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内から見るか、外から見るか

こんにちは!ダニーです。

ちょっと今回は
いつもと違ったテイストで
書いてみました。

なんか海外の訳本みたいな感じで、
馴染みまへんような
気持ち悪いような気がするとおもうんですが、(自分も気持ちわるい)


その分ちょっぴり深めな価値を提供できると思います。

対戦よろしくお願いします。

2つのチーム

とある3日間のイベントに、
3人で構成された、2つのチームがあった。
そして、どちらも似たような課題に取り組んでいた。


活用する技術が事前に用意されており、
そこにチームのアイデアを掛け算して
事業案を作っていく

というものだ。


しかし、2つのチームの間には、
とある明確な違いがあった。

片方は、
各々が方向性を持っており、
活用すべき技術を中心に、
アイデアを練っていった。

そして、メンバーで役割を分担しながら進めていった。

もう一方は、
1人が方向性となるアイデアを掲げており、
2人がその方向性に共感し、
サポートする役に立ち回っている。

そして、メンバーで役割を分担しながら進めていった。

活用すべき技術はビジョンの周りに置かれていた。



ーーー事業案プレゼン当日

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別々の方向性を抱えていたチームは、
多種多様なアイデアをぶつけるだけで、
資金面の調達、ビジネスモデルについては
ほとんど言及しない発表であった。

そしてそれは、
”聞き手”の心を震わせるプレゼンとは言えず、
プレゼントとは到底語れないプレゼンであった。

誰かに刺さることはほとんどなく、
このプロジェクト自体は3日間で
一旦区切りをつけることになった、、、、


一方、方向性が一貫していたチーム
彼らは持ち時間5分あるうちの
冒頭2,3分を「深海」に対する愛を語りに語り、

さらに、
資金面、ビジネスモデルについての言及もした。

そしてそれは、
”聴き手”の心を震わせるプレゼンであり、
プレゼントとなるプレゼンであった。

結果、プレゼントを受け取った2名の聴き手は、
そのビジョンに共感し、
チームに参画することになった。


そして、イベント終了後の現在、
新たな2人含めたメンバー5人の新チームで、
プロジェクトを続行している。




この2つのチームの話は
自分の経験に基づいた、実話です。

Hack-Academyで3日間開催された
「イノベーションキャンプ2021」
研究シーズコースでの、

とある2チームで起きた出来事でした。


そして、自分は前者の
「メンバーが別々の方向性を抱えているチーム」(以下、バラバラチーム)に所属していました。

もう片方の後者、
「方向性が一貫していたチーム」は
「海の宇宙人と称した”深海生物”に出会える潜水艦事業」(以下、深海チーム)を展開していました。


では、この2チームの大きな違いとはなんだったのか、、、

マーケットイン?プロダクトアウト?
それらはHOW(手法)であり、本質ではありません。

答えは、「WHY(なぜ)」にあります。


深海チームは
内側にある「WHY」からはじめました。

対して、バラバラチームは
一番外側にある「WHAT(していること)」からはじめたのです。

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チームで企画するときも、
プレゼンの構成の順番も、
まず「WHAT(研究材料)」からはじまりました。

しかし、深海チームは、

企画を練る際、
1人の「WHY(ビジョン)」がまず明確になり、
残り2人がそれに共感し、サポーターとなりました。

「HOW」「WHAT」を組み立てていくときも、
それらは必ず、「WHY」からの成果物でした。

プレゼンの際も、
冒頭に、十分な時間を
「深海の愛を語る」という「WHY」から入り、
資金面・ビジネスモデルなどの「HOW」
製品・研究材料の「WHAT」と続けていました。

メンバーで企画するシーンにおいても、
プレゼンのシーンにおいても、
なぜ、WHYからはじめたか、そうでないかで、
ここまでの結果と印象が変わったのか。

それは、メンバーや聴き手に関わらず、
我々ヒトはWHATではなくWHYに
インスパイアされるからです。

チームビルディング

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まずは、
2チームのプロジェクト推進の過程を追ってみます

どちらのチームも役割をきちんと分担していました。

自分たちのチームでは、
各々がリサーチや考えたものをGoogleスプレッドシートにまとめて、プレゼン資料や大筋の台本も分担して制作しました。

こんな感じでチームの連携はスムーズに捗っている、、、


というのは全くの幻想でした。



なによりもプロジェクトを推進している上で、
各々の方向性、つまり今回で言う「WHY」に当たる部分が常に分散していたことが一番大きかったのです。

役割を分担し、業務を振り分けても、
その業務に対してどこかしら、
心の引っ掛かりが存在している。

これがブレーキとなり、
なかなか業務に取り組む意義を感じられずにいました。

プロジェクトに対して思うところがあっても、
そもそも方向性が異なるために、
妥協し続けなければなりません。

こうしているうちに、
いつの間にかプロジェクトへの意欲というものは薄れていっていき、心が摩耗されていきました。

いつの間にか、
ただ、3日目のプレゼンに向け淡々と作業していた、ということが正直な本音でした。

自分たちはWHYに関して、
時間が経つほど、さらに盲点になり、

「研究材料をどう活かす?何を生み出すことができる?」

という、WHATばかりへと視野が狭窄していったのでした。


一方、「深海チーム」はどうでしょう。
彼らのWHYは一貫していました。

メンバーは、つねにリーダーが掲げる
「深海への愛」について共感し、
ゆくゆくはそのWHYのファンになり、一緒に築き上げる協力者として、身を捧げていました。

そのため、
役割を分担しても、
業務を割り振っても、

そこには必ず「WHY」が乗っかっていました。

各々はこのプロジェクトに対する想いを持ち、意義を感じていました。


傍から見てみると、
彼らはそのプロジェクトの第一線のファンになっているように見えました。

ファンであるため、困難にぶつかっても、より良いものを作り上げようと、柔軟に軌道修正していたように感じます。

結果的に、
WHYを意識しすぎて、
WHATの要素である研究技術がおざなりになりかけていましたが、
そこも強いWHYの力でつながっていきました。


ですが、
実は当初、1日目の深海チームは
「コードレスドライヤー」
の企画案を立てていました。

そして、
これは研究技術を活かすという軸に考えられた
「WHAT」な案でした。

この日の彼らは、すでに迷宮入りしており、
イノキャン残り2日の方向性が混乱している状態でした。



しかし、2日目から彼らは方向性を大きく軌道修正
「深海」をテーマにすすめていきました。

そして、実質2日で、
ここまでの企画案を創り上げたのです。

本当に感服しかないです。

そして、ここまでのスピード感で進めたのも、
リーダーの「WHY」がサポーターに刺さった結果なのではないかと思います。


チームビルディングにおいて、
チーム内に一貫したWHYがあるのかないのか。

この違いは明確です。

プレゼンの構成

次に、
2チームのプレゼンの構成を追っていきましょう。


バラバラチームの冒頭は
技術の説明から入りました。
それはまさに「WHAT」でした。

その瞬間、
「ききて」は「聞き手」になったのです。

つまり、自分ごととして感じずに聞いていたのです。


一方、
深海チームの冒頭は「深海の愛」について語りました。
それはまさに「WHY」でした。

その瞬間、
「ききて」は「聴き手」になりました。



ビジョンに興味が湧き、共感し、

「チームの一員、顧客、相談役として協力したい!」

そんな強いインスパイアを聴き手に与え、
彼らは自ずと自分ごととして耳を傾けていました。


このように、深海チームは「WHY」からはじめ、
「HOW」「WHAT」と続けました。

内側から外側へと展開したのです。
これは聴き手に対して、超絶な刺していきます。

彼らは、
その「WHY」に思わずニヤけてしまうのです。

なんなら、
ワクワクしてチームに参画したいと感じたり、

こんな事自分したかったああ
と、ジェラシー感じちゃう人もいるでしょう。

プレゼンで「WHY」からはじめること。
その恩恵は計り知れません。

WHYの重要性

このように、
チームビルディング、プレゼンにおいて
「WHYからはじめる」ことがいかに重要であることかを身をもって体験しました。


そして、
この「WHY」の重要性は
ここまでにとどまらないと解釈しています。

自分中心のWHY

「WHY」は”自分”にとっては「軸」に近い役割をしてくれると感じています。

目の前の興味を限られたリソース(時間や体力、意志力)の中で”選択と集中”する判断軸になりそうです。

他人中心のWHY

また、先述したとおり、
「WHY」は仲間や顧客などにあたる
”他人”を奮い立たせるものとして貢献します。

奮い立たせた仲間は、内からの欲求で、
外からの刺激がなくとも貢献してくれるでしょうし、苦楽も共にできる良きパートナーにもなるはずです。

顧客も、
またその「WHY」のファンであり
「WHAT」ではなく「WHY」を買いにやってくるでしょう。

社会中心のWHY

さらに、
「WHY」は”社会”という集団までも奮い立たせます。

それだけでなく、
「WHAT」に走りすぎた結果、
資本主義下での競争に巻き込まれ、
衰弱
してしまう、、、


それを防ぐための処方箋にもなり得ます。

なぜなら
競争下では不利な状態、
たとえば価格競争で劣っているような場合でも、

バックには「WHY」に共感し、
「WHY」を買うファンがいるのですから。

ある時には、
一種のプロパガンダ的な強烈なメッセージにも昇華する事でしょう。世の中に大きなインパクトを与える活力にもなるのです。



このように
「WHY」は自分だけでなく、
他人、社会へと視座を上げても


影響するものがある、程度どころか、
むしろ大きくなっていくと考えます。


「WHY」


ここをいかに明確にできているかが、
長い目で見て、行く行くの人的資本に大きな差になってきそうです。


「WHYからはじめよ」


机上の空論だった


イノベーションキャンプ後、しばらくの間、
バラバラチームがうまく軌道に乗らなかった原因が見つからず、常にモヤがかかった状態でした。


そこでKUJIRAの矢野さんから
「インターンに参加しないか」
とお声をかけていただき、

その課題図書である

「WHYからはじめよ」

を一通り読んでみました。

たしかに、書いてあることは腑に落ちるし、
これから大いに活用しようと感じました。

ですが、
一方でそれに基づく実体験がピンとこず、
どこか机上の空論になってしまっていました。

ある日、
仲間にアウトプットする形で、
イノキャンの体験と失敗の原因を
因数分解していったときに、

その実体がまさに身近に存在していることに感動を覚えました。


人生ではじめて、
本で読んでいた内容が
一気に、密接に、実体験に結びつきました。

急にどわああああ っと紐ついていく感じ。
今までになくすごく心地よかったです。


しかし、このような感動も覚えたのも、
それ相応の密な体験があったからだと思います。


ただ、この一回きりで満足しては行けません。

さらに密な経験の数をこなしていかなければと、
このままでは全然だめだなと、
成長度が足りんと、痛感しました。


こちらの動画は
著書「WHYからはじめよ」の元ネタであるTEDのもので、
1450万回再生を記録しています。

まずはこっちをざっくり見てみてください。
ここまで明快な理論はなかなかお目にかかれません。
それも、この輪っかは生物学に則っているからです。

ホワイトボードの図面上で、
自然の秩序を体験するなんて思いもしませんでした。

ぜひ、一度見てみてくださいね。


そして、机上の空論にとどまらず、
実体験と結びつけてみてください!

↑更に深ぼりたい方はこちらをチェック

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