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リモートワークだからこそプロジェクトの品質管理をチェックしよう

新型コロナウイルスの影響で急速に普及したリモートワーク。リモートワークには様々なメリットもありますが、一方でデメリットもあります。今回は、品質という分野においてリモートワークではどのようなデメリットが発生し、どのように対処することが望ましいのかということについてISO9001の品質マネジメントシステムを軸にして考えていきましょう。

リモートワークで発生する品質に関するリスクとは

リモートワーク状況下では、オフィスに出勤をさせて仕事をする状況と比べて、プロジェクトの管理方法が異なるかもしれません。Face to Faceで仕事をすることができるケースでは、適宜確認を行うことができたり、属人化しすぎた状況であってもある程度の品質を保つことはできたりするでしょう。しかし、リモートワークに慣れていない私達は、リモートワークはコミュニケーションが取りにくいと感じてしまうことも多く、生産性が下がってしまうケースも考えられます。

このコミュニケーションに関するデメリットがリモートワーク最大のデメリットであると言えます。

・進捗確認不足による納期の遅れ
・メンバーの負荷状況やタスク状況を把握できなくなる
・細かな確認不足による品質の低下

このようなデメリットは全て、コミュニケーション不足によるものです。また、

・極端に属人化された(誰かの能力に依存した)業務の進め方
・役割が不明確なことによる確認事項のたらい回し

これらもリモートワークで顕著になる問題点であるといえるでしょう。

リモートワーク状況下における理想的なプロジェクト管理とは

こういったコミュニケーション課題を解決するためには、以下のようなことが必要になります。

・仕事の流れを整理し、プロセス単位で管理を細分化する
・特定の個人の能力に依存しないように、プロセスを明確にする
・プロジェクトローンチ時の計画を緻密にする
・細かな進捗確認とコミュニケーション
・プロジェクト進捗の見える化

コミュニケーション不足による品質の低下の最大の原因は、コミュニケーション不足によるものではありますが、「コミュニケーションを頻繁にすれば解決できる」という短絡的な思考に陥ってはいけません。確かにコミュニケーションを取りやすいように整備することは重要なことではありますが、意味のないコミュニケーションを増加させても状況を悪化させるだけになってしまいます。

「コミュニケーション不足」でも高い品質パフォーマンスを発揮することができることもありますし、逆にコミュニケーションが十分に取れていたとしても、品質が低下することは起こり得るのです。重要なのは、コミュニケーション不足の先にある問題を明確にすることです。

例えば、コミュニケーション不足によってゴールが明確になっておらず、そもそも計画を立てることができないことが問題なのであれば、計画をできるだけ詳細に立てて、文書として共有することで問題を解決することができるかもしれません。あまりに個人の能力に依存しているようなケースでは、その個人のノウハウをメンバー全員に共有することで品質の底上げにつながるかもしれません。

このように、品質が低下する要因(リスク)を明確にし、そのリスクを回避するためにはどのようなアクションにつなげれば良いのかということを決定する必要があるのです。

品質改善のPDCAサイクルを回そう

とはいえ、品質が低下するリスクを明確にできない場合や、複雑化しすぎた作業プロセスを管理できないケースも当然あるでしょう。このため、リスクを洗い出し、そのリスクを回避する計画を策定し、その計画を実行し、実行結果をレビューし、改善するというPDCAサイクルを回すことが重要になってきます。

このPDCAサイクルをうまく回すためには、以下のことが重要です。

・品質リスクのレベルを評価する(リスクアセスメントを行う)
・計画の実行によって達成すべき目標は、計測可能なものとする
・レビューは主観ではなく客観的な根拠をもとに行う
・現場からの意見を取り入れるために一連の流れをメンバーに伝達する

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まとめ

今回は、リモートワーク状況下において、品質の低下を防ぐために、あるいは品質を向上させるためにどのような取り組みを管理層が行うのが良いかということについてISO9001を軸にして考えてみました。

ISO9001ではこの他にも様々な分野に応用の効く考え方がたくさん盛り込まれていますので、認証取得を考えていなくてもプロジェクトの管理について悩んでいる場合は一度チェックしてみても良いかもしれません。

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