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イラストレーターのためのTwitterフォロワーの増やし方。というか、増やしてどうするん?

あとでブログに書くかもの草稿。

自分はSNSを大活用できている人間ではありません。ウェブの専門家としても活動しているけどSNSはアキレス腱です。そんなこんなで自分の学びのためも兼ねつつ、Twitterを使って何かしようとしているイラストレーターさんに向けて書いてみます。

まとまりのない文章ですがお役に立てれば幸いです。

フォロワーの増やし方

まずは、みんなが知りたいフォロワーの増やし方。

間違ったやり方から紹介しましょう。これはやるべきではありません。

【間違ったやり方】
 1. 自分から手当たり次第フォローしまくる。しばらく経ってフォローバックがないアカウントのフォローを外す。それを定期的に繰り返す
2. 業者から買う

なぜこれらがよくないのかというと、これらの方法で集めたフォロワーはあなたへの関心度がうんと低いから。

1.方式ではフォローバックを返してくる人は自分もフォロワー増やしたいからそうするだけ、という不毛な関係が築かれる。2.は言わずもがなで、休眠アカウントや外国アカウントばかり増えるしモラル的にも問題が多い(業者は管理の甘いアカウントのパスワードをぶっこぬいて勝手にフォローさせたりするって噂です)。

とにかく数だけ増やしたい、数 is 正義、と思う人はこの間違ったやり方もあえて導入して効率的にすればよい。でもそれってなんの意味があるん?と思います。数ばかりは多いけど質の悪いフォロワー(言い方悪いけど)しかいない「使えねぇ」アカウントでは、後々悩みのタネとなって自分を苦しめることでしょう。

「使えねぇ」アカウントでは具体的に何が起こるかというと、こちらから何か投げかけても反応が薄い反面、炎上の時はフォロワーが率先して焚きつけてきます(個人的に経験済み)

「正しい」フォロワーの増やし方は、次のとおり。

【「正しい」フォロワーの増やし方】
- 誰/どんな人にフォローしてほしいかを決める。
- その人たちにとって有益な情報を投稿する。
- 興味のあることや賛同することには自分からコメントをつけていく。

このやり方はめっちゃ地味で労力もかかるし、その上じわじわとしか増えない。だけど本当に自分に関心を持っている人だけがフォローしてくれる。

リアルの人間関係と同じで、質のいい関係性が多いアカウントは良いことも起こりやすい、と言えるみたいです。

同業者や一般人のフォロワーを増やしてどうするの?

有益な情報?そうか、じゃあ、イラストの描き方とかイラストレーターになるには?とかを一生懸命つぶやいていけばファンが増やせる!と思った人ちょっと待って。

同業者やなりたいの人々、あるいは一般人から仕事の依頼が来る確率は低いので、フォロワー数が増えれば増えるほどお仕事もらえる!と単純に思っているのだったらそれは違うよ、と言いたい。

「イラストレーターはファンを増やすべき」には違和感がある

SNSの話になると「ファンを増やせ」っていうアドバイスをする人が多い。

それは芸能人とか一般の人向け商売には当てはまるんだろうけど、イラストレーターのような仕事では、どうかと思います。勘違いしている人多いけどイラストレーターってのは制作現場の裏方の仕事です。「ファン」が直接売上を連れてくるわけではないでしょう。

実際の受発注を考えてみたとき、依頼主の判断として「このイラストレーターはフォロワーが多いから人気があるのだなぁ」→「私が作っている媒体にも人気を付けられるかも」というのはありましょう。

ただしフォロワー数の多いイラストレーターは仕事人としても立派なのかというと、残念ながら全くもってそうとは限らない。「依頼された仕事を責任持ってきっちりこなしてくれるかどうか」という、何にも勝る肝心カナメの部分は、フォロワー数では判断のしようがありません。

いうまでもなく、フォロワー数がどれほど多くても実績が何もないイラストレーターに仕事の依頼はいかないでしょう。でもその逆は大いにあります。ていうか世間で活躍しているベテランイラストレーターのだいたいはそうで、フォロワー数はわずかだったりそもそもTwitterをやってなかったりすらしますが、でも実績がたくさんあるわけです。

フォロワー数が多いこと自体の良い効果

たしかに、Twitterのフォロワー数が多いこと自体が優位性になりうる、というのは全くもって正しい。

中身はブラックなのに「上場企業だから安心だよね」と思われている会社が世間にたくさんあるように、イラストレーターにも「フォロワー数が多いのだからこの人きっと大丈夫」みたいな、良いレッテルが自分に都合よく判断を歪ませる効果(心理学でなんというのでしたっけ?)は働くかもしれない。

ただ「フォロワー数何千人」も「実績多数、企業との取引何百件」もどちらも同じように良いレッテルだけど、どう考えても後者のほうが効果があるよね〜と思うのです、イラストレーターとして10年以上やってきた自分の体感からは。

どっちも持っているならそれが最強ですね。

イラストレーター=企業間取引 : 仕事を増やすのにTwitterは向いてない

巷のウェブコンサルタントがよくそう言うように、企業間取引においては、SNSを使って直接売上を伸ばすのは難しい。イラストレーターだって出版社や編集プロダクションを相手にした企業間取引の一種なので、やはり同じように難しい、と言えるのではないか。

とはいえ企業間取引が中心の企業でも、採用活動で学生に振り向いてもらうために積極的にSNSを使ったり、あるいは世間のイメージアップを目指して運用する場合もあって、イラストレーターにもそういう方針の活用が考えられる。それがいわゆる「ファン」なんだね。

ただ、個人事業のイラストレーターは企業とは違って、広報専用の人間を配置したりはできません。自分は自分ひとりです。ぶっちゃけ「ファンを増やそう!!」なんて悠長なことを言っているヒマなんてないし、もっと直接的に依頼を増やしていく手段にフォーカスしたいと考える方が、事業主としては健全です。

ファン獲得に躍起になれる余裕があるのってもしかして、学生とか「なんちゃって」クリエイターの人くらいなんじゃない?と邪推したくもなる。

アカウントはプライベート用と仕事用を分けるのか?問題について

個人事業のクリエイターにとって、自分の個人のアカウントと仕事のアカウント、どう扱っていくか?について考えてみましょう。

私も実は迷っているけど、今のところは、こう思ってます。

- ある程度分けるべき。
- ただ、完全に分けることはできない。

私は、個人アカウントで仕事関係の人をフォローすることは極力してきませんでした。フリーランスと依頼主の関係では、個人的なことまでわざわざ知らせない関係性だからこそいろんな衝突もドライに解決していける、そういう面を大切にしたいからです。

個の時代なんだから、個人としてなんでも発信すべき!趣味の自分も、仕事の自分も、全部自分なんだから、個人アカウント一つで全部やるべき!みたいな意見も、まあ一理あるとは思います。ただ、それって逆にかなり覚悟がいるよね。

仕事関係の人をプライベートにも入れるということなので、個人におけるソーシャルメディアポリシー、みたいなのを定めないといけない。取引先に迷惑をかけるようなことはどのアカウントでも言ってはいけないのはいうまでもないけど、例えば生活密着のツイートはどうしますか。

テレビで野球を観ていたら「ハッシュタグ:虎バン主義 でつぶやくと甲子園のチケットが当たるよ!」というキャンペーンに遭遇したとしましょう。取引先も見ている個人アカウントでそれをやるのか……?というとちょっと疑問に思います。

この時間に仕事サボってんのかと思われたら困るとか、いま読売の仕事してるんだけどなんか気ぃ遣うよねとかもあるかもしれない。じゃあ、別に匿名アカウント作ってそっちでやるか……って結局分けるんかーい、となりかねない。

それならば初めから分けておいたほうが、結局自由に使えたじゃないか、と思います。

あるいは、個人アカウントと言いつつも、ほぼ仕事中心に発信する半オフィシャルな個人アカウント、みたいな立ち位置を自ら設定して、キャンペーンの利用とか生活感のありすぎるツイートは今後一切しない、とするか。しかしそうなるとそれはもう実質「分けてる」ってことなので、「個人」アカウントって呼び方自体が矛盾してきます。結局、この辺の線引きはそれぞれ自分で決めるしかないのかな、としか言いようがありません。

日本語圏のTwitterでも検索すると「アカウント分けるべきか問題」で悩んでいる人が多くみつかる。じゃあ、海外ではどうなのかな?と英語でsplit accountと検索してみたら、やっぱり同じように悩んでいる人だらけでワロタ。

独立したプロジェクトの場合は、迷わず分けたほうが良いと思います。

例えばいしつく!は「ポートフォリオサイトを作って仕事に役立てたいと思っているイラストレーター」という、世間的にはかなり狭い範囲の人々を対象に発信しているプロジェクトです。もし私の個人アカウントでまぜこぜに発信を続けていたとしたら、ここまで多くのイラストレーターが「いしつく!の教科書」を読んでくれることはなかったでしょう(完全公開後3週間で100回以上売れました。ありがとうございます)。

とりあえず個人アカウント一本でやっていくとして、将来的に対象を絞ったサービスやプロジェクトをするようになったとき、「新しく垢作ったのでそっちに興味のある人は新垢をフォローよろしくね!」みたいなことを言っても、大半のフォロワーには無視されます。新垢は新垢でまた新たに一から育てるものと覚悟すべき。

いしつく!で発信しているようなポートフォリオサイトのTipsは、そっくりそのまま、別事業でやっているウェブコンサルにも当てはまることが多々あります。そういうときは、二度手間でも別のアカウントで別途発信します。それはTwitterの限界だからしょうがない。

個人アカウントひとつで全てまかなえて、それぞれ違う相手に届けられれば楽だとは思うけど、そういう仕組みになっていない以上、ある程度分けるのが現状での最適解なのかな、と思ってやってます。

一人の人間が考えたことなので、あっちとこっちで同じ内容を発言することも出てきてしまう。そういう意味では完全に分け切るのもなかなか難しいな、と感じます。

ところであまり細かく分けすぎるのは管理が面倒臭いだけでメリットは少ないでしょう。オタク系の絵師さんの中には絵柄や萌え属性ごとにアカウントを分けようとする方もいらっしゃるそうですが、そこまでいくとただの趣味なので好きにしはったら…と思います。

イラストレーターさんにはいつも、SNSよりもウェブサイトをがんばりなさいね、とアドバイスしています

私は個人としては「ツルむ」のが昔から大の苦手です。中学高校時代は完全ボッチで昼食はひとりで食べてたし部活もやったことがない。コワーキングスペースは馴れ合いが気持ち悪くて辞めたし、イラストレーター同士の交流もほぼ興味がありません。

そういう人間の言うことなので、SNSで同業者同士で馴れ合うのって楽しいよ!と思っているイラストレーターさんにとってはいろいろ違和感がある内容だったかも、ごめんね。Disっているわけではないのよ。苦手なので勉強しているという感じです。

今この時代だから、個の時代だから!ネット優位の時代だから!という煽り気味の意見に違和感を覚えるのは、「仕事の受発注は結局信頼と実績」という根本は昭和から変わってないし、そこに加わる人間の心理もそんなに変わってないはずなのになあと思うからです。

私を頼ってくれるイラストレーターさんにはいつも、SNSよりもウェブサイトをがんばりなさいね、とアドバイスしています。理由は、実績や信頼性を伝えるほうが仕事の依頼には結び付きやすいから。実績や信頼性を伝えるのをSNSオンリーでやるのは難しいです。なのでやっぱり事業用にきちんと編集されたウェブサイトを持って、育てて活用していくのが面倒だけど結局有効だよ、と。

とはいえSNSを使っていかざるを得ない面はあるので、いいバランスでやっていけたらいいですね。


イラストレーターさんはじめクリエイターさんがより良い仕事に出会える世の中を目指してます。応援よろしくお願いいたします!