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慢性期病棟の良いところ

僕は慢性期病棟と急性期(循環器)病棟を掛け持ちしています

慢性期病棟は、急性期と異なる部分がいろいろあるので書き出してみます

慢性期病棟の特徴
・急性期治療終了後の患者受け入れを行っている
・長期投与薬剤が多い病棟
・退院先は施設や療養病院が多い

金銭面の違い
・急性期病棟→DPC
・慢性期病棟→出来高方式

DPCは予算制限あり、長い入院は病院の損。
出来高は予算制限が緩く、かかった費用分は計上可能。

慢性期の立ち位置
・急性期→慢性期→退院(施設など)
施設では、薬剤や検査が包括になるため、状態が安定していれば処方の適否が詳しく判断されないまま薬が必要以上に減らされたり(underuse)、逆に検査が控えられ、現処方は変更せず新たな症状に対して薬がブリブリ上乗せされる事(overuse)が起きやすいといわれています。

なので、慢性期薬剤師の立ち位置としては、

急性期処方が上乗せされた患者の薬を退院前に過不足なく調整すること

だと思っています。急性期と比べて時間をかけた処方検討も可能なので、overuse/underuseの改善には最適な病棟だと思います。


薬剤師がしていること
・急性期病棟同様、薬剤管理指導
・長期投与薬剤の見直し
・薬剤変更後の効果追跡



慢性期だからといって手を抜くということはありません。むしろ、慢性期のほうが手がかかります。

慢性期病棟には、急性期病棟でガイドラインに沿い急性期医療を大急ぎで行われた患者がやってきます。病院としてはなるべく早く帰ってほしいので、急性期からまだ完全に回復していない状態で施設に退院してゆく方もおられます。

施設では検査が控えられ、処方がブリブリ継続してゆく場合も多いです。つまり、不要な薬が処方され続けることがあります(overuse)し、重要な薬剤でも高額という理由で使用できないという場合があります(underuse)。

退院の話が出始めると、ソーシャルワーカーさんが退院先で使用できる薬を調べてくれるので、施設で使用が難しい場合は、退院前に同効で安い薬に変更することがあります。ありがとうMSWさん、いつも助かっています。

長期投与薬剤の見直し
僕が特に確認している3つのポイントは、
・薬剤投与経路
・薬剤変更後の効果過不足判定
・薬剤投与必要性

です。薬剤師のコアの部分を試されるので私にとってはとても楽しいですにょ。そういえば昔でじこっていましたね、何処行ったんだろう。そういえば、でじこよりギャラクシーエンジェル派でした。緑色が好きなのでヴァニラHというキャラが好きでした。

薬剤変更後の効果追跡
退院まで時間がある病棟ならではです。急性期では薬剤変更後の効果判定を待たず退院することも多いので、後は外来で診てもらってください、私は入院担当なので知りませんという状況が多いです。

これは仕方ないとはいえ、薬を足しっぱなしであと知らんぷりというのは患者にとっては、少し無責任じゃね?と思われるかもしれません。

一方、慢性期は効果判定までの時間があるので、どうなったのかがわかります。逆に、効果判定や薬剤選択といった薬剤師の技量が問われるわけですが、その具体的なやり方は薬物動態、RWDなど書いたらとまらなくて長くなるのでまた今度!急性期と慢性期両方担当だからこそ見える部分があるので、担当させてくれた今の職場には感謝です。

まとめ(キーポイント)
・時間をかけた対応が可能で、overuse/underuseの改善を行いやすい病棟
・長期入院が予見されるため、薬剤変更後の変化を確認することが出来る
・病状安定前の急性期処方が上乗せされた状態を、施設退院前に適正化することができる

長文読んでいただきありがとうございました。NFTと薬剤師の話を気が向いたときにブリブリ書いてゆくので、よければまた会いましょう!

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