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コモン統率者戦(PauperEDH)のススメ 〜M:tG Pauperのデッキ構築を考える

はじめましての人ははじめまして。
すでに御存知の方はこんにちは。

今回はコモン限定構築の統率者戦について紹介をして行きたいと思います。

コモン統率者戦は非公式ルールのため、ルーリングから説明していきたいと思います。
※この記事の中で紹介している内容はあくまで一例となります。ローカルルールに従って楽しく遊びましょう。

・コモン統率者戦とは? 〜ルーリングの例〜

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非公式の遊び方の為、ルーリングに幅があります。

MTG Wikiによれば、以下のようなルールで遊ばれることが多いようです。

http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E7%B5%B1%E7%8E%87%E8%80%85%E6%88%A6

・デッキ枚数は99枚+統率者1枚 各カード1枚制限と通常の統率者戦と同様。
・初期ライフが30~35点、統率者ダメージが15~18点
・カードプールは「今までにコモンとして収録されたことのあるカード」
 (Pauperの禁止カードも使用可能)
アンコモンのクリーチャーカードを統率者に指定する。
 (非伝説のクリーチャーでも可)
・ゲーム中のルールは統率者戦に準じる

Pauperの情報発信サイトであるPauperMTGでコモン統率者戦を行った際は、以下のようなルーリングでした。

・初期ライフは30点、統率者ダメージが15点
・アンコモンの伝説のクリーチャーカードを統率者に指定する。
・Pauperの禁止カードも使用不可とする。

https://paupermtg.com/column/pauperedh_2/

ちなみに私が遊んでいるDiscordサーバでは、最近は以下のようなルールになることが多いです。

・初期ライフ、統率者ダメージは通常の統率者戦と同じ
・アンコモンの伝説のクリーチャーカードを統率者にする
 (明示的に非伝説を禁止しているわけではないですが、暗黙に伝説のクリーチャーが統率者になっている傾向があります)
・カードプールは「今までにコモンとして収録されたことのあるカード」
 (Pauperの禁止カードも使用可能)

個人的には統率者は伝説のクリーチャーのみに限定したほうが「カードプールの把握がしやすい」「通常の統率者戦のデッキとも互換があり、混ざって遊びやすい」という利点はあると思っています※。また、最近は各セットに1サイクル程度アンコモンの伝説のクリーチャーが収録されているので、伝説限定でもかなりバリエーション豊かなデッキを組むことが出来ます。

この記事や今後の紹介記事では、一旦「伝説のクリーチャーを統率者にする」ことを前提にしようと思っています。

※デッキによっては、日本で言うレベル4~6くらいであれば通常の統率者デッキと対戦してもそれなりに勝負になるようです。

コモン統率者戦の特色

コモンのみ使用可能な統率者戦であることの大きな特徴は以下になると思います。

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・統率者のカードパワーが一段高い

統率者のみレアリティがアンコモンのため、コモンではない効果、カードパワーのクリーチャーを組み込んだ戦術が可能です。

統率者を前提にした独自の無限コンボも多数存在し、Pauperとはまた違ったシナジー、ゲームを楽しむことができます。

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・サーチカードが限定される

1枚制限であることから統率者戦ではサーチカードが重要視されますが、コモンのサーチカードは青黒に割り当てられている変成や緑の土地サーチ程度しかありません。

ライブラリーの上からN枚を見て選んで引くカードや、ドローの枚数を増やすことで安定性を高める必要があります。

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・アドバンテージの量が重視される

これはPauperにも言えることですが、個々のカードパワーがゲームを決めるほどではないため、アドバンテージの量が勝利や安定性につながりやすいです。

《熟考漂い》や統治者はコモン統率者戦においても強力になるでしょう。また、4人対戦であることから各対戦相手に影響をおよぼすカードは3枚分のアドバンテージになりうるので強力です。

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・クリーチャー主体のデッキが多くなる

同じくPauperにも言えることですが、コモンの強力なカードはクリーチャーが多く、クリーチャーを多く入れたデッキが組みやすい傾向にあります。

統率者自体もクリーチャーであり、自他のクリーチャーに影響を与える統率者は強力です。また、除去カードも重要になります。

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・全体除去が限られている

クリーチャー主体の環境である反面、全体除去は数も色も限られており、特にタフネス3以上のクリーチャーを除去する手段はかなり少ないです。

地上を止めないと殴られやすく、ライフが削れてしまいます。


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・3色以上のデッキを組む手段が限定される

アンコモンの伝説のクリーチャーのほぼ全てが2色以下で、統率者の固有色を3色以上にする手段は限られています。(レジェンド、クロニクルの一部のクリーチャーのみ※)

実用的な統率者を使用するのであれば、ほとんどの場合は2色以下のデッキになると思われます。

※レジェンドのアンコモン1を含めれば《ニコル・ボーラス》を含むエルダー・ドラゴンらが使用可能になるので3色も現実的になります。

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・ゲームスピードがPauperより緩やか

4人対戦、1枚制限、かつ初期ライフが高いためゆっくりとしたゲームになりがちです。この辺りは統率者戦も同様ですが、強力なカードが比較的軽めで、マナを伸ばした後で3人全部を倒せるような勝ち手段は限られているため、デッキにもよりますが通常の統率者戦ほどマナ加速は重要視されないかもしれません。

色ごとにどんなデッキが組めるか

個々の統率者や色の組み合わせについては個別に紹介していきますが、色ごとにとり得る戦略を簡単に紹介していきたいと思います。
(現状、筆者はアブザンカラーの統率者デッキのみ組んでいるため赤や青については推測も混じっています)

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・白

ブリンクや《コーの空漁師》でETB持ち統率者の能力再利用が出来ます。ライブラリー操作やアドバンテージ獲得手段には乏しいので、デッキの安定性は他の色に任せることになりそうです。

クリーチャー除去もそれなりに存在し、置物破壊は得意のため、他の色と組んでサポートに回ると強いと思われます。

その他《縫合の僧侶》などの他のクリーチャーのETBに反応するカードは、無限コンボに対するけん制になります。

無限コンボは以下が使用可能。
+緑:《深夜の護衛》+《ゴンドの存在》の無限トークン
+赤:《テツモスの大神官》+《モグの戦争司令官》+《スカークの探鉱者》+《炎の冠》で無限ETB

・青

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ドロー、サーチ(変成、《商人の巻物》)、ブリンクによるETB再利用など強力な要素が揃っています。Pauper禁止カードの多くが青で、ルールによりますがそれらが使用可能であることも強力です。

《Mystic Remora》《リスティックの研究》も擁します。
(海外では禁止とする場合もあるようです)

無限コンボは青単で以下が使用可能。

《鋼ヒレの鯨》《ミラディン人のスパイ》+《消し去りの才覚》《撤回のらせん》で無限ETB。

一方、無限コンボによる勝利をけん制するための打消しを構えられるのも青であるため、通常の統率者戦同様に重要な役割を果たします。

・黒

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最も除去が強力な色です。統率者がクリーチャーのため、それらに対処できることは重要です。

《黒死病》の制圧力は非常に高く、維持も比較的簡単で自分も含めてどんどんライフを減らしていきます。変成によりサーチすることも可能です。

他にも各対戦相手に影響を与えるカードを多く持ちます。例えば《吸心》は各プレイヤー1枚ずつディスカード+自身は3枚ドローという非常に強力なカードになります。《アスフォデルの灰色商人》は黒の信心の分だけ各対戦相手がライフロスし、その×3のライフを回復する強力カードです。

《頭蓋囲い》が使用可能のため、デッキによってはアーティファクト・シナジーも狙っていきたいところ。

無限コンボは以下を使用可能。

+緑:《キヅタ通りの住人》+《屍肉喰らい》など生け贄エンジン+緑の頑強クリーチャー

+赤:《授業初日》+《スカークの探鉱者》+《朽ちゆくゴブリン》のゴブリン頑強コンボ。

・赤

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多数のインスタント火力や《紅蓮破》を持ち、コンボや盤面に干渉する力は高いです。《焦熱の連続砲撃》が加わったことで全体除去も強力に。

上記連続砲撃と相性の良い海賊や《船壊し、ダーゴ》など独自のコンボを持つ統率者も存在し独自の戦術が可能です。《ブルーノー・バトルハンマー》など装備品シナジーを持つ統率者も多数あり《炎のチャンピオン》を強化するデッキも面白そうです。

ドローは《信仰なき物あさり》でのデッキ掘り下げが強力です。最近は《浄化の野火》+破壊不能土地でドローしつつ土地を伸ばすことも可能になりました。(破壊不能土地の採用枚数が少なくなるため毎回は期待できませんが)

《授業初日》での無限頑強コンボは赤+もう1色で使用可能。(逆に赤単色で無限頑強を実現できないのですが・・・)

また、ストームを稼ぐ手段さえあれば《巣穴からの総出》《ぶどう弾》などで直接勝ちにつなげることが出来ます。

・緑

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通常の統率者戦同様、土地やマナ・クリーチャーによるマナ加速が強力です。マナを加速し殴り統率者やコンボにつなげていくのが基本になります。

サーチ手段はありませんが、ライブラリートップからクリーチャーを選んで引くカードや、ドロー付きクリーチャーを採用することでデッキを回すことが出来ます。

無現コンボは上述のゴンドコンボ、無限頑強など多数存在します。また《騒鳴の嵐》でストームをそのまま勝ちにつなげることや《嵐の乗り切り》でコンボ返しをすることも出来ます。

・無色

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無色の伝説のクリーチャーはアンコモンに存在しないため、伝説の統率者を使用するのであれば無色のみでデッキを組むことはほぼありません。

しかし、《秘儀の印鑑》《統率者の塔》など統率者戦御用達のマナ・アーティファクトや、Pauperで強力なアーティファクト群は(《探検の地図》を含め)使用可能のためデッキの下支えをするパーツとしては重要です。

コモン統率者戦ならではのパワーカードとして以下があります。

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《囁き絹の外套》:統率者を守り、ダメージを通りやすくなります。殴り統率者にも、コンボパーツにもどちらにも使える強力カード。装備品シナジーやアーティファクトシナジーのあるデッキならより輝くでしょう。

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《耕しカカシ》:統率者2019収録で、MOでは未収録のコモン。《進化する未開地》などのフェッチランドを繰り返し墓地から戦場に戻して、土地を伸ばすことが出来ます。1/4のため殴りに行きやすいですが、能動的にタップする手段や、アンタップ手段があればより強力です。統率者戦で重要な土地の展開に大きく貢献してくれます。

・総括

非公式ルールのため一見わかりにくい印象はあるかもしれませんが、遊んでみると分かりやすい効果のコモンのカードプールで、統率者戦のゲーム性を出すことのできる奥深いフォーマットでした。様々な統率者やデッキを試してみることができるのも、Pauperと統率者のいい所取りである気がします。

日本での人口はまだまだ少ないですが、気軽に遊べるフォーマットなので興味のある方はぜひプレイしてみてください。

今後も、本家のPauperの記事と合わせて、コモン統率者戦のデッキ紹介も行っていきたいと思います。

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