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#POPシール沼 の世界 〜POPシールを大量に収集しています〜

沼の紹介

2021年ごろから趣味でPOPシールを集めている。
と言ってもPOPシールのついた商品ばかり買い集めるわけにもいかないので、コレクターではなくあくまで趣味の範囲だ。

集め方は2つ。

  • 買った商品にPOPシールがついていたらシールブックに貼ってまとめている

  • twitterで #POPシール沼 のハッシュタグを作ってフォロワーさんに教えてもらう

どうして集め始めたかというと、なかなか見えにくい「企業内デザイナー」の姿が見えてくるような気がするからだ。

世の中にはたくさんデザイナーがいる。

デザイナーと聞くと大手広告代理店と組んでアヴァンギャルドで遊び心溢れるオフィス内でMacを5台くらい同時に動かしながら最新技術を駆使してバンバン賞をとるようなキラキラしたものを思い浮かべがちだが、実際のところ世の中のデザイナーのうち9割5分くらいはそれらとは無縁のところにいる。

一般企業のオフィスで薄暗い蛍光灯の下、Windows PCにめっちゃ重いAdobe製品を入れてマウスカチカチしてたりする。

(※上記の文にはひどい偏見が含まれています)

POPシールは、パッケージデザインに付加する期間限定のテコ入れ施策であることが多く、前者のようなメインのデザイナーではなく、おそらく後者の方のデザイナーが携わっているものが多いと思う。

そういった、これまでほとんど見向きもされなかったデザインとそのこだわりをそっと掬い上げて愛でたい…そんな思いから収集を始めたのだった。

私個人で集めたものは2年弱で54個になった。
フォロワーさんに教えていただいたものを合わせると80個近くになりそう。

今回はその中で、「これは面白い」と思ったものを3つ紹介しようと思う。

よく見るとダイカットしてないPOPシール

2021年の強粘度パイプクリーナー(マツモトキヨシ)。

写真左の「強力密着」の水色シールである。

POPシールは割とダイカットされているものが多い。ダイカットとは、金型でシールを切り抜いているものでモチーフのシルエットの形になっているもののことだ。

この「強力密着」のシールは普通に考えると「強力密着」という文字のシルエットで切り抜かれたシールであるはずなのだが、よーく見てほしい。

透明な四角いシールに、印刷されているのだ。
ダイカットされていないのだ。

実際のところはわからないのだが、例えば個人で印刷所にシール作成を依頼する場合、ダイカットでシールを作るとシルエットの頂点数が多くなるほど(…要は形が複雑になるほど)値段が高くなる。
マツモトキヨシのデザイナーさんは、どうしてもダイカットしたような、文字が飛び出して見えるデザインがしたかったのではないだろうか。
しかし、立ち塞がる予算の壁。
でも四角いシールは貼りたくない…!!
そこで考え出された苦肉の策がこれなのではないだろうか…!!?

デザイナーの工夫が光る面白いPOPシールである。

なおこちらはフォロワーさんから提供いただいたものである。
元ツイートはこちら。


隠し文字入りPOPシール

2021年のアリエール除菌プラス(P&G)のPOPシール。

一見何の変哲もないPOPシール

しかし、近づいてよくみてみよう。

透明部分に何か文字が隠れているのだ!!!
しかもグレーっぽい薄い文字で!!

これも実際のところはわからないが、P&Gのデザイナーさんはこの景表法か薬機法で表示必須の注意書きを、デザインの中に入れたくなかったのではないだろうか。確かにこれだけの文字数を上部のイラスト付きデザインの中に入れてしまうと本当に言いたい「除菌」「菌を除去」が伝わらなくなりそうである。
しかし、法令遵守でどうしても入れなくてはならない。
どうしよう、そうだこの透明部分に見えなように入れてしまおう!というわけなのではないかと思えるのだ。(それが実際のところOKかどうかはわかりかねます、、)

デザイナーの意地のこもったPOPシールである。

こちらもフォロワーさんに教えていただいたものである。
元ツイートはこちら。

リサイクル表示つきPOPシール

2023年生茶ほうじ茶(KIRIN)のPOPシール。

「ほうじ茶で心ととのう」というキャッチのみのシンプルなシールなのだが、よくみてほしい。
左下にリサイクルマークがついているのだ。

POPシール収集をしてきて、これまでリサイクルマークが付いているものはみたことがなかった。しかも、これに関しては完全にデザインを邪魔している。一体なぜついているのだろうか…?

twitterでその疑問を呟いたところ、有識者の方から有力な情報が寄せられた。
POPが容器包装にあたるなら、紙やプラの場合、マークの表示が必須です。
なるほど…つまりこの生茶ほうじ茶のデザイナーさんはこのPOPシールが容器包装にあたると判断してマークをつけたということになる。
もしかしてKIRINが全社的にそのようなデザインルールを設けているのではと思ったのだが、同時期に発売されていた午後の紅茶のシールはこちらだった。

リサイクルマークは、ついていない。

そこから導き出されるKIRINのデザイナーさんの苦悩はこうだ。
初めてPOPシールのデザインをすることになったデザイナーさんで、おそらく今までPOPシールは担当してきていなかった方なのではないだろうか。キャッチコピーをシンプルに配置したデザインは社内承認を通った!
しかし、ここで疑問に思う。
「待てよ、POPシールって容器包装なのか…?リサイクルマーク…いるんじゃないのか…?」
前任者からの引き継ぎには書かれていない。
POPシールのデザインルールガイドラインは…ない!?
じゃあ、パッケージデザインのガイドラインを参照…ウッ!やっぱりリサイクルマーク必須という記述…!!
締め切りは間近…悩んでる暇はない…入れないで法令無視になるか、入れてデザインがいまいちという誹りを受けるか…法令遵守が優先に決まってる!
ああああぁ…せっかくのデザインが…!!!
くっそぉぉぉ!!!マーク追加して納品んんんん!!!!

……というわけなのではないだろうか?

実際のところはもちろんわからないが。

沼への招待

ただの妄想じゃないかと言われればそれまでなのだが、完璧すぎないPOPシールのデザインはこういう妄想の余地が大変味わい深いのだ。

もちろん、非常によく考えられたデザインの素敵なPOPシールもある。
そういうものに出会うのも楽しい。

面白そうだなと思った方は是非twitterで #POPシール沼 のハッシュタグをつけて、@iso_meshi でPOPシールの写真をtweetしてみてほしい。
POPシールメインのブログもあるのでこちらもよかったら参照いただきたい。(ちょっと面倒になって更新が止まっているがやる気が戻ってきたら再開する)
https://isomeshi.tumblr.com/


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全然関係ないんですが、twitterでワーママ転職漫画を100話毎日更新しておりますのでよかったらこちらもご覧ください…。

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