ほとんどの演奏家に必要なのは演奏力ではなく集客力だけです
僕らのような日本一流、世界一流ではない、無名であり、言ってみれば中途半端なアーティストで、音楽を「食べていくための収益」として成り立たせる人のみの話でして、まあ、言い切ってしまうのは失礼な話なんですけどね。
さて、まずは昨日(2023.1.26)のコンサートにご来場いただき、本当にありがとうございました!!僕ら夫婦の率いるNewTonesのコンサートも宗次ホールで18回の出演。もうすぐ20回になります。固定のグループとしてこれだけ出演し続けている団体も、まずないのではないでしょうか。
ほぼ満席
雪の予報もあり、先週から「雪なので予約キャンセルします」という連絡もいただくくらい意気消沈しておりましたが、案ずるより産むが易しでした。たくさんのお客さんに楽しんでいただけたこと、本当にありがたいことです。
巷の噂ですが、実力派の有名アーティストのコンサートより、最近のNewTonesのコンサートの集客率が高いことが多いそうです(チケットが安いのが原因のだけだと思うのですが)
たくさんお客さんが入ったので、奏者の懐もウハウハですよ?
(え?)
たくさん収入が入ってよかったね?
コンサートの収益はイベントやホールによって細かく取り決めされています。今回のホールは基本的にこういう公約です。
・出演者が売った分は出演者のもの(ただし最大50枚まで)
・ホールは出演者に出演料を1人10000円別途支払う。
・チケットは1枚1000円
こうみれば、別に悪いものではありません。
お客さんを呼べる奏者でしたらピアノソロ公演の場合、最大60000円は入るのです。ただし4人グループでしたら1人25000円が最大値になります。
売らなければ10000円のみ。仲介を挟んだ安いイベント出演などと代わりません。安いイベント出演などは練習不要で、現地に赴いてただ弾けば良いだけですから・・・こちらは純クラシックで曲によってはかなりの準備が必要です。しかも集客できないと「人気のないグループ」「ホールが赤字になる」という烙印を押されてしまい、次回からの出演を拒否される可能性が大です。
要はお客さんを集めれれば良いのです
別に今回のホールに限った話ではなく、リサイタルもイベント演奏も何もかんも、お客さんがたくさん入ってお客さんが喜んでくれれば、何の問題もないのです。演奏家として勘違いしちゃいけないのは、やっていることは慈善事業ではない、ということ。
ホール側にはホール側の運営が。
奏者側には奏者側の運営が。
至極、当たり前の話です。
自分達がやっていることを「アート」なんて高尚なことを言って「そんな安いギャラや出演条件なんてありえない」という哀れさ。日本一流でも何でもない僕らが、どの口下げてアートを語れば良いのか。
悔しかったら、次のどれかがあれば良いのです。
①誰もが知っている知名度の高い演奏家になるか。
②誰も知らなくてもかなりレベルの高いコンクールで賞歴を上げるか。
③何にもなくてもたくさん集客できるようになるか。
3択です。
みんな頭ではわかってることです。
実は多少相互関係はありますが、①②がなく、かなり演奏技術としては低く評価せざるを得なくても、毎回ホールを客で埋め尽くせる人柄の人気でかなり稼いでいる方は実在します。いや、もしかすると、ほとんど実力の良し悪しなんてお客さんはわかっていないのかもしれない、と思わざるを得ません。
ほとんどの奏者は「集客力」しか生き残る道がない
逆に言えば、集客力さえあれば、どこに行っても依頼主に頼らずに生きていけます。親族のコネだろうが、財力だろうが、性的搾取だろうがなんだろうが、集客力さえあれば。
僕はチラシ作成やアレンジや渉外、ネット運営などを一手に引き受けているので、最低でも5〜8万くらい入っても良いと思うのですが、如何せん、集客力が一切ない。だからメンバーの集客力に頼り、ホールの集客力に頼り、お客さんの哀れみに頼り、これまで生きてきました。
集客力さえあれば、他の能力はむしろ要らないのです。
いっぱいお客さんを集めて、そのお金でアレンジもチラシも、運営も他人に任せれば良いのです。
集客力さえあれば・・・
でも、無いものはどうしようもありません。
自分の処世術をうまく使うしかない。
公演はうまくいった。
問題は、そのあとです。
どう単価を上げるか
集客を頑張ってやっと辿り着く1公演25000円。
これでは食べていくことができません。
なぜなら
アレンジ、練習、渉外などの準備に相当な時間をかけている
ツアーではないのでネタを使う機会がない
多くのお客さんが次に来るかどうかわからず、運営に活かせられない
集客宣伝を除き、何の準備時間もかけずにこれだけ稼げれば、そこまで文句も出ません。しかし、そうはいかないのです。クラシックがなかなか難しい道のりなのは、集客以外にネタ作りに時間がかかると言っても過言ではないのです。
また、自分達のお客さん以外の人たちへのアプローチが難しいのです。最近は公演後も対面してCDを売ったり挨拶をしたりすることができません。
ですので、(ここから先は応援費みたいな感じで有料です)
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