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ダイエット幻想ーやせること、愛されること

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「なぜふつうに食べられないのか」に続いて出された「ダイエット幻想ー愛されること、やせること」のブレインストーミングとして書き溜められた記事です。ヘッダーの写真は、挿画を担当くださ… もっと読む
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#摂食障害

「ダイエット幻想」書評/インタビュー 一覧

2020年2月7日 torus  (聞き手:水野梓)転載:Forbes 2020年1月5日 読売新聞 (評:宮部みゆき) 2020年1月5日 信濃毎日新聞 (評:内田麻里香) 2019年12月1日 毎日新聞 (評:平松洋子) 2019年11月23日 webちくま (評:山本ぽてと)

好かれるためには《要努力》?ー「当事者が語る、摂食障害の作り方」

食べること。そして、からだ。 食べることは、世界の一部を自分の内に取り入れること。 一方、からだは、自分と外の世界をつなぐ《扉》です。 私たちは、世界との繋がりなしには生きていけません。 したがって「世界との繋がり方がなんだかおかしい」と感じた時、私たちは食べ方と身体を変えることで、しばしばそれを修正しようとします。 特に、思春期の女子が食べ方を変え、身体を細くすることの効果は絶大です。 たとえばシューレ初の試み『当事者が作る、摂食障害の作り方』に登壇してくださった

「からだのシューレ」サムネイルとバナーが完成しました!

「やせたい」ってなんだろう?―「からだのシューレ」新メンバーを迎え再始動します

2016年3月より、11回にわたって行われた「からだのシューレ」では、主に文化人類学の観点から、からだと食べ物について参加者の皆さんと一緒に考えてきました。 企画者の磯野(@mahoisono)と、林利香さん(@eat119)がともに摂食障害の研究と啓発活動にそれぞれ関わっていたため、参加してくださった方150名の内、半数弱の方が摂食障害の経験者でいらっしゃいました。(過去のイベントはこちらから確認できます) 「からだのシューレ」は、東京開催が10回目を迎えた2018年3

大丈夫、みんなそんなにキラキラしていない

イギリスのバースで開かれた、外見に関する学術会議"Appearance Matters 8"。 ここで注目されていたトピックの1つが、インスタに代表されるSNSのボディイメージに及ぼす悪影響でした。 この場合のボディイメージとは、自分自身が自分の身体をどうとらえているかということを指します。 これまでの研究ではっきりしているのは、スタイルのよさを強調するようなキラキラした写真をSNSで見ると、ボディイメージが悪化してしまう。 つまり、自分の身体に対する肯定観が下がると

「からの自由」と「ための自由」―ほんとうに自由に生きるために

外見に関する学術会議"Appearance Matters 8"の登壇者の1人である、Laura Hart(LaTrobe University, Australia)が自由についての面白い議論をしていました。 これは外見の話のみならず、私たちのいろいろな生活に使えそうなので、少し広げてみようと思います。 Lauraによると、自由には2つの種類があります。 それは、"Freedom from"と"Freedom to"。 直訳すると「〜からの自由」、「〜のための自由」に

子どもが極端なダイエットを始めたら、親はどうするべきなのか?ー研究の最先端の現場から

イギリス・バースにて、外見に関する学術会議 (Appearance Matters 8) が6/12より開かれています。 心理学者が主体の学会ですが、公衆衛生から、哲学の専門家、さらにはアーティストから、DOVEといった企業まで幅広い人たちが参加しています。 DOVEは、自分の身体を否定しがちな女性や、多様な人種の人たちが、自分の身体を好きになるための運動をずっと続けている企業です 学会の先陣を切ったスピーカーは、1996年よりアメリカのミネソタ州にて、EATというプロ

ひとは見た目のために進んで健康を犠牲にする

突然ですが纏足を知っていますか? 纏足とは10世紀ころに中国の漢族を中心にはじまった風習です。大人になってからも子どもの様な足でいるために、3・4歳から足を布で縛って成長を止めてしまいます。 具体的には、親指を除く、足の指を足の裏側に向けて折り曲げて布で縛ります。 とはいえ、止めるといっても足はどんどん成長します。ですから月日が経つにつれきつく縛らないといけません。足の甲のいくつかの関節を脱臼させてまで、小ささを保とうとします。 こんな風にしたら足に激痛は走りますし、

自分を変えるための2つの方法ーいまやせたいあなたへ

自分を変える方法はたぶん2つに分けられます。 ひとつ目は、自分自身の欠点を修正する。 ふたつ目は、世界の見方を変えてしまう。 私は文化人類学という学問を専門とする大学の教員です。 そんな私がなぜ自己啓発チックなことを言っているのかというと、文化人類学の講義をする度に、「生きるのがすごく楽になりました」、「自分を受け入れることができました」といった感想が寄せらるから。 私の意図しないところで、学生が勝手に変わっていくという現象を毎年毎年目撃するからです。 文化人類学は