ありきたり

長いこと会っていない友人が夢枕に立った。死んだのを幸いに久しぶりに顔を見に来たと言う。道を歩いているときに、頭にドリアンの実の直撃を受けたのだそうだ。

面白い死に方をしたねと感心すると、「頭上注意」の看板も立っているのだけれど、気をつけていても当たる時は当たる、銀杏が今の1000倍の大きさだったらと想像してもらえば危険のほどが伝わるだろうか、伝統的な死因なんだ、車の天井だってベコベコなんだという。

朝、蒲団の中で、そういえばインドネシアの人と結婚して向こうで暮らしていると聞いてはいたが、ドリアンて、とおかしく思い出していると、起こしにきた家人が部屋に入るなり、何これ、何の臭い?と鼻をつまみ、窓を全部開け放った。

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