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Happierという名曲,全然Happierじゃない

 修士論文が大詰めを迎えていると,どうしても音楽を聴きながら作業するんですが,カフェ行くときはカフェの曲を聞いたりします。そんな中,最近インドネシアではやっているのが,Olivia Rodorigo さんの「Happier」。まだ19歳のアーティストですが,いい曲が多く,今後が期待です。
 ところで,この「Happier」という曲の内容,全然ハッピーじゃないです。むしろ,未練に満ち満ちています。その歌詞を要約すると,

”あなたはその新しい子と幸せになって欲しいけど,私の時より’Happier’にはならないで欲しい”

という感じです。これ初めて聞いたとき,「あ,そこでタイトル使うんだ(笑)」と思いましたね。
 これを聞いて,あることに気づきました。それは,「洋楽のHappier全然ハッピーにならないじゃねえか」ということ。まあ,あえて逆の表現を使うことで強調しているんでしょうね。
 他の代表的なHappierは,まずMarshmelloとBastilleの「Happier」。

”最近,君にHappierになって欲しいと思ってばっかなんだ”

という入りから始まります。「おーおー,だから頑張って幸せになろうということかな?」と思いきや,

”だから,僕は君と別れなければならないと知ったんだ”

いやなんでだよ。これは,一見相手を思って,吹っ切れたように見えますが,後半に何回も”離れなきゃ”を繰り返すので,後ろ髪をひかれ続けている感じ満載ですね。
 そして極めつけの曲は,Ed Sheeranの「Happier」。これは,始まりから鬱です。ストーリー仕立てで始まり,

”たまたま道歩いてたら君が他の男といるのを見かけたよ,まだあれから1ヶ月しか経ってないのにね。明らかに僕といるときよりHappierだったよ。”

という感じです。その後,酒につぶれてやさぐれていき,サビのパートで

”でも僕は,君といた時がHappierだったんだ”

とつぶやく始末。最初タイトルとメロディーで歌詞を全然聞かないで好きになった曲だったんですが,後々,「ん?これもしや鬱ソングでは?」と気づき,予想だにしない事実からさらに好きになった曲ですね。
 とまあ,今インドネシアでトレンディーな「Happier」から,色々なHappierを紹介しましたが,全部本人は幸せになってないということが言えましたね。そして,さらにこれを繋げて聞くと一つのストーリーとなる「Happierコンボ」が楽しめます。
 まず,MarshmelloとBastilleのHappierで,別れの決断とそのつらさを味わった後,Olivia RodorigoのHappierで後悔と未練を味わい,Ed SheeranのHappierで相手のその後を知り,飲んだくれの道へと…。このHappier3コンボは,フルコンボすることで,Unhappierを感じること待ったなし。もし,興味がある方いましたら,この「アンハッピー・セット!」で,大人どころか子供も幸せな気持ちにならないであろうストーリーをお楽しみください。
P.S
 この三つの曲はつらい失恋を題材にしていて,決して明るい曲ではないですが,メロディーだけではなく一つ一つの歌詞が心の琴線に触れるすばらしい名曲です。この中から一つでもお気に入りの曲が見つかると嬉しいなと思います。ではでは~




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