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『レゾンデートルの祈り』の歩き方

こんばんは、楪です。
今回は『レゾンデートルシリーズ』の作中に登場する場所を紹介していきます。
※記事は『レゾンデートルの祈り』と『レゾンデートルの誓い』それぞれに分けて、二部構成とする予定です。

このような記事を綴ろうと思った理由としましては、読者の方からよく
「今度江ノ島に行くんですけど、オススメの所ありますか?」
といったメッセージをいただくことが多いからです。

こちらに掲載しておくので、これから訪れる方も、また訪れたいと思っている方も、是非参考にしていただいて聖地巡礼を楽しんでください。
些細な製作秘話も交えておりますので、訪れる予定がない方々も是非ご覧ください。


なお、こちらの記事をご覧いただく前に注意点お願いがあります。

1.作中に登場する場所やシーンなど、ネタバレが含まれています。万が一、原作を未読の方は読了後にご覧いただくことをオススメいたします
2.作中にはお店の名前などは明記しておりません。あくまで著者の僕がロケハン(現地取材)をした後にモチーフにさせていただいた場所と捉えていただいて、お店の方にご迷惑をお掛けすることのないよう、お約束してくださいね



『レゾンデートルの祈り』

「プロローグ」

・七里ヶ浜
プロローグで登場するシーンと言えば「七里ヶ浜」ですね。
主人公の遠野眞白(とおの ましろ)と友人の柳川陽菜(やながわ ひな)が夕陽を眺めるシーン、そして江ノ島電鉄に乗るシーンです。

「だって、江ノ島が一番綺麗に見える場所じゃない?」
出典:「レゾンデートルの祈り」

と、陽菜が言う通り、本当に景色が綺麗です。

七里ヶ浜から眺める夕刻の江ノ島(撮影:楪一志)

日没の30分前くらいから眺めることをオススメします。
日が沈むにつれて、空が表情を変えていく様を楽しむことが出来るからです。
なお、当日の日没時刻はネットで「江ノ島 日没時刻」と調べるとすぐにヒットします。


「星空と白い噓」

眞白にとって初めての面談相手、羽柴奈央(はしば なお)が登場します。

・ラストリゾート
この章で初めてラストリゾート(主に安楽死希望者と面談する施設)が描写されます。こちらについては一応場所や施設のモチーフとなっている所はあるのですが、記載は控えさせていただきます。

・藤沢駅
この章含めて、藤沢駅の描写が増えていきますね。
藤沢駅は商業施設が多く、ウィンドウショッピングをするだけで楽しい所です。ペデストリアンデッキと呼ばれる、駅やビルと繋がっている高架型の歩道がありまして、広場ではたまにイベントなども開催されています。
青空の下歩くのはとても気持ちが良いものです。

・七里ヶ浜(再び)
さて「星空と白い噓」といえば最後のシーンが印象的だと(個人的に)思っております。
ここでもまた七里ヶ浜が登場しますが、今回は夜です。
浜辺で空を見上げた眞白が、奈央にこう囁きます。

「見てください、星、すごいですね」
出典:「レゾンデートルの祈り」
七里ヶ浜(撮影:楪一志)

作中では夜8時頃となっていますが、朝方4〜5時頃の星空が一番綺麗だと思います。当然その時間に訪れることは中々ハードルが高いと思いますので、近隣のホテルに泊まってご覧になることをオススメします。


・秘話
1.初めて長編の小説として「レゾンデートルの祈り」を書こうと思ったのは、実はこの「星空と白い噓」を書きたかったからです。
2.奈央が住んでいるのは辻堂駅付近ですが、実は奈央の家については「この辺りにしよう」という大まかな場所を特定しています。



「色彩づく世界へ」

この章では橘春樹(たちばな はるき)という男性と面談しますね。面談している季節は夏なのに、春色の印象が濃く残っているのではないでしょうか?
とても好きなお話ですが、残念ながらこの章では特徴的な場所などの描写はありませんので割愛させていただきます。


・秘話
お伝え出来ることがあるとすれば、春樹の家も実際にロケハンして「場所はこの辺りにしよう」と決めているくらいでしょうか。
この頃「レゾンデートルの祈り」は完成したとしてもコンテストに応募したり、公開したりという予定は無かったのですが、趣味のためにここまでしていたことを思い出すと、自分は拘りが強い性格なのだろうなと思うことがあります。



「天秤」

この章では新井海璃(あらい かいり)という男性が登場しますが、ラストリゾートの描写のみですね。前章に続き、こちらも特徴的な場所などの描写はありませんので割愛させていただきます。


・秘話
公開する予定はありませんが、実は新井海璃のバックボーン(生い立ち)等は決まっており、敢えて描写していないものとなっています。
発売後、読者の方から「この章が一番好きです、印象に残りました」と言っていただけたことが数回ありました。想定外でしたが、たった1回の面談しか描写されていない海璃のことも覚えていてくださっているようで、とても嬉しかったです。ありがとうございます。



「その時、彼は勇者になった」

戸山翔(とやま かける)という、勇者に憧れている男性が登場します。
よく読者の皆様から「勇者の章が一番好きです!」と言っていただけます。
他の章とは少しテイストが異なっており、それは「旅」をするということが一つ大きな要素として表れています。

・九州
なんとこの章では作中のメイン舞台である湘南界隈を飛び越えて、九州へ向かう描写があります。
百道浜は、福岡県にあります。博多湾を展望出来る福岡タワー。マリゾンと呼ばれる海上に浮かぶシティリゾートには結婚式会場もあります。
海上に浮かぶ会場、、。都会の中で自然も感じられる素敵な所です。
糸島は夕陽を眺めるスポットとして有名です(僕が行った時は雨でしたが)。

唐津は佐賀県ですが、虹の松原と呼ばれる松林の通りが有名です。その通りに面した敷地で「からつバーガー」と呼ばれる名物バーガーが販売されています。バンズは厚みがしっかりとしていて、ハンバーグの他にチーズや卵、レタスなど具材が沢山! 美味しさ抜群です!

長崎県は、良い所が多すぎて語りきれないですね。山も海もあって、観光名所も沢山ありますし、食べ物が美味しくて人々も温かい。個人的に住みたい街ランキング上位です。
これだけでもう、翔がどれだけ充実した時間を過ごせたのか、お分かりいただけるのではないでしょうか。


・鎌倉
最後に翔が鎌倉に訪れて、天丼を食べるシーンがあります。
こちらは小町通りにある和食店「とみやま」さんをモチーフとさせていただいております。

周囲を見ると、楽しそうに談笑しながら食事を囲む人々。辛そうな、苦しそうな表情をする者は居ない。
人はこれを幸せな空間と呼ぶのだろう。
出典:「レゾンデートルの祈り」

落ち着きのある店内に、飲み込むのが勿体ないくらいの美味しい料理。
そう、それはまさに「幸せな空間」
天丼と鎌倉ビール、本当に「うまい」

ちなみに鎌倉ビールはいくつか種類があるのですが、僕は「月」が一番好きです。「とみやま」さんは、たしか「星」のみ提供していたと思います。


・秘話
ヒッチハイクは著者の実話が織り込まれています。



「ゆびきり」

はい、皆さんお待ちかね(と勝手に思いながら)の「ゆびきり」です。
この章に登場するのは東峰渚(とうみね なぎさ)という高校生の女の子ですね。
眞白に「なぎちゃん」と呼ばれることになりますが、皆さんはニックネームで呼ばれることはありますか?
僕はニックネームどころか、名前で呼ばれることがほとんどありません。
最近は自分の名前を忘れてしまいそうになっています。
さて、そんなお話は置いておいて、この章では沢山「お出掛け」をするので聖地巡礼にはピッタリですね。

・鎌倉
小町通り
と言えば食べ歩き。
眞白となぎちゃんがしていたように、食べ歩きを堪能するコツは、やはり「多種少量」です。
他の観光客の方々の迷惑とならないよう、注意して楽しみましょうね。

肉寿司は小町通りに入ってすぐ「鎌倉牛兵衛」さんをモチーフにさせていただいています。お値段は少々お高く感じるかと思いますが、湘南のブランド牛である「葉山牛」を立ち食い方式でお気軽に!


金鍔(きんつば)は小町通りにある「鎌倉いとこ」さんをモチーフにさせていただいてます。
とにかく種類が豊富で、選ぶのに困ってしまいます。
その場で食べるのも良し、持ち帰るのも良し。
2〜4月は春限定「桜きんつば」も販売されているようですね!

他にも美味しい食べ物がありますが、もしも素敵なお店を見付けた時は是非教えてください!


鶴岡八幡宮は境内が広く、ミュージアムもあります。

八幡宮前の通りは、春には桜が満開となって、ただ歩くだけでも心地良いです。

春の鎌倉(撮影:楪一志)

・江ノ島(弁天橋)
湘南界隈を舞台としているのに、江ノ島を訪れる描写はなんとこの章が初めてなんですよね。

弁天橋の傍から乗れるクルージングは、とても爽快です!
ですが波が荒い日は運航しておりません。また、波が多少ある日はスピードを抑えて走っているようです(個人的に5回ほど乗って感じた違い)。
また、近くから遊覧船「べんてん丸」が出ています。

クルージング向きの方
・友人や恋人などと少人数で楽しみたい方
・爽快なスピードを感じたい方
・同じ場所に戻ってきて、歩いて江ノ島本島に行きたい方

遊覧船向きの方
・江ノ島の裏側「岩屋」に船で短時間で行きたい方
・ゆったりと船に揺られたい方

!!注意!!
弁天橋を歩く時は、食べ歩きは極力やめた方が良いです。

「急に鳶が後ろから、バサッって飛んできて、ソフトクリームを盗られてしまって」
出典:「レゾンデートルの祈り」

これは僕の実話です。


・江ノ島(本島)
みどりの広場
は作中でも重要な場所となっています。
春に桜が咲くだけでなく、色々な花が咲くガーデンというイメージですね。

みどりの広場(撮影:楪一志)

奥には海を見渡すことが出来るデッキがあります。


・新江ノ島水族館
水族館で眞白となぎちゃんがイルカショーを見るシーンは、個人的にすごく好きなシーンです。
ドルフィントレーナーの方のとても明るく元気な声、そして可愛くも力強くもあるイルカの動きに誰もが感動するでしょう。
水族館オリジナルキャラクター「あわたん」も可愛いですよ。



・秘話
眞白が食べたソフトクリームは江ノ島本島に入って右の方にある「江ノ島カフェ」さんというお店のソフトクリームをモチーフにしています。



おわりに

長々と綴ってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
江ノ島を訪れたことがない方にも、これから訪れる予定の方にも、楽しんでいただける記事になっていれば嬉しいです。

次回は「レゾンデートルの誓い」の歩き方を綴る予定です。

ご覧いただき、ありがとうございました。

楪 一志

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