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効率よくユーザーニーズを調べるコツ

商品やサービスを販売する上で重要になるのがユーザーニーズの把握です。

ただ一口にユーザーニーズといってもその意味するところは幅広いです。関連する言葉を見ても、顕在ニーズ、潜在ニーズ、未充足ニーズ、機能的ニーズ…など「○○ニーズ」と名が付くものから、ウォンツやユーザーベネフィットなど同じ意味合いのものまでたくさんあります。

そのため「ユーザーニーズを調べる」といっても、状況や人によってその意味するところは違ってきます。それだけでなく、自分の中でユーザーニーズとは何かをはっきりイメージしておかないと、いざ調べ始めてもあちこち風呂敷を広げてしまい、焦点が合わない調査になってしまいます。

そこで今回はユーザーニーズを調べる時に、どういった点に注意をしたらいいのかについてお話をします。

「新商品開発」と「既存商品の販売」では調べるユーザーニーズは違う

今申し上げたように、とりあえずユーザーニーズを調査しよう、と闇雲に始めてみても効率はよくありません。まずは自分がどんな目的でユーザーニーズを調べるのかをはっきりさせましょう。

例えば、新商品を開発する時とすでにある商品を販売する時では、調べるニーズの種類は違ってきます。

新商品を開発する時に重要なのは、潜在ニーズや未充足ニーズです。

今ある商品では満たされていないニーズは何かを見つけ、そこに焦点を合わせて開発することで売れる可能性を高めます。そのためには未充足のニーズやユーザー自身も気づいていない潜在ニーズを探ることが重要になります。

すでにある商品を販売する時には顕在ニーズの把握が重要です。

この場合、目の前にある商品を効率よく売るためには、どんな人が一番買ってくれる可能性が高いかを探ることが重要になります。そのため顕在化しているニーズを洗い出し、それらのニーズに優先順位をつけてアプローチしていきます。

*もちろん実際はこのようにはっきりと分かれるわけではなく、どちらもグラデーションのようにいろいろなニーズを調べることになると思います。

重要なのは完成形イメージ

このようにユーザーニーズの種類は広いので、自分のビジネスにとって何が必要なのかを整理してから調べ始めないと泥沼にハマってしまいます。自社のビジネスに関係ないものまで調べるのは、はっきり言って無駄です。効率的に調べるためには、「とりあえず調べてから考えよう」ではなく、「最終的にどんな情報が必要か」を考えてから調べ始めることです。

そのためにおすすめなのが、調査する前に、作成する資料をイメージしておくことです。調べたものは何らかの形で資料としてまとめるはずです。その最終的にまとめる資料をイメージしてから取り掛かるのです。

例えばカメラを販売している会社があるとします。そこでまずは一眼レフカメラを使う人はどんなニーズがあるのか調べてみよう、と始めてしまうとおそらく効率が悪くなります。

そうではなく、もう少し具体的に落とし込み、「一眼レフカメラを利用するシーンから、そのシーンごとに重要視される機能をまとめる」と決めてから調べ始めます。

例えば最初に次のような資料を作成することをイメージします。

一眼レフカメラの利用シーン別重要機能

このような資料があれば、シーン別に訴求点がはっきりするので、お客様の使い方に応じて最適な提案ができます。またシーン別でこのカメラに対する関心度をランク付けし、ざっくりとした優先順位をつけることもできます。

最初に作成する資料の完成形をイメージすると、この空欄を埋めるのを目標にすることで効率がよくなります。

実際に調べる内容はもっと多岐にわたり、その分作成する資料も増えますから、なおさら最初に完成形を考えておくことで効率が上がります。

不必要なことは調べない

多くの人は経験あると思いますが、何かを調べていると出てくる情報すべてが重要に見えてきます。そのため直接関係のないことまで調べ、その分効率が悪くなってしまいます。

それを防ぐためには、調べるものと調べなくてもいいものを決めることです。

今回の場合で言うと、今ある一眼レフカメラを販売するのであれば、潜在ニーズまで調べる必要はありません。

潜在ニーズや未充足ニーズを調べるのは大変で、時間もコストもかかります。しかし上の例に出したようなシーンごとのニーズを洗い出すのであれば、潜在ニーズを調べるほどの手間はかかりません。

このように何を調べるのかを把握することは、調べなくてもいいことを把握することにもつながります。

できる限り無駄な情報を調べず、また必要な情報を漏らさないためにも、事前に調査の目的を確認し、必要な資料の完成形をイメージしてからとりかかるようにしましょう。

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