北京大興空港の中国南方航空の無償トランジットホテルの確保のための臨時入境許可
本記事は読み物ではなく、必要な方への情報です。
2024年9月7日と17日に中国南方航空で北京大興空港を乗り継いで第三国(今回はアムステルダム)に行った際の話です。経由地が広州白雲空港など場合には、事前にオンラインでホテル予約ができたり、現地でのホテル予約カウンターが入国の必要がない場所にあるなど異なる点があります。あくまでも北京大興空港PKX(首都空港BJSではない)の場合です。他の空港、他のエアラインでの状況はわかりかねます。
日時とフライト便名は以下の通りです。
9月7日
羽田空港 15時45分発
北京大興空港 18時45分着
中国南方航空 CZ648便
9月8日
北京 大興空港 13時10分発
アムステルダム スキポール空港 17時40分着
中国南方航空 CZ345便
乗り継ぎ時間が20時間近くありますので、空港内で過ごすのはできれば避けたいところです。そこで朗報として、中国南方航空が無料でホテルを用意してくれるのです。
ホテル確保とそのための入国方法のポイントを列記します。
・一定条件を満たせば南方航空からトランジットホテルが無償提供される
・ホテルは事前にオンラインや羽田のチェックイン時には予約できない
・ホテル予約は空港4Fのランドサイド(入国側)の南方航空のサービスカウンターでしかできない
・ランドサイドなのでカウンターに行くには入国する必要がある
・ビザは持っていないので入国するためには空港で取得する必要がある
・空港でのビザ(正確にはビザではなく臨時入境許可)の取得には滞在先のホテルが決まっている必要がある
・でもまだ決まっていないので入境許可がもらえない
・ここで無限ループに陥ってトランジットホテルに宿泊できず、空港内で一泊することになる
ということで、ネット上では中国入国拒否というブログやYouTube映像がたくさん上がっています。「24時間以内だと入国できない」とまで書かれている記事も多いです。しかしながらこれは間違いです。
では入国とホテル予約の方法を順を追って説明します。
まずホテルが提供される条件については、こちらで確認してください。予約クラスがZ/T/Nという最安値も対象になっているので、たぶん全員対象ではないかと思われます。でもあまり知られていないので利用者は5名くらいだったと思います。またこのクラスだと相部屋かもみたいなことが書かれていますが、同行者でない限りそれはないと思います。
飛行機を降りたらTransfer(中转)ではなくExit(出口)のサインに従って移動してください。しばらく進むと左側に指紋採取端末がありますが、これは現在ここではなく審査時に行っているようなので、指示がない限りスルーで構いません。
更に進むと、通常の入境審査窓口が並んでいます。これは中国人と外国人に分かれています。ここで最初のトラップがあなたを待ち受けています。ここは外国人の列に並びたくなりますが、ここはあくまでも通常のビザによる入境(入国)審査のための場所なのです。ここに並ぶと正規のビザを取得していない限り入境拒否されます。
今回はあくまでも24時間トランジットビザ免除措置に基づいて入境する手続きになりますので、入境審査ではなく外国人臨時入境許可 Temporary Entry Permit Application(临时入境许可申请)の列に並なばいといけないのです。これは入境審査カウンター群の一番左側の奥に2箇所あります。ここに並ばないといけません。
日本人的には通常の入境審査窓口に行っても、臨時入境のことや、ここではなくてあっちだよと教えてくれることを期待する、そういうものだと思い込んでいます。そんなことは日本の常識かもしれませんが一切通じません。
通常入境審査の列に並んでるのであればあくまでも通常の入境審査をもらいたくて並んでるのであって、その審査しか行わないのです。審査的にはビザがなければ要件を満たしていないので当然ですが入境拒否になります。
つまりこれはラーメン屋で寿司をくれと言ってるようなもので、ラーメン屋の大将はうちには寿司はないよ、でおしまいなわけですね。大将は別に寿司屋の場所を教える必要はないわけです。
審査官は完璧に職務に忠実なだけなのであって、それ以外のことは一切感知しないのです。多くの日本人はここで落とされていると思います。
で、外国人臨時入境許可の列に並ぶわけですが、ここで次のトラップです。申請書が2種類あるのです。一つは通常入境用の外国人用ARRIVAL CARDで、もう一つが外国人臨時入境許可申請書です。ここで書類を間違えると、拒否はされないかもしれませんが書き直しです。この申請書はカウンターの近くに置いてありますが、わかりにくく、かつ今書いた2つの書類が両方置いてあるので非常に紛らわしいのです。本来この場所では外国人用ARRIVAL CARDは必要ないのですが、そんなことは誰も配慮なんかしていません。
このカウンターの近くには、ここではどう考えても100%外国人相手にも関わらず、全く英語が通じない案内の人がいますので、この人が教えてくれるかもしれません。こういうときは日本語で聞くか、シンプルな英単語だけでなんとか理解してくれると思います。無理に英語を話しても彼は理解できませんので無駄です。でも英語ができないだけで(そこがアカンのだが)とっても親切です。
無事に正しい申請書を手に入れたら、カウンターで記入します。ここで3つ目のトラップが、中国の滞在時の住所かホテル名を記入する欄です。南方航空が北京大興空港で用意してくれるトランジットホテルは、先程書いた通り事前に予約はできません。予約をするには入国をしてから4Fにある南方航空のサービスカウンターに行って手続きをする必要があるのです。そうです、ここで書けないので詰んで無限ループに陥ります。
ではどうするか。この申請書の住所の欄には、Transit hotel provided by China Southern Airlinesと書いておきます。中文で南方航空朋友でもいいみたいです。
ここで人によっては、というか審査官次第で4番目のトラップです。私も往路の入境時にこう書いて申請したところ、「ホテル予約が必要だ、予約がないと入境できない」とはっきり言われました。確かにルール的にはそれが正しいんですよ。でもここで引き下がってはいけません。どうしたかと言うと、「南方航空がホテルを手配してくれるけど、その予約は4Fにある彼らのカウンターじゃないとできないんです」と口頭で言いました。
さすがに入境審査官は英語が大体わかります。でもそれだけでは納得してくれなかったので、最後の切り札として南方航空のWEBサイトの関連情報の書かれた中国語ページを印刷したものを用意しておいてそれを見せます。
それはこのページです。
https://www.csair.com/mcms/mcmsNewSite/zh/jp/#/tourguide/transfers/free
内容はこちらの日本語ページで確認してください。
https://www.csair.com/jp/ja/tourguide/airport_service/transit_flow/free/
ページのこの赤く囲った部分を赤ペンでマークしておきます。書かれていることは以下のとおりです。
これで「南方航空がこう言ってるんだけど、事前に予約できないので4階に行きたいんです」ということを主張するということです。
ここでも日本人的な常識では、中国南方航空から入境審査側にこういう情報を伝達申し送りしてあると思うでしょうが、入境側からしたらそんなことは知ったことではないのです。入境時に居場所を確定できていない者は入境させないというのは、ルールとしてはそうなのです。ですがそこは運用で柔軟に対応してくれていると言うわけです。
このあたりのニュアンスと言うか、日本人は良く言えば優しい。悪く言えば甘いですね。
つまり原則NGなことを認めてくれているということになるので、審査官によっては入境させてくれない場合もあるかもしれません。仮にそう言われたら、一旦戻って南方航空職員をなんとかして捕まえて、事情を話してカウンターに同行してもらうという手はあるかもしれません。あるいはその職員が予約を入れてくれるかもしれません。
こうして無事に臨時入境許可が降りました。これはいわば臨時ビザに当たるものですから、入国審査はこれからなのです。先程の「外国人」と書かれたところで入国審査を受けます。その後税関検査を経て問題なければ中国に入国できます。ここまでの所要時間は飛行機を降りてから1時間くらいかかります。
入国したら4Fに移動します。Bカウンター近くに下の写真の中国南方航空のサービスカウンターがありますので、窓口で搭乗券を見せてトランジットホテルを予約したいことを伝えます。
すると端末を確認してホテルの予約を入れてくれます。その際にどこのホテルとか教えてくれるわけでも、予約確認書をくれるわけでもなんでも無く、カウンター左側の黄色いベンチのところで待つようにとだけ言われます。その時のタイミングによりますが、45分くらいで呼びに来てくれて、3Fにある送迎バス乗り場まで案内してくれます。
ここで復路では1時間近く待たされても呼ばれないので、こちらからカウンターに声をかけました。そうしたらいきなり案内してくれたんです。この案内の仕方がどうもいい加減なのですよ。それこそ口頭でも分かる場所だし、図示された紙でもくれればいいんですけどそうはなってない。外国あるあるです。
そして後で分かるのですが、空港とホテルの間の無償シャトルバスは24時間運行されています。所要時間は5分ちょっとです。
空港発 毎時15分、45分
ホテル発 毎時00分、30分
となっています。
ですからカウンターで予約が完了したらホテル名を確認してください。たいていは中国南方航空直営のホテルであるBeijing CSN Pearl Hotel 北京明珠酒店 北京大兴机场店だと思いますので、案内を待つこと無く、自分でバス乗り場に移動すれば最大でも待ち時間は30分です。バスの乗降所は3F国内出発階の11番ゲート付近で、行けばすぐに分かります。なお実はホテルまで歩いても15分くらいです。
往路は北京に夜着いて翌日昼過ぎのフライトだったので、ホテルでゆっくりしました。復路は昼過ぎに着いて翌日9時過ぎのフライトだったので市内に地下鉄で移動して食事をしてきました。
いまは欧州やイスタンブール行きが中国南方航空で非常に安く出ています。フライトは快適で、ホテルも用意してくれますから所要時間が長いことさえ問題なければ、中国南方航空を強くおすすめしたいです。
今回の渡航はこちらにまとめページがあります。
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