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芸術×力 ボストン美術館展

◾️要は名品展

2022年7月23日〜10月2日、東京都美術館にて。コロナによる2年の延期を経ての開催です。

美術館の名前を押し出してくるからには、ボストン美術館名品展になるのだろうと予想していましたが、その通りでした。通常の美術展同様、セクションに区切られているのですが、全体の展示のストーリーが分からない。どのセクションでも、日本の仏像・屏風・写経・青銅鏡・水墨画、朝鮮・中国絵画、ヨーロッパの肖像画・工芸品、そして唐突にムガル絵画、というふうに散漫に展示され、正直どれも印象に残りませんでした。

◾️要は里帰り展

まあ、要は日本の美術品の里帰り展だと思えばいいのです。

日本にあれば国宝指定間違いなしと言われる「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」(鎌倉時代、13世紀後半)は、確かに見事でした。絵の精彩さや描線の生き生きとした躍動感が、今までに見た絵巻物とは別格な気がして、日本の美術品なのにどこかそうではないような、例えて言えば、伝統的な日本画のように見えてそうではない、山口晃さんの作品を見ているような、斬新な印象でした。

もう一点、里帰り品の「寛政内裏遷幸図屏風」(江戸時代、1790〜1795年)も、実に色鮮やかで豪奢な行列図で、見ることができてよかったと思いました。

数年ぶりの東京都美術館でしたが、ビミョーな気分を抱きつつ、滞在35分で会場を後にしたのでした。ごめんなさい…。

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