その瞬間

 瞬きに生息するマタタクマの生態はほとんど知られていない。発見者である動物学者は人工的に連続して瞬きを発生させる装置を使用してマタタクマを観察をしたが、追随する者は出なかった。その後、動物学者は装置を使わずに瞬き続けることができるようになり、唯一の観察記録を残したけれど、今のところはフィクションとして扱われている。
 それはそうと、その後の動物学者は誰彼構わず恋に落ちるようになった。サブリミナル効果だとまことしやかに伝えられている。

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