見出し画像

銘柄評価:日本電信電話(9432) 92点

1) 会社の概況と特徴

日本電信電話株式会社(NTT)は、1985年に設立され、1987年に上場しました。NTTグループの持株会社であり、主力のドコモを中心に固定電話、光回線、地域通信、グローバル・ソリューションなど多岐にわたる通信サービスを提供しています。特に、固定電話と光回線において高いシェアを誇り、海外展開や提携にも注力しています。事業セグメントは、総合ICT(44%)、地域通信(19%)、グローバル・ソリューション(30%)、その他(7%)で構成されており、海外売上比率は20%です。最近では、次世代通信「IOWN」開発への助成金獲得やNTT法の改正など、新たな成長機会を模索しています。

2) 株購入における総合評価

NTTは、安定した業績と強固な財務基盤を持つ企業です。2023年度の売上高は13兆1361億円、純利益は1兆2131億円に達し、2024年度も13兆1000億円の売上を予想しています。通信業界での圧倒的な地位と、国内外での事業展開が評価されます。株価は安定しており、時価総額は16.4兆円に上ります。配当も増配傾向にあり、2025年度には1株当たり5.0~5.6円が見込まれています。総合評価として、安定した業績、強固な財務基盤、株主還元の観点から高い評価が可能です。

3) 売上と利益、成長性

NTTの売上高は、2021年度から2023年度にかけて増加し、2023年度は13兆1361億円を記録しました。営業利益は1兆8289億円、純利益は1兆2131億円に達しました。成長性については、ドコモの単価反転増やデータサービスの好調が寄与しています。2024年度の売上予想は13兆1000億円、2025年度には13兆4000億円と予測され、さらなる成長が見込まれます。

4) 株価と時価総額、総資産

NTTの株価は、2024年初頭には最高値で192.9円を記録しました。現在の時価総額は約16.4兆円で、総資産は27兆2447億円に上ります。通信サービス業界で1位の時価総額を誇り、その規模は業界内でもトップクラスです。

5) キャッシュフロー、現金

2023年度の営業キャッシュフローは2兆2610億円と非常に堅調です。一方、投資キャッシュフローは-1兆7369億円であり、積極的な投資活動が見られます。財務キャッシュフローは-5901億円で、現金等は7939億円となっています。これらの数字は、同社が健全なキャッシュフロー管理を行いながら、成長分野に投資していることを示しています。

6) 配当性向

NTTの配当性向は堅実であり、2023年度は60円の配当を実施しました。2024年度には2.5円、2025年度には2.5~2.8円を見込んでいます。株主還元に積極的で、安定した配当を行う姿勢が見られます。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中19点)
    安定した業績と強固な財務基盤が評価されます。特に、ドコモの収益改善とデータサービスの成長が顕著です。

  • 株価の安定性 (20点中18点)
    株価は比較的安定しており、長期的な投資先として信頼性があります。

  • 成長性 (20点中17点)
    次世代通信「IOWN」やグローバル展開など、新たな成長機会が豊富で、高い成長性が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中20点)
    通信サービス業界で圧倒的な地位を占めており、競争力も非常に高いです。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    安定した配当金を支払い、株主還元に積極的です。

総合評価: 100点中92点

NTTは、安定した業績と強固な財務基盤を持ち、成長性のある事業を展開する優良企業です。株価の安定性と高い競争力も評価でき、長期的な投資先として非常に魅力的です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?