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No,178.お金のためだけに働く意味について

はじめに

多くの企業は、社員のモチベーション(動機づけ)について頭を悩ましている。

社員のモチベーションについては、多くの研究があるみたいです。多くあるということは、多くの人の悩みであり疑問でもあるってことなので、一般的な(普遍的な)ことなんだろうね。

社員に限らず、経営者であれ、スポーツ選手であれ、何をモチベーションに頑張るのかは個人的なこと、そこで少し先行レビューをもとにつらつらと書いてみます(^^)。

心理学では「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」といった要因をもとに検証されている。

外発的動機づけは「年収を100万円アップさせたい」「周りに凄いと思われたい」など、そこに到達することが目標となるため、目標を達成するとゴールがなくなりモチベーションの維持が難しくなってしまうのです。

内発的動機づけは「活動それ自体を楽しむ」「活動そのものが目的である」ことが多いのに対し、外発的動機づけは「目的のために行動する」ことが多くなります。

内発的動機づけと外発的動機づけで最も大きく違うところは、「ゴールが存在するかどうか」という点です。(出典:エンゲージ(engage)採用ガイド「内発的動機づけとは?社員の「やる気」を引き出すヒントを解説!」)

どんなひとでも外発的か内発的のどちらかの傾向があるだろうね。

外発的動機づけと内発的動機づけについて

外発的・内発的動機づけについて、Mrrary(1694)はこう述べている。

「外発的動機づけとは、活動と報酬の間に固有の結び付きがなく、活動が報酬を得るために遂行される場合を指すことに対し、内発的動機づけとは、活動それ自身のために従事されるもの」

つまり、外発的動機づけは自分の好奇心や成長と報酬(お金やもの)には関連性はなく、お金のために働いている。

対して、内発的動機づけは自分の好奇心や成長のために働いている結果、報酬を得ているので、好奇心や成長と報酬の間には関連性が高い。

まとめると

➤外発的動機づけ

◉ 目的が外的(お金やもの)であり、一時的な欲求

◉ 行為(仕事)とその目的(お金)が内容的に不調和な関連をしている

◉ 成功することは地位や名誉を得ること

➤内発的動機づけ

◉ 好奇心から、より理解を深めるといった欲求

◉ 手段(好奇心からより理解を深めるといった欲求)と目的(お金やもの)が一致しない

◉ 活動がそれ自身のために従事されるもの

◉ いろんなことを学んで自分を深めたい

そこで、職務を遂行する上で外発的・内発的動機づけの心理的傾向について違いを探ってみます。

外発的・内発的動機づけの解釈方法(原因帰属)

速水・加藤(1993)は中学生を対象に「理科のテストを失敗した場合」について検証している。

外発的動機づけ傾向の生徒は、「先生の教え方が悪い」「親の教え方が悪い」「運が悪い」といったことを原因だと思っている。

またテストに失敗し、次につなげる対処方法では、「先生や親のせいにする」「落ち込む」「気晴らしをする」「周囲にあたる」

そもそも、対処方法が対策になってないことがわかる。

対して内発的動機づけ傾向の生徒は、原因を先生や親などのせいなどとは思わない。失敗した対処方法についても「次の目標を立てる」「できなかったところを先生や本で調べる」「失敗の原因を考え、改める」

以上、中学生を対象とした研究である。以降、仕事におきかえて考察してみる。

考察

外発的動機づけ傾向のひとが、失敗したり職務を達成できなかった場合、その原因を上司の指示が悪いと思い周りにあたり散らしたりする。

つねに周りのせいなので失敗の原因を言われても素直に聞かないうえに、自ら改めようと探ることもないので成長もない、といったところだろう。

対して内発的動機づけ傾向のひとは、動機づけが本人の成長なので、失敗を考えて失敗の原因を言われても素直に耳を傾けると思われる。

最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)

参考文献

速水敏彦(1995)「外発と内発の間に位置する達成動機づけ」『心理学評論』 第38巻、第2号、pp171-193.

速水敏彦・加藤昌弘 (1993)「 外発的動機づけと内発的動機づけの間、リンク信条の検討」『名古屋大学教育学部紀要』 第40巻、pp77-88.



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