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SDGs活動にも繋がる!子ども世代の本格的な環境保護プログラムキッズISO14001とは


みなさんこんにちは!わらがい紗羅@ISOプロです!

2030年までに達成するために掲げられた持続可能でよりよい世界を目指す国際目標、「SDGs」が徐々に世間に浸透してきたことで、企業はもちろん個人でもできる範囲内で環境保護をする人が増えました。

最近だと、フランスのタイヤメーカーである日本ミシュランタイヤ株式会社は、「ミシュランガイド東京2021」から〝ミシュラングリーンスター〟の選考基準を新設しました。
ミシュラングリーンスターは、フードロスの削減、森林活性化に寄与、環境に配慮する生産者の支援、絶滅危惧種の保護など、都心にありながらサステナブルな取り組みを積極的に行っている飲食店・レストランに与えられるものです。

私たちが生活するうえで必要な「衣・食・住」すべての分野において世界的にサステナブルな取り組みが行われています。

さらに環境保護の考え方は、子ども世代にまで及んでいることが分かりました。
学生が環境問題について考えられるように作られたプログラム、キッズISO14001という子供向け環境教育プログラムがあるそうです。
これは国際芸術技術機構(ArTech)が開発し、文部科学省、環境省、外務省等の後援を受け、日本国内および世界各国で実施されています。

わたしが学生だった頃も、地域の人たちと一緒にゴミ拾いや廃品回収をしたり、夏休みの課題で地元の川の水質を研究したり、家庭で出るゴミや電気の使用量を記録して、どうしたら現状からよりよい方向へ改善できるのか。ということを考える機会がありました。今はキッズISO14001という形でプログラム化されたんですね。

今回は、キッズISO14001プログラムについてお話していきたいと思います。

キッズISO14001プログラムとは

「子どもたちが主体的に21世紀を作っていけるように」という目的で、国際芸術技術協力機構(ArTech)が2000年に開発し、国際連合(UNU)、国連環境計画(UNEP)、ユネスコ(UNESCO)や国際標準化機構(ISO)などの国際機関と協力し、国内および国際的に展開している環境をテーマとしたマネジメント教育プログラムです。

環境マネジメントの国際規格であるISO14001の骨格をベースにプログラムが構築されており、成長段階にある子どもが本来持っている環境に対する潜在的な感性を引き出し、子どもたちに自分の周りにある様々な問題に対して改善・解決能力を育成することを目的としています。

国際標準化機構(ISO)が唯一「ISO」という文言・ロゴの使用を許可した成長段階の子どものための教育プログラムです。

キッズISO14001プログラムの詳細

プログラムは「初級編」「中級編」「上級編」で構成されており、体験版として「入門編」が用意されています。また、学校を対象とした「FOR SCHOOL」というプログラムで構成されているそうです。では、それぞれのプログラムについて簡単に見ていきましょう。

【入門編】
入門編とは、世の中の問題に気づき、問題解決のための方法論を体験するために2週間家庭内の環境マネジメントを経験するプログラムです。(推奨年齢10歳~)

実施すると…
・家庭内のエコについて意識が芽生える。
・改善策を考え、実行し、振り返って考え、次の方針を考えることができるようになる。(PDCAサイクルの経験)
・自分の考えや行動に対して確信を持つことができる。(成功体験を得る)
・実施した86%の家庭で「コミュニケーションが良くなった」という報告もある。

【初級編】
初級編とは、問題解決のための方法論を自分のものにするためのプログラムで、家庭内の環境マネジメントを1か月実施します。(推奨年齢11歳~)
実施後には、PDCAサイクルに沿ってデータをもとに良かった点、できなかった点を考え、次はどうしたらいいか筋道を立てて論理的に考えることができる(マネジメント能力がある)とインストラクターや国際委員会に判断されると「Kids’ ISO 14000プログラム初級編」の国際認定証を受け取る事ができます。

実施すると…
・プログラムの基本となるPDCAサイクルを3回まわすという実績を持つことによって、問題解決のための方法論を自分のものにする事ができる。
・返却される評価表により、自分の考え方や行動の「強み」と「弱み」がはっきりわかる。
・世界中で通用するステータスの高い国際認定証を受け取るという感動から他の様々な事に対してのチャレンジ精神が生まれる。

【中級編】
中級編とはリーダーシップをもち、周りを巻き込む力を身に着けるためのプログラムで地域の問題改善をグループで実践する約1年半(平均)のプログラムです。(推奨13歳~)
実施後の最終レポートの内容が中級認定委員会に認められると「Kids’ ISO 14000プログラム中級編」の国際認定証をグループの1人1人が受け取る事ができます。
中級編は家庭から出て地域での活動となりますので、実施をする上で社会的なルールなどを実際に体験する事となります。また、テーマについては「環境」を広い意味でとらえ「自分以外の全て」と考える事により自然環境、社会環境、人間環境、その他たくさんのテーマの中から考える事ができます。

実施すると…
・リーダーシップを持ち、周りを巻き込む力を身に着けることができる。
・社会のルールなどを実体験することができる。
・自分の考えや行動が地域のため(他者のため)になるという喜びを感じることができる。
・自分自身に対する確信や自信を持つことができます。


【上級編】
上級編とは、グローバルネットワークに参加し、真の国際人になるためのプログラムで世界の問題改善をグループで他の国のグループとタイアップしながら実践する約1年間のプロジェクトです。(推奨年齢13歳~)
実施後の最終レポートの内容が上級認定委員会に認められると「Kids’ ISO 14000プログラム上級編」の国際認定証をグループの1人1人が受け取る事ができます。
国際的な活動となりますので、グループの中に最低1人は英語でのコミュニケーションができる事が必要とされます。レポートは英語での作成となります。

実践すると…
・世の中にある問題を自分でも解決できるという意識を持つことができる。
・世界のマネジメント能力のある仲間とのネットワークを作ることができる。
・プログラムを実施するうえで得た経験やスキルは企業でも必ず要求されるスキル。
・国際人としての意識が生まれる。

【FOR SCHOOL】
学校で児童・生徒が中心となり先生がアドバイザーとなって、PDCAサイクルを用いて節水、ごみ減量、節電といった学校でのエコ活動を行います。活動を報告書にまとめ、提出した内容が第三者評価により国際認定の水準を満たしていれば学校(実施グループ)に対して「Kids’ ISO 14000プログラムFOR SCHOOL」の国際認定を受けることができます。平成19年からスタートし、現在16校(20グループ)が認定されているそうです。


中級編から一気に難易度が上がりますね。学生のころからこんなに本格的に環境マネジメントについて考えると思うと、驚きます。

コロナ渦で家族が家にいる時間が多くなった方もいると思うので、電気の使用量やごみの排出量が増えたと思います。これらのデータを記録して、どうしたらよい方向に改善できるかを考えるために、まずは「入門編」を活用して親子で実施してみるのもいいかもしれませんね。

キッズISO14000プログラムの3つのメリット


【マネジメントスキルが身につく】
21世紀は、「自然環境」、「社会環境」、「人間環境」といった様々な環境の変化の時代と言われています。環境の変化の時代を担っていく次世代の子どもたちにどのような教育やスキルが必要か、重要な問題となってきました。

今までのように時代の変化が穏やかな時は、既にある過去の経験や知識を集めて効率よく学んでいけば、たとえ時代の変化があったとしても、その変化に即応して生きていく事ができます。

しかし、今までになかった現象が次々とおこってきている現代においては、過去の経験や知識だけでは、不十分になってしまいました。

そこで、Kids’ ISO 14000プログラムは「先が見えない時代の教育・スキル」を提案します。

【グローバルネットワークに参加】
初級編の認定を受け、問題解決能力があると判断された段階から国際的なネットワークに参加をする事が可能となります。特に上級編を実施する時にはカウンターパートをネットワークを通して見つける事もできます。

また、本プロジェクトでは、初級編の認定を受けた段階からエコキッズ国際会議に参加する事ができます。


【国際的に評価・認定される】
自分の身の回りの環境について解決策を提案し、論理的に問題を改善する能力を持っているという事を個人として国際的に認定されます。ですからこの認定証は世界のどこでも通用するものです。認定が個人の資格となり、進学や就職、プロジェクト運営と、認定された子ども達の将来に繋がります。

最後に

今回は、キッズISO14001についてお話していきましたが、いかがだったでしょうか。

初めてこのプログラムを知ったときの印象は、家庭や学校で実践できる簡単なものだと思っていましたが、レベルが上がっていくにつれ、実施内容は濃く、国際的な繋がりをもって環境について学んでいくことが分かりました。

大人になってこういったマネジメントを行う機会はほとんどないと思うので、学生のうちから環境マネジメントに対するスキルを身に着けるためのキッズISO14001プログラムの取り組みはすごくいいなと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございます。今後ともISOプロ、わらがい紗羅@ISOプロをよろしくお願いいたします!


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