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《パーディック山の火猫》とは何だったのか ~火猫杯を考える~

はじめに

はじめましての人ははじめまして。
すでに御存知の方はこんにちは。

今回は自身の開催したPauperの特殊構築大会「火猫杯」の振り返り記事を書いていきたいと思います。

そして大会を経て《パーディック山の火猫》とは何なのかについても結論付けたいと思います。

なぜ火猫杯なのか

パーディック山の火猫
集中砲火

発端はPauperMTGさんの1つの動画から。

《パーディック山の火猫》と《集中砲火》についてと、動画の詳細はリンクから確認いただくとして、動画では難易度の高い瞬間は「お互いに火猫を使っているとき」であると語られていました。

つまり、

「すべての参加者が《パーディック山の火猫》を使う大会が開催されれば、火猫が最も輝く瞬間が訪れるのでは?」

というわけで(?)開催しました火猫杯。

事前に、火猫杯で起こるであろうことを予想してみました。

・お互いが《集中砲火》を撃ちあうことで火力が爆上がりする(最大17点)。
・《火猫》が集中砲火の火力アップにつながるので積極的に墓地に落とす、もしくは、相手の集中砲火の威力を上げたくないので墓地に落としたくないジレンマ
・ライフゲインや防御円など、火力対策を講じるデッキが出てくる
・ライフゲイン対策に感染デッキが出てくる(多分考えすぎ)
・墓地対策で集中砲火の火力を抑えるデッキが出てくる
・火猫完全無視デッキが出てくる

当初の予想では、火猫は《集中砲火》の火力を上げるために使われ、そこまで戦場に出ないのではないか……と考えていました。

火猫杯の構築

詳細はPauperMTGさんのサイトに掲載されています(https://paupermtg.com/tag/pardic_firecat_cup/)が、参加者のデッキタイプとしては以下の通り多岐にわたっていました。

・赤黒アグロ
・ブラッドバーン2
・イゼットフラクタル2
・うつろう爆発
・スティッキーフィンガー
・白単t火猫
・ジャンドドレッジ
・火猫感染デッキ(!?)

上記のデッキのうち、《集中砲火》を採用しているデッキが7、4積みデッキが6ということで、全体としては集中砲火を活かす構成が多かったようです。

ライフゲインや軽減を意識したデッキはやはりいくつか出てきていて、ブラッドバーンは集中砲火の火力を活かしつつゲインもするということで環境にマッチしたデッキと言えるでしょう。

《嵐の乗り切り》や《骨までの齧りつき》を採用したジャンドドレッジも大型クリーチャーや《ロッテスの巨人》でライフを攻めるタイプのデッキのため、火力を活かしていると言えなくもないでしょう。

フラクタルデッキはテラー型、《安堵の再会》などディスカード重視型に分かれていましたが、いずれも巨大なフラクタルを出すことで《集中砲火》の火力圏外にするなど、メタによる影響がみられる結果になりました。

火猫杯で起こったこと

お互いの墓地に火猫や集中砲火は何枚か落ちるものの、《集中砲火》のダメージは思ったほど伸びなかった印象でした。

※大会中の集中砲火の最大ダメージ(参加者にアンケート)
6点:1人
5点:1人
4点:3人
2点:2人

火猫のみ採用のデッキも多かったため、思ったより火猫は戦場に出て、そして打点を稼いでいました。

この参加者様の感想が物語っています

確かに《パーディック山の火猫》を出すことができて攻撃が通る場面であれば火猫で殴ったほうが打点を稼げる、というのはその通りでした。

そしてバーン系のデッキが多かったため盤面は比較的2/3が殴りやすいことが多かったのではないかと思います。

また「火猫を除去してしまうとまだ見えていない集中砲火のダメージを上げてしまうかもしれない」という心理が働いてしまい、火猫が除去されにくかったというのはあるかもしれません。

結論として《火猫》は思ったより場持ちしやすく、《集中砲火》は思ったより火力が出なかった、しかし集中砲火のテキストは火猫の生存性能を上げていた可能性がある、という面白い結果になりました。

火猫とは何だったのか

お互いに火猫を積んだ状態でも集中砲火のダメージが2桁といった飛躍的な数字に上がることはなかったのですが、ただの4マナ2/3速攻にはない、謎のシナジーがあるカードであることは確かでした。

「まだ見ぬ《集中砲火》というカードのダメージを上げてしまうかもしれない」という無闇な警戒を引き起こさせることで除去耐性を上げている、

4マナ速攻クリーチャーとしては打点が低すぎるため、現代のPauperにおいて採用できるか、ということは置いておくとして、オマケでついている集中砲火強化のテキストは決してインクの染みではなく、大会において面白い状況を巻き起こしていたと信じたいです。

結論。火猫、かわいいですね。


改めて、ご参加いただいた皆さん、火猫杯のために個性豊かな構築を考えて大会を盛り上げていただき、本当にありがとうございました!!


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