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いっせーのエッセイ「癖のお話」#2
毎日のように電車を使っていると、度々改札でけたたましい音と同時に足止めされる人を目にする。
残高が足りなかったりタッチが甘かったり、
最近はスマホや時計にその機能が付いていて、どうして反応しないのかと改札の前でどぎまぎしている人も多い。
自分も例にも漏れずそういう経験はある。
あの瞬間悪いことをしている訳でもない。
それなのによく分からない後ろめたさがあるような気がして、ちょっとだけ後ろの人の様子を伺ってしまう。
自分の癖は目の前の人がその状況になると、改札にこれでもかと財布を押し付けてしまうこと。
そこまでしなくても改札は開くし、出来の悪いものじゃないことは理解している。
それでも目の前の人を反面教師のようにして
グッと押し付けてしまう。
自分はこうはならないぞと意思が働くのか、
財布の厚みに不安を抱いてしまうのか分からないのだけれども。
改札を無事に通れた時にちょっとだけ安堵してしまう。
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