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銘柄評価:日立(6501) 88点

1) 会社の概況と特徴

日立製作所(Hitachi Ltd.)は、1920年に設立され、1949年に上場しました。総合電機および重電機器の業界で首位に立ち、広範囲な事業を展開しています。近年は総合路線を見直し、インフラ系の事業に重心を移しています。海外展開も積極的に進めており、売上の62%が海外からのものです。事業セグメントはデジタルシステム・サービス(DSS)、グローバルエネルギー(GEM)、コネクティッドインダストリーズ(CI)など、多岐にわたります。特にITおよび送配電分野での成長が目覚ましく、生成AI関連の受注も100件超を獲得するなど、技術革新に積極的です。

2) 株購入における総合評価

日立製作所は、安定した業績と強固な財務基盤を持つ企業です。売上高は2023年度に10兆8811億円を記録し、2024年度も約9兆4500億円と予想されています。成長性のあるITおよび送配電事業の拡大により、長期的な成長が期待されます。株価は最近の高値から若干下がっているものの、長期的な投資先としては安定しています。配当金も堅実に増加しており、2025年度には170~175円を見込んでいます。総合評価として、財務の健全性、成長性、株主還元の観点から高い評価を与えられます。

3) 売上と利益、成長性

日立製作所の売上高は、2021年度から2023年度にかけて増加傾向にあります。2023年度の売上高は10兆8811億円で、営業利益は8053億円、純利益は6491億円に達しました。成長性については、DX(デジタルトランスフォーメーション)需要の取り込みと欧州での送配電事業の拡大が寄与しています。特に、IT部門の成長が顕著であり、今後も継続的な成長が期待されます。

4) 株価と時価総額、総資産

日立製作所の株価は、2024年初頭には最高値で1万1710円を記録しました。現在の時価総額は約11.7兆円で、総資産は12兆732億円に上ります。同社は総合電機業界においてもトップクラスの規模を誇ります。

5) キャシュフロー、現金

2023年度の営業キャッシュフローは8270億円と堅調です。一方、投資キャッシュフローは-1兆488億円であり、積極的な投資活動が見られます。財務キャッシュフローは-1兆1429億円で、現金等は8332億円となっています。これらの数字は、同社が積極的に成長分野に投資していることを示しています。

6) 配当性向

日立製作所の配当性向は堅実であり、2023年度は75円の配当を実施しました。2024年度には80~90円、2025年度には90円を見込んでいます。株主還元に積極的で、安定した配当を行う姿勢が見られます。

7) 採点と理由

  • 業績と財務 (20点中18点)
    強固な財務基盤と堅調な業績が評価されます。特に、ITおよび送配電分野での成長が顕著です。

  • 株価の安定性 (20点中16点)
    株価は安定していますが、市場の変動には影響されやすい面もあります。

  • 成長性 (20点中17点)
    DX需要の取り込みと欧州での送配電事業の拡大により、高い成長性が期待されます。

  • 業界地位と競争力 (20点中19点)
    総合電機業界でのトップ企業であり、競争力は非常に高いです。

  • 配当性向と株主還元 (20点中18点)
    安定した配当金を支払い、株主還元に積極的です。

総合評価: 100点中88点

日立製作所は、堅実な業績と強固な財務基盤を持ち、成長性のある事業を展開する優良企業です。株価の安定性と高い競争力も評価でき、長期的な投資先として非常に魅力的です。

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