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テーブルタウン 12月
テーブルタウンにある
マグカップハウスから
ちいさな角砂糖さんが一粒…
冒険をはじめました
雪だるまさんが
空に“フワフワ”と浮かび
雪を“サラサラ”と降らせている
少し寒くて
少し不思議な
テーブルタウンに到着しました
ここは
ケーキのテーブルタウン
様々なケーキの家が並んだ
真っ白な街
角砂糖男爵は
不思議な
テーブルの穴を見つめています
そのテーブルの穴は
テーブルの下に
繋がっていて
トマさんとマトさんが
風船を使って下りて探検しているところでした
ちょっぴり怖いマトさんと
楽しそうに笑っているトマさん
秘密の抜け道を見つけて
嬉しそうです
角砂糖さんは
大きな
大きな
ケーキをニコニコしながら登っています
ガムシロさんもつられてニコニコ笑っています
ケーキの上には
ドドンと
角砂糖キングが
座っていました
隣にいるのは
苺のロベリィ
マフラーを巻いた太陽と一緒に
キングを守っています
角砂糖さんは
思い出しました
この冒険は
遠く離れた街にいる
角砂糖キングに会うために
はじめたことを…
12ヶ月
12のテーブルタウンを
一粒の力と
仲間と一緒に
歩いたり
時には休んだりしながら
色々な街を見て
歩いてきました
きっと目的すら忘れてしまうくらい
楽しかったり
大変だったりしたのでしょう
キングに会えたことで
全部が
懐かしい思い出になって
角砂糖さんは
嬉しい涙をポロポロと流して
冒険の話を
キングにたくさんお話しました
キングはケーキを振る舞い
「フォッフォッ」と
笑いながら角砂糖さんの
話しをいつまでも聞きました
角砂糖さんの冒険は
ここでおしまい
きっと
帰り道
今度はもっと違った角度で
テーブルタウンを
見て回りながら
自分のマグカップハウスに
ゆっくり
ゆっくり
歩いて
帰ることでしょう
絵・文:一色十秋 イッシキトアキ
(おしまい)
ここまでたどり着いていただきありがとうございます。気に入っていただけましたら幸いです。またのお越しをお待ちしております。