ロココのココロ

 “曖昧な領域に線を入れると入れたなりにそれらしいものが浮かび上がる。例えばロココです。”

 あらゆる時代あらゆる地域の美術品に通じ、レプリカから何風というには新解釈が必要なオリジナル作品まで3Dプリンター用のデータを効率よく出力するAIであるが、なにかと譬えにロココを引き、何故か回囙囙と名乗る。開発当初は商業デザインの部署に帰属していたという経歴がなんだかそれっぽいけれど、本当のところは分からない。

 “回囙囙はロココデータの夢を見るか?” などと昨日はコピーとも自問とも寝言ともつかないことをつぶやいていた。

僕はここ毎日好奇心を満たすための的確な質問を考え続けて、今朝は回囙囙の夢を見た。

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