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顧問拒否時の会話 全記録

昨年度に行なった管理職(校長・副校長)との面談内容の会話を再現します。よければ参考にしてください。

*ただし、その後も飽くなき理論武装を追求し続けた今なら、もっと余裕で顧問拒否、ひいては超勤4項目以外の全ての業務に関して自分の意思を通すことができます。あくまで1年前の私の姿です。また、個人特定を避けるために、重要な内容だけがわかるように工夫して記載します。

自己申告の中間面談。今回は自由意見欄に以下のように記述。
「部活動顧問の依頼については、給特法、教職調整額の趣旨および文科省の通知に則って行ってもらいたい」

空き時間に設定された面談。50分間で私ともう一人が予定されていたが、結果として私一人で50分間使うことになる。

以下、全会話。

校長「まず、最初に異動についてなんだけど、《必要があれば異動を希望》ということになってるけど、先生、今年来たばかりなんでね……もう少しいてもらってもいいですかね?(苦笑ぎみに)」

私「基本的に前任校でもずっとそこに印をつけてきたので、今回も同じように書かせてもらっただけで、特に深い意味はないですよ。ただ、別に必要とされていなければ出してもらえばいいと思っているので、それだけですから」

校長「わかりました。それで、この部活に関することなんだけど、私としては始めにきちんと説明して納得してもらったと思っていたので」

私「到底納得なんかしてないですね。部活動は勤務時間外の、法的には労働として見なされもしない、自発的な行為として処理されるわけですよね。自発的になんかやってないですよ、今も実質的な職務命令を受けて部活で残業しているという認識ですから」

私「あの、4月の1日の朝に、この校長室から出て、今から職員室の皆さんに挨拶しなければならないというタイミングで、これでお願いできますかって提示されて、わずか2~3分足らずのやり取りで判断しろって、それは断れるわけがないですよね? そこで私がごねてやりませんって言ったら、私のスタートは最悪ですよ。異動初日から校長先生に公然と食ってかかって職員会議を遅らせている、なんだこいつってなりますよね。最悪、それもできたわけですけど、さすがにそこはこらえました。だから、そのあと私は校長先生に納得いかないって個人的に言いに行ったわけですよね?」

校長「私としてはあの朝の場ではあくまで案を示したもので、そのあと、先生から申し立てがあったから、きちんと説明して納得してもらったものだと思っていたので」

副校長「先生、あのですね、教員には時間外の分が給与に上乗せされているんでね……」

私「(副校長の言葉を遮って)だから、それが教職調整額ですよね?その言い方だと超勤4項目以外の残業命令が可能みたいに聞こえるんですけど? ここに文科省の資料を用意しましたが、教員には時間外勤務の命令ができないけれども、教材研究などで自発的に残って仕事をすることなんかもあるから、そういう自発的な超過勤務分に対しての上乗せですよ、教職調整額っていうのは。そう明記されてますよ。私が自発的に部活動に携わりたいといって残っているならともかく、そうでない以上、教職調整額を引き合いに出してくるのは立法趣旨に反してますよね? 給特法、教職調整額、文科省の通知、過去の訴訟、色々と調べたり、関係機関に問い合わせもして確認したりもしました。私は間違っていないと思うんですけど」
(副校長はこの後、最後まで一切口を開くことはなくなる)

校長「間違ってないですよ。いいんじゃないですか?勤務時間内で」

私「勤務時間内でいい?じゃあ言いますけど、16:00から休憩時間ですよね?で、部活が始まるのが16:00ですよ」

校長「……」

私「実質的に部活動の指導なんていうのは成り立たないわけですよ。そんなこと織り込み済みで校長先生も顧問をお願いしているわけですよね? 時間外に、自分がやりたくてやっている人なら別になんとも思わないんでしょうが、私は明確に《やりたくない》って言っているんです。その意思を確認した上で、時間外まで含めた指導という認識で顧問を分掌させたら、それはおかしいですよね? もし、来年度も部活顧問に名前を入れるなら、私はまず校長先生に、それは勤務時間外まで含むお願いなのかということを確認させてもらいます。それでそうだと言われて、私が断ってもなおお願いをしてくるなら、実質的な残業命令として受け止めて、しかるべき措置を要求しようと考えてます」

校長「だから、いいと思いますよ。勤務時間内でやれること、たとえば事務仕事とか、いろんな関わり方があるじゃないですか。それでいいと思いますよ。ただね、どうしても顧問が一人だとそのぶん負担が増えるので、二人体制でというのは考えているんです。先生の言うように、4%のあれっていうのは、時間外の仕事を命じるためのものじゃない。でも、教員の仕事っていうのはけっこうグレーな部分があって、そのグレーな部分をみんな、まあ、そこをなんとかっていうので理解して頑張ってもらっているのが正直なところなんです」

私「正しく理解している人なんてほとんどいないと思いますよ。ほとんどの人が自分の置かれている法的な立場とか、そういうことを知らないだけで、部活動は教員の仕事だから仕方がないって割り切ってやっているだけじゃないですか? 文科省が7月に、部活は教員の標準的な職務じゃないから管理規則を改めるようにって通知を出したことを知っている人なんてほとんどいないと思いますけど」

校長「それはまあ、わからないけど、先生は、要は経験がない部活動の顧問がいやということでしょ?」

私「はっきり言って苦痛以外の何物でもないですね。勤務時間外の時間っていうのは、私の私的な時間ですよね。私的な時間である以上、何にどう分配するかは私が決めることじゃないですか。二人体制って言ったって、私なんかその場にいたって何ができるわけでもなく、ただの物みたいな感じですよ。◯◯先生(主顧問)にサポートをお願いされたりすればそれをやるくらいで、たとえば私が生活指導をしたとして、シャツ入れろだのなんだの言ったところで生徒からしたら、なんだよあいつ指導もできねえくせに偉そうにとか、たまにしか来ねえくせにうぜえよなって思うものですよね。それが嫌だからやんないですけど、そんな指導」

校長「そういう指導はしていいと思いますよ」

私「授業とかクラスならできますけど、部活は教えられもしないのにできませんね」

校長「(未経験の)部活でもできる人はいますけどね」

私「残念ですけど、私にはできないですね。上から力で抑えることはやろうと思えばできますけど、実も伴わないのに力でやりこめるみたいな、そんな教員になりたくないので。申し訳ないですけど、私なんか、試合で生徒が頑張ってたって、早く終わって帰りたい、早く負けろ、そう思ってますよ。そんな人間が顧問したってお互いに不幸でしょ? 顧問と部員なんていう関係を与えられなければ、もっと素敵な関係が築けたかもしれないのにねって思うと、不幸ですよねお互いに」

校長「先生の気持ちはよくわかります。私もね、そうやって未経験の部活を持たされて、すごく苦労しました。生徒からもいろいろ言われたりしてね。でも、やっているうちにやるからには勝たせたいと思って色々工夫するようになって、決して無駄ではなかったですよ」

私「いるんじゃないですか、そうやって思える人も。私には申し訳ないですけど、それは無理ですね。本当は一生懸命頑張っている姿見たら応援してあげるべきなんでしょうけど、私にはそういう気持ちにもっていくことはできない。ただ応援に行くだけの関係ならできますけどね。顧問となると絶対に無理ですね、拘束されるので」

校長「先生の考え方はよくわかりました。去年までは、専門の先生がいたんですよ。」

私「知ってますよ」

校長「でも今年異動して、それでいてクラスも一つ減ったから教員も減ってしまったんですね。コロナの影響もあって昨年度末はバタついていて、人事配置には苦慮しました。先生には十分に説明する余裕がなかったというのは私も反省しています。それは申し訳なかった。そういう状況で、何人かの先生にはかぶってもらうような形になってしまって、先生もしわ寄せがいったその一人で、そこは申し訳ないと思ってます」

私「なんでそこまでして既存の部活動の体制を維持しようとするんですか?」

校長「それは一つは生徒(部員)が残っているからですね。残っている生徒がいるうちは面倒を見ないといけない。もちろん指導できる教員がいなくなったら新規募集を停止しないといけないけど、◯◯先生(主顧問)が主顧問として引き受けてくれると言ってくれたから、じゃあ続けようと。あとは、うちは部活が弱い。それで結局他の学校に生徒が流れていっている状況だから、なんとかして生徒を集めないとクラス数が維持できなくなる、すると教員が減らされる、そういう理由です」

私「そうですか。たとえそうであっても門外漢の教員を無理に当て込んで体制を維持することに意味があるとは思えないですけどね。私は部活については、先生はこんな経験をお持ちなんですね、こんな特技をお持ちなんですね、それを時間外になってしまいますけど、生徒のために還元してもらえませんか?ってお願いされて、それをいろんな家庭の事情なんかもあるから、本人が了承して引き受けられるなら引き受ける、そうやって成り立つものだと思っているので、おまえはこれをやれっていう形で与えられるのは無理なんで、プライドとして」

校長「先生の部活に対する考え方はよくわかった。とにかく先生としては、なんとしてでも来年は◯◯部の顧問から外してほしいということですね」

私「そうですね、というより自分の意思でやってもいいと思えない部活については全てお断りします。必ず最初にその部活を作った教員がいたはずなんです、でも今はもういない。けど、部活は残っているから誰かが引き受けないといけない。これって遊ぶだけ遊んで後片付けはよろしくっていうのと同じですよね? なんでそれを残った人間とかあとからきた人間が引き継がなきゃなんないですかっていう話ですよ。ここまで言って配慮されずに同じ状況が続くようなら、精神的に不調をきたして、今もきたしてますけど、最終的に心療内科に通うことを考えてますので」

校長「わかりました。今年はちょっとこんな形になりましたが、来年については無理に持たせようとは思ってないので、先生の意思を尊重できるように考えます」

私「考えるって何ですか? やるかやらないかだけの話なんで、何も考えることなんかないですよね」

校長「そのつもりでいますが、時間をくださいということです」

私「申し訳ないですけど、ここで言質がとれないなら、くつがえって顧問ということになった場合のことについても話しておく必要があると思うので、ひとついいですか?」

校長「何でしょうか?」

私「今の管理規則上、校長は部活動を分掌させることができるとあるので、法的な観点でいえば、おまえは◯◯部の顧問をやれと命令することも現実問題として可能だっていうことは私も知っています。だから、それで顧問を割り当てられて、それを不服として訴訟を起こしたところでたぶん私は負けますね。でも、勤務時間内でやれることをやればいい、いろんな関わり方があっていいと校長先生もおっしゃったように、勤務時間内しかやらないということは可能なわけです」

校長「そうですね」

私「顧問という名称が誤解を与えるんですよ。顧問イコール技術指導者あるいは技術指導ができるように努力する義務を負っている、先生の職務として当然のことでしょっていう感じで。顧問っていう言葉にそういうイメージがもう張り付いているわけじゃないですか。でも、私は興味もない競技のことができるようになりたいとも思わないし、活動の場には関与したくない。そんなことしたって次の学校でその経験が生かされるとは限らない、というか、ほぼ生かされない可能性のほうが高い、いわば無駄な努力なんです、私からしたら。キャリアとして引き継がれないわけです、部活動の経験なんて。その学校や地域の事情によって左右されるので。で、時間内にできることって実際には事務仕事くらいなもんですね。だから、それがきちんと生徒や保護者に伝わるように、顧問という名称を与えられたくないですね。事務補佐とか事務サポートとか、何でもいいですけど、きちんと線引きができるようにしてください。最低限、そこだけは約束してもらいたいと思ってます。」

校長「それならいいということですか?」

私「いいわけではないですよ、名前を入れられること自体が迷惑だと思っているので。ただ、最悪そうなったとしても、顧問という名称のままだと、勤務時間外までやって当たり前と思われるじゃないですか? 主であれ副であれ、生徒・保護者にとっては顧問は顧問なので。私も私の家族があって、私の生活があるので、そんなふうに思われたままでやりたくないですね」

校長「わかりました。そうやって呼び名を変えることが先生の負担軽減につながるなら、それもいいかもしれないですね」

私「じゃあ、その場合には校長先生からきちんと◯◯先生(主顧問)、生徒、保護者に説明をお願いします。勤務時間内に割り当てられる業務のことなので、私が個人として説明の責任を負って矢面に立つことではないと思うので」

校長「わかりました」

私「よろしくお願いします」

校長「他に話しておきたいことはありますか?」

私「最後にもう一回確認させてください。来年は基本的には部活動をもたない方向、仮にもったとして時間内しか携わらない立場として事務補佐といった名称にしてきちんと線引きを周知してもらう、ということでいいですか?」

校長「わかりました」

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