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【ゆるふわコラム】日本人の課題:日本人が「オワコン」になりつつある3つの理由

コロナウィルスの流行で昨年から世界中で混乱が続いていますが、世界各国のなかでいままで隠されていた問題があらわになった国があります。それはどこでしょうか。

それはほかでもない、わたしたちが住んでいるこの日本です。

大きな自然災害や経済の崩壊が起きるたびにおなじような混乱に陥ってきたこの国ですが、いままで政治家もわたしたちも、ずっと目をつぶってきました。

その原因はわたしたちのなかにある3つ国民性にあるのです。その3つとはつぎのようなものです。

・「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といわれる熱しやすく冷めやすい気質
・問題の根本的な解決を行わず、その場しのぎで済ませる事なかれ主義
・他人からの監視の有無次第でふるまいが変わる表裏のはげしさ

こうした問題解決の先送りを改めない限り、これからも日本は混乱から抜け出ることは不可能です。

それではわたしたちのこうした性格のどこが問題なのでしょうか。順をおって考えていきましょう。

熱しやすく冷めやすい気質

日本人はいったん集団的な熱狂におちいると一気に同じ方向へ進んでしまう傾向があります。

太平洋戦争中のアメリカに対する無謀な戦争から始まって、バブル時代の株式や不動産投資ブーム、そしてコロナ禍で行われたオリンピックまで、日本人はいとも簡単にその場の雰囲気に飲まれてつっぱしってしまうのです。

マスコミでさえも自社のメディアが大きく取り上げた記事を長期間深追いすることは滅多にありません。つぎつぎと新しい情報に目移りしてしまうのが日本人の特性なのです。

事なかれ主義

現状維持にこだわり新しいチャレンジを行うことを避ける日本人は、失敗を恐れるがゆえに「問題がなければ何も変える必要はない」と考えています。

いま社会問題になっている「少子高齢化」も、じつはこうなることが1970年代にすでに予測されていたものでした。

しかし、まわりからの批判を受けたり摩擦を避けたいがあまり、その場だけやり過ごせればいいという考え方で対応し、物事に真剣に向き合おうとしないのです。

日産自動車の元経営者であったカルロス・ゴーン氏に対する処遇も、困ったときだけ外国人を利用して用が済んだら追い出す事なかれ主義といえるでしょう。

表と裏の違いのはげしさ

他人の目を異常に気にしておとなしく振る舞ういっぽうで、それがなくなるととたんに自分のエゴが表面化するという性格を日本人はもっています。

東日本大震災のような大災害の被害を受けた人も、配給所でおとなしく並んで決して列に割り込んだりすることがありません。

いっぽうで、誰もいない夜間の時間帯には、被災した家屋に侵入して財産を略奪する「火事場泥棒」が跡を絶ちませんでした。

★★

このように、日本人は清潔で礼儀正しく誠実といわれるいっぽうで、リスクを取ることを嫌い問題解決に積極的ではありません。

こうしたことがバブル経済の発生と崩壊、以後30年間にもおよぶ国内経済の停滞、コロナ禍におけるワクチン調達の遅れにつながっているといえるでしょう。

ただ、このコロナ禍がもたらした「会社中心主義からの脱却」や「成果をだす人間が評価される」といった傾向が強まったことは、これからの日本を変えるきっかけになります。

これを機会に、わたしたち日本人はもっと自分の目の前にある社会問題に対し堂々と立ち向かう態度を身につけることが大事でしょう。

編集後記

今回説明したような日本人の特質は、いまにはじまったことではないんですね。

歴史をさかのぼってみると、太平洋戦争中の大本営や軍部のトップは、リーダーでありながら戦争における明確な方向性を持たず、部下に対しては威圧的な態度で思い通りに動かし、失敗しても決して責任をとることがありませんでした。

こうした「現場の人間は優秀だがトップが無力・無能」という悪しき国民性を全く反省しないまま経済的反映だけを追い求めたことが、現代の社会問題につながっています。

こうした戦時中の組織上層部のリーダーシップの欠如は、「失敗の本質」という名著に詳しく書かれています。

ただ、この本はなかなか難しくて、とてもさらっと読むことはむずかしいんです。

そこで、入門書としてとてもわかりやすくまとまっているのが、『「超」入門失敗の本質』。

「コロナ敗戦」と呼ばれたいまの政治の失敗に問題意識を持っている人には、とても響く内容になっています。

ぜひ、読んでみてください。


関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。