で残り1分だったため、そのまま決めて引き分け。

4戦目 グリクシス親和 2-0

《ケンクのアーティフィサー》の飛行クロックを刻まれますが《間に合わせの砲弾》を《気前のよいエント》の遺した食物トークンで残りライフ1で耐え。
コンボとトロールの蹂躙で何とか勝利。

「一緒に来ている人に対戦結果報告するんですが、何のデッキって伝えればいいんでしょう……」と困惑されてしまったのが印象的。

5戦目 どぶ潜みケッシグバーン 1-2

《ケッシグの炎吹き》《熱錬金術師》、《どぶ潜み》まで採用し《溶岩の投げ矢》などで超高速で削り取ってくるバーン。

土地1枚のみでオーラを4枚張ってコンボが決まり一本取るも、
最終戦は《トーモッドの墓所》を切られた際に《ゴルガリの茶鱗》を差し出す判断が響いてしまい、コンボ成立を目前にライフがあと1点足らずに削り切られる。

6戦目 UBフェアリー 1-2

2戦目はネズミで一掃しトロールで蹂躙。
しかし1、3戦目はノーガードの中、忍者スプライトの黄金パターンでドローを進められ、しっかりカウンターされて敗着。

青デッキにとってのマスカンを叩きつけ続けるものの、それが通らなかった時の防御手段に欠けるという課題は見つかった気がします。
《死体発掘》のサイドプランはかなり機能しました。

7戦目 UBフェアリー 0-2

一緒にPauperEDHをよく遊んだり、美味しいものを食べに行ったりする
みたらしさんとの対戦。
「一体何のデッキなんだ……」と言いながら「《肥沃な大地》まで入れてマナを伸ばしてくるのは何かあるに違いない」という鋭い嗅覚により打ち消されてコンボを阻止され続けて負け。
レリックを前に手札の《古えの遺恨》も唱えられず腐り、ナイス判断としか言いようがなく流石でした。

・今後の逆風、それでも勝ちたい……

ゲーム自体の勝率は悪くなく惜しい試合も多かったのですが、
結果は1-5-1と振るわず。
(一緒に調整してくれた加糖さん、なや部の皆さん申し訳ない……)

今後は《スレイベンの魔除け》も入り、拷問生活デッキ自体、墓地利用デッキ自体が冬の時代に入る可能性が高いです。

それでもTumbling Sandsで勝ちたい、いや勝たせたいという欲求を起こさせてくれるデッキだったので、今後も折を見て握っていきたいです。
《こそこそサクサク》《邪悪鳴らし》などの強化パーツももらえているため、まだまだやれるはず!

・おわりに

Pauper Summit Cupの開催、運営をしていただいたさいとーさん、OONSさん、束男さん、すえさん、そして対戦相手や話してくれた皆さん、楽しい時間を過ごさせていただき本当にありがとうございます!
MtG Pauperは本当に最高ですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?