エとセとラ

十二支の起源である。
その先着順が告げられていた元旦、最初に神前に立ったのはエクアドルウーリーオポッサムとセネガルカミンマウスとラブラドルクビワレミングだった。たまたま近くで年越しをしており、勢いでやってきたのだ。
神様は頭を抱えた。十二支、定着せんだろ、面倒臭いのが3匹も冒頭におったら。

そこに牛がやってきた。牛の背中からぴょーんと飛び降りツーと神様の直前まで進んだ鼠が、私端からここにいましたという顔をした。
勿論鼠の詐術が通じる相手ではない。だが神様は天啓を得た。
「鼠、お前が一番乗りだな。その後ろのエクアドルウーリーオポッサムとセネガルカミンマウスとラブラドルクビワレミングは鼠のようなものだ。よって最初の動物は鼠とする。2番目は牛。よいな。」

エクアドルウーリーオポッサムとセネガルカミンマウスとラブラドルクビワレミングからはブーイングの嵐。
「では1番目は鼠等としよう。」
神様は譲歩した。
「等とはどういうことですか?」
3匹は首をかしげた。
エクアドルウーリーオポッサムとセネガルカミンマウスとラブラドルクビワレミングと繰り返すのが面倒な神様は言った。
「等とはエとセとラだ。」

etc.の起源である。

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