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つながる琳派スピリット 神坂雪佳

2022年10月29日~12月18日、パナソニック汐留美術館で開催。琳派の影響を受け、明治から昭和初期に芸術アート意匠デザインの両分野で活躍した、神坂雪佳の展覧会でした。

まずは、琳派のおさらいコーナーから。私の大好きな鈴木其一の「藤花図」を始め、細見美術館の所蔵品が数点出品されていたのは、うれしかったです。

神坂雪佳の図案集では、晩年の出版物『うた絵』が見事でした。芦手絵あしでえと呼ばれる、和歌を書き散らした絵画25枚の作品集です。展覧会ではガラスケースの中で開かれている1ページしか見られません。25枚全部見てみたいと思いました。

神坂雪佳の図案による陶器も、おもしろいものでした。
「菊花透し彫鉢」は、鉢を取り囲むように茎と葉が鉄色で描かれ、重たげな白い菊の花は、花弁ごとに大振りな透かし彫りになっています。
「四季草花絵替扇面向付」は10客の向付、器そのものが扇面の形で、梅・牡丹・鶏頭・百合・桔梗・菊といった四季の草花は、器の側面に描かれています。素朴に見せながら、実に美しい器でした。

絵画作品では、琳派の定番「四季草花屏風」「杜若図屏風」を雪佳も描いていて、琳派の継承者としての自覚が感じられました。

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