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ISOは継続的に改善するもの

ISOのマネジメントシステム規格では、継続的改善というものが最重要項目として掲げられています。この継続的改善とは具体的にどのようなものなのでしょうか? また、マネジメントシステムによる継続的改善とはどのように行うものなのでしょうか?

今回は、ISOのマネジメントシステム規格と継続的改善について解説していきたいと思います。

継続的改善とは

継続的改善とは、言葉どおり継続的にマネジメントシステムが対象とする何かしらを改善していくことです。例えばISO9001は品質マネジメントシステム規格ですが、ISO9001における継続的改善とは品質の継続的改善のことです。ISO27001であれば情報セキュリティマネジメントシステムですから、情報セキュリティの継続的改善ということになります。

ISO規格のマネジメントシステムでは、どの規格であっても「継続的改善」という項目が要求事項内で求められており、これはPDCAサイクルによって実現されるというのがISO規格の基本的な考え方です。

マネジメントシステムによる継続的改善とは

ISOのマネジメントシステム規格に目を通したことがない方は、マネジメントシステムによる品質なり、情報セキュリティなりの継続的改善というフレーズにピンとこないかもしれません。

マネジメントシステムとは、いわば「組織がなにかの目的を実現するための、組織管理の仕組み」のことです。個人の話しに置き換えるなら、ダイエットがわかりやすいかもしれません。

私達がダイエットをしようとしたとき、ガムシャラに思いついたダイエット方法を実行していくよりも、しっかりと目標と計画を立ててダイエット計画を実行していくほうが、健康的かつ効果的であることは想像できると思います。例えば一ヶ月で5キロの減量を目標とした場合、日々の活動や体重の変動を記録し、効率の良い方法だけを採用するようにすれば、確実な成果を得ることができるはずです。

ISO規格のマネジメントシステムは、このような記録、検証し、計画を再度練り直すという一連の流れを組織的に行うためのルールです。品質マネジメントシステムの場合は品質目標を掲げ、その目標を達成するための計画を策定し、その計画を実行し、そして実行結果を検証し、次の目標設定や計画の改善にそのデータを活用する…そんな流れを構築するためのガイドラインがISO9001なのです。

全ての要求事項は継続的改善のために

ISOのマネジメントシステムを細かく読み解いていくと、マネジメントシステム認証を取得するために満たさなければならない要求事項は、全てこの継続的改善に帰結することがわかります。

例えばISO9001では、検査機のメンテナンスを行うことが要求事項に組み込まれています。――これは一見すれば、ISO9001が最終目標として掲げる顧客満足や品質改善には直結していないように見えますが、PDCAサイクルの中では非常に重要なことなのです。なぜなら、検査結果が信用できないものであったとすれば、PDCAのC(Check)がうまく機能しなくなってしまうからです。先程のダイエットの例で例えるなら、体重計が壊れてしまっていて、正しく体重を測定できないよう状態です。せっかく立てたダイエット計画を実行したにも関わらず、体重計がうまく機能しなければ、その計画がうまくいったのか、はたまた愚策だったのかということを検証することができなくなってしまいます。

ISOのマネジメントシステム規格では、非常に多くの要求事項がありますが、これらは全て継続的改善につながるものなのです。

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まとめ

繰り返しになりますが、ISOのマネジメントシステム規格は、「継続的改善」を達成し、マネジメントシステムの意図した成果を得るためのガイドラインのようなものです。ISO規格のマネジメントシステムを構築する際には、要求事項をこのような視点で読み解いてみると、真に価値のある有効なマネジメントシステムの構築をすることができるでしょう。

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