サーモグラフィー
触れるものだけが命だって
やさしさは心の中にしかないって
どうしてそう思うの
世界は今日も眩しいよ
熱すぎても、冷たすぎても痛いよ
全部拭き取れば涙は流れないよ
言葉にしてしまったら嘘で
体温だけがほんとうだった
とうに青く澄んで透明の君
体温だけは、ほんとうだったんだ
季節外れに冷えた身体を布で包む
僕にできることはそれくらい
ただ弱さを知る日々
生活の温度は僕だけのもの
全部「たすけてよ」の言い換えでしかない
「一年前から何も変わっていない」
がむしゃらとか何でもいいとか、全部怖い
自分が壊れるのが怖い 変わるのが怖い
守るだけで愛せない
泣かなくてもいいようになりたいと願うのは間違いなのだろう
そう考えるだけで泣いてしまうから
僕の視界はサーモグラフィー
いま、身体が温かいことだけがわかる
それだけを頼りに生きていく
まだ、息があるから
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